- Drink&Food2023/01/10 18:25
近大とニチレイフーズが共同開発した「アセロラブリヒラ」をベイシアが限定販売
近畿大学と、アセロラ事業を手掛ける大手食品メーカーのニチレイフーズが共同開発した「アセロラブリヒラ」を、北関東を中心に食品スーパー136店舗を展開しているベイシアの全店舗(ベイシアマートを除く)で、1月11日から販売する。販売はベイシア限定となる。「アセロラブリヒラ」は近畿大学が開発したブリとヒラマサのハイブリット種である「ブリヒラ」に、アセロラの抗酸化機能による品質保持効果を期待して、一定期間アセロラの搾りかすを含有した餌を与えた養殖魚とのこと。最先端の養殖技術と飼料の技術でさらなるおいしさと美しさを追求して開発した。
近畿大学とニチレイグループが開発した「アセロラブリヒラ」をスーパー・ベイシア全店舗で販売する。強い抗酸化作用があるアセロラで「持続する鮮やかな赤身」と「爽やかな味わい」を実現した。商品の劣化を遅らせる技術で食品のロスを減らし、持続可能な養殖業の推進を目指すという。
「ブリヒラ」は、近畿大学水産研究所が異なる魚の性質を受け継ぐ交雑魚の研究を行うなかで開発された、ブリ(雌)とヒラマサ(雄)の交配による近畿大学独自の魚種とのこと。冬が旬のブリは、脂のりのよさと強い旨味が特徴だが、身が柔らかく、夏場は血合いが変色しやすくなる。一方、ヒラマサはコリコリとした食感が楽しめ、変色しにくい特徴があるものの、脂身が少なく淡白な味わいで、食べられる時期も夏に限定される。ブリヒラは、この2つの魚種から“いいとこどり”をして、ブリの“うまみ”にヒラマサの“歯ごたえと美しさ”を兼ね備えた大変おいしい魚で、完全養殖のため一年中提供が可能となっている。
近畿大学水産研究所は、持続可能な食料供給の方法として「人工種苗による養殖」の研究を長年にわたり進めている。人工種苗とは人工的に生産された養殖用の稚魚や卵のことで、天然資源を減らすことなく、必要な魚を必要な量だけ生み出すことができる持続可能な養殖方法とのこと。ブリヒラは自然界でも稀に自然交配しますが、一般に流通できるだけの量は存在しない。養殖に必要な量の種苗を生み出して提供できるのは、養殖研究において長年の実績で世界をけん引する近畿大学だけの技術によるもの。生食用の青魚は、「変色しにくい」「身質が維持される」「適度な脂の乗りがあっておいしい」という要求を満たす必要があり、ブリヒラは安全な技術でそれらを満たすことが可能となっている。また、このように天然の魚では満たせない条件を満たすことで、食品ロスの低減に貢献したいと考えている。
ニチレイフーズではアセロラ商品を生産・供給しているが、その際の搾りかすが副産物になるとのこと。この搾りかすはアントシアニン系のポリフェノールとビタミンC、ビタミンEが多量に含まれており、これを養殖魚の後味の良さの向上と品質の保持(肉質の保持や色味の保持)に役立てようと、近畿大学とニチレイグループで2018年から共同研究を開始した。これまでに「アセロラぶり」、「アセロラ真鯛」の開発を行っている。
ベイシアは近畿大学の関連会社である食縁と、2017年に「持続可能な養殖水産物普及の協定」を締結し、ブリヒラの大量生産による安価な供給に向けて協力してきた。近畿大学産の人工種苗から育てた「近大生まれのブリヒラ」を、2018年に1000尾、19年に1万5000尾、20年に2万尾と段階的に養殖量を増やし、21年は5万尾、昨年はさらに数量を拡大して8万尾を販売した。ベイシアらが先駆けて取り組んできたブリヒラは、いまや全国展開の寿司チェーンなどが寿司ネタとして採用するなど人気を博しており、消費者から非常に高い支持を得ている。
このような「人工種苗による養殖技術」を用いて育てた魚種を積極的に販売することで、食品ロスの低減や水産資源の確保など、地球環境に配慮した取り組みにも貢献したいと考えている。また、さらなる養殖魚の品質向上を目指し、これまで2021年1月に「アセロラぶり」、10月に「アセロラ真鯛」の試験販売、2022年2月から「アセロラ真鯛」の本格販売を開始した。ベイシアは販売とアンケート調査を担うことで、味や食感に関する消費者の意見を得て、さらなる質の向上に寄与している。
[小売価格]
サク(100g):537円
刺身スライス(6切):429円
生寿司単品(6貫):645円
(すべて税込)
[発売日]1月11日(水)
ベイシア=https://www.beisia.co.jp/
近畿大学=https://www.kindai.ac.jp/
ニチレイフーズ=https://www.nichireifoods.co.jp/