貞光食糧工業、セカンドライフなどで「阿波尾鶏」の養鶏を始める農家への支援活動を推進、将来独立を目指す人も積極的に社員採用

地鶏養鶏場イメージ

徳島県の地鶏「阿波尾鶏」を生産加工する貞光食糧工業(以下、貞光食糧)は、セカンドライフでこれから新たに阿波尾鶏の養鶏を始めようとしている農家などに、直接ノウハウを教えたり、サポートする取り組みを推進している。また、阿波尾鶏の養鶏で将来独立を目指している人も積極的に社員採用し、未来の阿波尾鶏生産者の育成支援にも取り組んでいる。

地鶏といえば、比内鶏、名古屋コーチン、薩摩地鶏が日本の三大地鶏として知られているが、実は阿波尾鶏は地鶏の生産量日本一、JASの認定は第1号となっている。徳島県が開発したブランド地鶏で、有名な「阿波踊り」にちなんで名づけられたという。徳島の在来種の軍鶏(阿波地鶏)にホワイトプリマスロックを掛け合わせ、歯ごたえがありながらやわらかく、うま味がしっかりしている。焼き物、鍋物など料理を選ばず広く使えることで好まれているとのこと。

国内でNo.1の地鶏「熟成 阿波尾鶏」を生産出荷している貞光食糧は、鶏にストレスがかからないように飼育。かつ熟成を施し、柔らかさと歯ごたえの両立を実現。阿波尾鶏は、徳島県の特産物として平成10年度には生産量が全国1位となり、日本のトップブランドへと成長した。一方で、「熟成 阿波尾鶏」の養鶏者数は高齢化や後継者不足などの要因で減少傾向にあり、2018年対比で、93%となっているという(2018~2022年の5年間で、11件の養鶏農家が廃業し、現在は54件)。

こうした状況を受け、貞光食糧では、阿波尾鶏養鶏の家業を継ぐ人や、セカンドライフでこれから阿波尾鶏の養鶏をイチから始めようとしている人などに、直接ノウハウを教えたり、高齢化によって鶏糞の搬出や掃除などの重労働が大変になっている人のサポートを積極的に行っている。また、養鶏に従事している人が入院し、家族が代わりにサポートすることができない場合は、一時的に鶏舎を借り上げて飼育をするなど、さまざまなケースにも柔軟に対応しているという。

貞光食糧工業 生産部の山内貴文部長代理

すべての養鶏農家の状況を把握し、常に指導やサポートを行っている貞光食糧 生産部の山内貴文部長代理は、「養鶏農家に対しては、新規就農手続き支援や計画書の作成、本人および行政の担当者との打ち合せを複数回行っている。生産者の要望をしっかりと聞き、生産者の理想に近づくよう、また、生産者の不利益がないよう心がけている」と、養鶏者へのサポート内容について紹介。「鶏の育種改良や飼料動向など養鶏は常に変化しているので、その変化をいち早く見抜き、成績向上のためのアイデアを考えることにやりがいを感じている。一方、苦労する点としては生産者の高齢化とともに意欲の減退もあり、前向きな話にならないこともある。また、養鶏の機械化やシステム化の流れに対し、小規模養鶏場の多いこの地域がどれだけついていけるかが今後の課題になると考えている」と、養鶏者支援のやりがいや課題について語る。「10年後には生産量を10%増やせるよう努力し、いずれは日本のみならず、『世界から認められる地鶏』を目指したい」と、阿波尾鶏の将来展望を示した。

貞光食糧工業 生産部直営農場勤務 山本貴大氏の業務中の様子

さらに、貞光食糧は、阿波尾鶏の養鶏を始めたいという人も積極的にサポートしている。いずれ退職し独立するとわかりつつも、未来の阿波尾鶏生産者を育てたいという想いから、そのような目的を持った社員も積極的に採用しているとのこと。今回、現在活躍中の、3名の未来の阿波尾鶏養鶏の社員のうち、生産部直営農場勤務の山本貴大氏に話を聞くと、「手間をかけた小さなひよこが大きく育っていく様子をいつも楽しみにしており、やりがいを感じている。規模は小さくても日本一美味しいといわれる阿波尾鶏をつくることを目標に、少しでも早く養鶏技術を身につけるとともに、安定した生産ができるように努め、今後も養鶏業に貢献していきたい」と、阿波尾鶏生産者としての意気込みを語ってくれた。

貞光食糧の阿波尾鶏の一番の特徴は熟成とのこと。骨付きのまま0~2℃で4時間以上冷蔵庫に貯蔵し解体することを熟成というが、専用熟成庫で1晩(約15時間)貯蔵し、特別に熟成したものは一層おいしさを引き出すという。この製法は特許をとっており「熟成 阿波尾鶏」ならではのおいしさの秘密となっている。

「熟成 阿波尾鶏」の飼料は、混合飼料「地養素」と呼ばれるもので、天然のナラ材を中心とした広葉樹を燃やした煙を冷却し、抽出した木酢液をしみこませたゼオライトを粉末化している。この「オリジナル飼料」を食べることで、おいしさの指標である「還元糖値」がアップするため、味と質を向上する飼料として注目されている。また、実際に美味しさの指標である還元糖値も1.4倍と高い数値を示している。

鶏の体は「オリジナル飼料」を食べると、体質がアルカリ化に傾き健康的になると考えられている。健康に育った鶏は「うまみ成分」を含んだ肉となる。また、健康になることで水分を保湿しやすくすること、加えて「熟成 阿波尾鶏」独自のエアチラー方式の処理によってドリップが出づらくなり、うまみアップと肉の弾力アップにつながっていると考えられている。鶏肉をスーパーで買ってきたときのトレイにたまっている水をドリップというが、「熟成 阿波尾鶏」はドリップゼロが特徴となっている。

貞光食糧工業=https://www.sadamitsu-shokuryo.jp/


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