秋を忘れてあっという間に冬到来、冬本番に備えて始めておきたいスキンケアを全薬グループの専門家が解説

記録的な猛暑からあっという間に肌寒い季節となり、気温差による自律神経の乱れから、肌や体内の不調に悩まされている人も多いのではないだろうか。特にこれからの季節は、外気や暖房による乾燥、寒暖差から肌のバリア機能低下しやすく、肌のターンオーバーが乱れやすくなる。気づいたら冬を経て疲れ顔が加速し、「最近なんだか顔が暗い」と思われてしまう可能性もあるという。そこで今回、皮膚病薬研究に取り組んできた全薬グループに所属するスキンケアの専門家に、冬本番に向けて始めておきたいスキンケアについて聞いた。

「冬は、空気中の水分が少なく、さらに暖房によって室内の空気も乾燥している。乾燥しやすい環境では、肌表面のバリア機能の低下やターンオーバーの乱れが起こり、肌荒れを引き起こす。また、顔は外気に晒されるため、肌にダイレクトに冷えた空気が当たり、肌の血行が悪くなることで悪影響を及ぼす」と指摘するのは、全薬販売 信頼性保証学術部の武田健太郎氏。「冬は日照時間が短いことから、幸せホルモンとも呼ばれる脳内の神経伝達物質『セロトニン』が不足し、ストレスが蓄積されやすい傾向にある。朝と夜の寒暖差、手足の冷えから、睡眠の質も低下する。こうして、睡眠不足や寒暖差によって、自律神経が不安定になり、肌の生まれ変わりであるターンオーバーも低下してしまう」と、冬の季節に肌のハリ不足や疲れ顔が加速してしまう要因について解説した。

全薬販売 信頼性保証学術部の武田健太郎氏

「さらに冬は、クリスマスや忘年会に続き、新年会など、食べ過ぎがちな機会が増えることに加え、厳しい寒さを乗り越えるため、エネルギーを蓄えようと、無意識に食べ過ぎてしまう季節。暴飲暴食を繰り返すと、活性酸素が増えやすい傾向になり、酸化ストレスによって老化を促進させてしまう」と、年末年始の暴飲暴食にも警鐘を鳴らした。

冬の肌ダメージに向けたスキンケア方法としては、(1)朝も洗顔料を使う、(2)お風呂上がりは「プレ化粧水」で保湿、(3)化粧水&乳液の基本ケアを徹底--の3ステップが重要になるという。ステップ1では、「睡眠時は肌は汚れないと思われがちだが、寝ている間に汗・ホコリ・ダニなどが付着し、水だけでは落としきれない汚れが存在する。睡眠時の汚れや皮脂を放置すると、皮脂などが酸化し、毛穴の黒ずみやシミの原因になるので、朝も洗顔料を使ってしっかり洗顔してほしい」とのこと。

「お風呂上がりの肌は乾燥しやすく、入浴後から保湿までのリミットは10分であることが科学的に証明されている(出典:「保湿リミット」実験結果 10分以内の保湿が必要(早坂,2017))。普段のスキンケアを行う前に『プレ化粧水』で保湿することで、さらに乾燥から肌を守ることができる。プレ化粧水を取り入れる際は、汗をかく前に化粧水を顔全体に馴染ませる。化粧水が顔全体に広がったら汗が引くのを待ち、普段のスキンケアを行うこと」と、ステップ2のポイントを教えてくれた。

ステップ3については、「化粧水と乳液による保湿はスキンケアの基本となるが、冬は特に乾燥しやすいため、より基本のスキンケアを強化することが大切。化粧水で保湿した後は、うるおいが蒸発しないように乳液でフタをしてほしい」と説明。「さらに、この3つのステップに加えて、ミスト化粧水を持ち歩くのもよい。携帯しやすいミスト化粧水は、シュッとスプレーするだけで手軽に保湿することができる。外出先で肌の乾燥や化粧崩れが気になったときも使える。乾燥だけでなく、テカリ・ベタつきなどの不快感を軽減してくれる製品もある。」と、プラスアルファのスキンケアとしてミスト化粧水の活用を推奨していた。

