サントリー、常温の缶から“飲食店の生ビール”が提供できる業務用新ビールサーバー「nomiigo（ノミーゴ）」をテスト展開

サントリーは、ビールカンパニー内に2021年に設立した「イノベーション部」から、「ビアボール」「サントリー生ビール」に続く第3弾の取り組みとして、常温の缶から“飲食店の生ビール（口あたりのよいクリーミーな泡と適正な温度を実現したビール）”が提供できる業務用新ビールサーバー「nomiigo（ノミーゴ）」のテスト展開を、10月5日から開始した。同日に行われた発表会では、「ノミーゴ」を導入するに至った背景や、新ビールサーバーの特長や使用方法などについて詳しく説明した。

「時代の変化に対して、これまでの固定概念に捉われることなく新たな価値を提案する『イノベーション部』を2021年4月に創設した。そして今回、『ビアボール』『サントリー生ビール』に続く第3弾の新規取り組みを発表する」と、サントリー ビールカンパニー マーケティング本部長 多田寅氏。「当社の調査によると、コロナ禍前と比べ、外食頻度が増えたと答えた人が減った人を上回る結果になった。食中心業態に飲酒意向が広がってきている」と、外食への期待はコロナを経て高まっていると指摘する。「また、コロナ禍前に比べて、外食の場でさらに『質』を求める消費者の割合は、全体で32％、ビール若年層（20～39歳）では42％に達する」と、コロナ禍以前に比べて外食での“質”を求める声は高まっているのだと解説する。「コロナ禍以降、外食で増えたお酒は『ビール』が最も高く、特に、おいしい樽生ビールを求める声が増加している」と、外食での“ビールのおいしさ”を再認識している消費者が増えていると分析する。

「そこで、消費者が外食を通して笑顔になれるように飲食店向けの新サービスを提案する」と、業務用新ビールサーバー「ノミーゴ」をアンベールした多田氏。「『ノミーゴ』は、これまで樽生ビールサーバーの導入が困難であった飲食店でも、常温の缶から“飲食店の生ビール”の提供を可能にする今までにない業務用新ビールサーバーとなっている」と、新生ビール体験が可能な缶専用業務用サーバーの導入で、外食での“ビールのおいしさ”をさらに訴求していく考えを示した。

同 マーケティング本部 イノベーション部 伊藤優樹氏は、業務用新ビールサーバー「ノミーゴ」を開発するに至った背景やサーバーの特長などについて説明した。「現在、主な樽は10L・15L・20L（一部製品除く）となっている。樽は開栓すると品質が長期間は維持できない（3日間の利用を推奨）ため、サーバーが設置できるのは、ビールの品質を保つことができる一定の販売量を持つお店のみとなる」と、飲用時品質を守るため、樽生サーバーはどんなお店にも設置できるのではないのだと指摘する。「しかし、店舗の販売量に対応できる容量の生ビールを安定して提供できるように、常温の缶が使用できる缶専用業務用サーバーを開発した」と、樽生ビールサーバーに代わる新たな機材を提供することで、生ビールを提供したいという飲食店の想いに応えるのだと説明する。

「お店のビールがうまい秘訣は、“泡と温度”にある。泡はビールにフタをする役割があり、炭酸ガスを逃がさない、味・香りを逃がさない、酸化を防ぐ、温度上昇を防ぐ。そして、クリーミーな泡ほど口当たりがいい。また、ビール提供時の温度は、平均4℃とされている。『ノミーゴ』では、このクリーミーな口当たりのいい泡と4℃程度のビール温度を実現。提供品質に徹底的にこだわった」と、飲食店の生ビールの重要な要素である泡と温度にこだわったサーバーなのだと力説する。

「『ノミーゴ』では、3ステップ圧力可変技術（クリーミーな泡・適正な温度で1杯1杯注ぐために3つのステップで圧力を可変させる技術）を採用した。まず、ビール抽出のスタンバイをし、ビール・泡の圧力可変を行う。そして、連続注ぎのためにブローしてくれる」と、「ノミーゴ」でビールを注ぎながら解説する。「『ノミーゴ』では、難しい操作がなく簡単な取り扱いとし、樽生ビールサーバーとほぼ同サイズとなっている。さらに、洗浄時のビールロスゼロを実現した」と、店舗が導入しやすい、ユーザビリティ、サイズ、コストになっていると強調した。

「『ノミーゴ』を導入することで、ビールロスや労働負担の低減につながる」と、メリット性が高い機材なのだと説明する。「『ノミーゴ』という名前には、“飲み頃”と“飲みにGO”という意味を込めた」と、予冷不要ですぐに適正温で、きめ細かくクリーミーな泡を実現し、提供時にあけたての一杯を楽しめる「ノミーゴ」を今年100台のテスト展開を行うと意気込んだ。

［テスト展開日』10月5日（木）

サントリー＝https://www.suntory.co.jp/