ジュレリッチ リュール クリアフォーム

「全薬工業では、ステップ1に最適な洗顔料として、『ジュレリッチ リュール クリアフォーム』等の洗顔料を販売している。同品は、泡タイプの洗顔料で、顔全体を優しく包み込んでくれる。また、外出先でも使用しやすいミスト化粧水として、『アルージェ モイスチャー ミストローションII(しっとり)』等を販売している。敏感肌にやさしい細かいミストが肌にすっと浸透し、角層のすみずみまでみずみずしくうるおうローションとなっている」と、冬のスキンケアにおすすめの商品を紹介してくれた。

冬の肌ダメージを受けてしまった際のアフターケアとしては、「良質な睡眠」と「栄養バランスのとれた食事」によるインナーケアが大切とされている。まず、睡眠については、良質な睡眠のために、入浴する際は、38℃のぬるめのお風呂に入るのがポイント。体が芯から温まり、血流が良くなり、副交感神経が優位になるので、リラックス効果が期待される。また、スムーズな入眠のためには、就寝の1時間前までに体温を上げておくとよいといわれている。そこで、軽いストレッチをゆっくりとリラックスして行うことで、副交感神経のスイッチが入り、心も体も安眠へと導きやすくなるとのこと。副交感神経モードに切り替わりつつある入浴後がおすすめだとか。この他、近年では不眠の対処法として漢方を希望する人も増えている。漢方医学的には、不眠の原因として、興奮状態、神経質、心身の過労が考えられている。数ある漢方処方のなかでも「抑肝散(よくかんさん)」は、神経のたかぶりを抑えることで、不眠を改善し睡眠の質を高めるといわれている。

食事については、きれいな肌をつくるためには、1日3回栄養バランスのとれた食事が重要とされている。特に、体の細胞のもととなるタンパク質はもちろん、健康維持に不可欠なビタミンや亜鉛をバランスよくとることが推奨されている。そこで今回、忙しくて料理をする時間がない人でも、コンビニで手軽に買える美肌食材を4つ紹介しよう。

まず1つ目は「ヨーグルト」。ビタミンB群が含まれているヨーグルトは、新陳代謝を促し、肌の再生を助けてくれる。また、ヨーグルトに含まれる乳酸菌には整腸作用もあるため、便秘解消にも役立つとされている。コンビニでもカロリー控えめのプレーンヨーグルトや、デザート感覚で楽しめるフルーツヨーグルト、タンパク質が豊富に含まれているギリシャヨーグルト、脂肪分を抑えた低脂肪ヨーグルトなどが揃っており、手軽に入手できる。

2つ目は「大豆製品(豆腐・納豆)」。大豆製品にはタンパク質が多く含まれている。またビタミンB群の働きによって、肌の新陳代謝を助けてくれるという。「サラダは豆腐入りのものを選ぶ」「おにぎりではなく納豆巻きを選ぶ」などの方法で取り入れてみるとよいとのこと。

3つ目は「アーモンドミルク」。アーモンドを原料にしたアーモンドミルクも肌荒れ改善効果が期待できる。アーモンドには、抗酸化作用(老化・免疫低下などの原因となる「活性酸素」の発生や働きを抑える働き)のあるビタミンEが豊富に含まれているので、抗酸化作用によって血行を改善し、肌の新陳代謝を促してくれる。

最後の4つ目は「野菜ジュース」。厚生労働省が推奨する1日に必要な野菜の量は350gとされているが、これだけの量の野菜を毎日摂取するのは難しいもの。実際、日本人の平均的な野菜摂取量は295g程度で、健康的な肌づくりに欠かせないビタミンやミネラルが不足しがちに。これらの栄養素を手軽に補うには野菜ジュースがおすすめとのこと。どんな栄養素がどのくらい含まれているかをパッケージで確認し、栄養補助として役立ててみては。

全薬グループ=https://www.zenyaku.co.jp/


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