- Drink&Food2024/08/10 23:00
味の素冷凍食品、家庭用冷凍食品「おべんとPON」シリーズ全5種と大容量パック「ギョーザ 標準30個入り」を発売
味の素冷凍食品は、家庭用冷凍食品の新製品6品・リニューアル品3品を、8月11日から発売する。新製品は、お弁当づくりの新しいカタチとして、冷凍庫のスキマに「シュッ!」と収納でき、お弁当箱に直接「ポンッ!」と盛り付けができ、捨てるときは丸めて「ポイッ!」と捨てられる「おべんとPON」シリーズ(「おべんとPON とんかつ」、「おべんとPON からあげ」、「おべんとPON メンチカツ」、「おべんとPON つくね」、「おべんとPON とり天」全5種類)と、たくさん食べたいときにピッタリの「ギョーザ」の大容量30個入りパック「ギョーザ 標準30個入り」となる。リニューアル品は、さっぱりなのにやみつきの旨さにリニューアルした「しょうがギョーザ」、はちみつを加えて後味のコクが深くなった「黒胡椒にんにく餃子」と北海道産の素材を贅沢に使用した「北海道まるごと牛肉コロッケ」。8月7日に行われた新製品発表会では、これら新製品およびリニューアル品について発表した。
「当社の主力製品である『ギョーザ』の市場は伸長しているものの、参入企業も増え、徐々にコモディティ化が進んでいると思われる。この動きは当社にとって大きな問題と考えている」と、味の素冷凍食品 代表取締役社長 寺本博之氏が冷凍餃子市場における現状と問題点について危機感を強める。「こうした状況に当社では改めて『ギョーザ』の価値は何かを再構築し、美味しいだけでなく、誰が焼いても羽付き餃子が楽しめるということに主眼を置き、焼き餃子体験をマーケティングの柱として実施した。今年のゴールデンウィークにJR両国駅の幻の3番ホームで行われた焼き餃子体験会は大きな盛況を得ることができた」と、「ギョーザ」の価値を訴求する活動を行ってきたと力説。「『ギョーザ』の価値を消費者に伝えるプロモーションを行ってきたことで、売上をさらに伸長させることができた」と、結果につなげることができたと胸を張る。
「当社は、“おいしさNo.1”、“楽しさ”、“健康・栄養”、“環境への配慮”という4つの独自価値で差別化を図っていくことを目指している。この独自価値を具現化したお弁当向け製品を今回上市する。消費者の使い勝手の良さはもちろん、環境にも配慮した製品になっている」と、新たな価値を提案する革新的な製品を市場に投入すると意気込む。「味の素グループである当社は、グループならではのノウハウや技術を共有。これらのノウハウや技術は世界に誇れるものと自負している。今後もグループのノウハウや技術を活かした製品を展開していくので、ぜひ期待してほしい」と、4つの独自価値を具現化した製品の発売や取り組みをさらに強化していくと訴えた。
同 執行役員 マーケティング本部(事業部門管掌) 杉田博司氏が冷凍食品市場動向と同社の取り組みについて発表した。「昨年度の冷凍食品市場は前年比106%の1兆1000億円と拡大。消費者の簡便・時短、節約志向の高まりを受け、中期的に伸長を継続している有望市場と位置づけられている」と、冷凍食品市場について解説する。「当社では、“おいしさNo.1”、“楽しさ”、“健康・栄養”、“環境への配慮”という4つの独自価値を軸にした、製品開発・プロモーションなどのマーケティング活動を行っている」と、4つの独自価値訴求を推進しているとのこと。
「4つの価値を『店頭』『台所』『食卓』『地球(環境)』での『キッチンバリューチェーン』に沿って実現していく。キッチンバリューチェーンは徹底した消費者の行動観察から導いた製品開発手法であり、調理や喫食だけにとどまらず、店頭での購入から運搬、家庭での保管、片付けまで一貫して4つの価値を提供していくもの。たとえば、消費者の行動を観察した結果、『ギョーザ』では、水の量がまちまちで、時間は守られているが調理方法がオリジナルで完成品に違いがみられることから、食べてもらいたい品質を家庭で再現してもらうため“水なし”調理を開発した」と、キッチンバリューチェーンの考え方を基本に、消費者に寄り添いながら商品開発を進めてきたと力説する。
「“史上最高キレイに焼ける”ギョーザ改訂にともない“おいしさNo.1”に加えて、調理・喫食での楽しさを実現した『フライパンチャレンジ』キャンペーンを行った」と、顧客の声をもとに製品開発し、コミュニケーションにまでつなげたキッチンバリューチェーンの取り組みについて紹介した。
「持続可能な社会の実現に貢献するために、当社では、地球環境と調和した企業活動の継続的改善に務め、環境負荷低減の取り組みを行っている。温室効果ガス削減においては、全工場の大型フリーザの脱フロン化や、蒸気エネルギーの利用、温室効果ガスの発生が少ない燃料に転換し、CO2排出量削減に務めている。また、輸送時の温室効果ガスの削減では、2000年度からトラック輸送から鉄道および会場輸送への転換を推進し、長距離輸送における環境負荷低減に務めている。さらに地域の配送において他の冷凍食品メーカーと共同配送を進めている」とのこと。「製品のプラスチック廃棄物削減については、トレイ不使用でプラスチックを削減。パッケージの省資源化にも務めている」と、自然界で分解されにくいプラスチックの使用を極力減らしていくことで環境に配慮しているのだと強調した。
次に、同 マーケティング本部 リテール事業部リテール製品戦略第1グループ 駒木根理花氏が、冷凍餃子製品の新製品およびリニューアル製品について発表した。「冷凍食品のさらなる市場拡大が期待される一方、冷凍庫が1年中いっぱいだと感じている人は増加。冷凍庫のキャパシティ問題による、買いたくても買えない問題が深刻化している。これには、消化を促すことで市場拡大を加速できると考える」と訴える。そこで、当社では、メニュー検討から調理、後片付けの悩み解決を提案するべく、『ギョーザ 標準30個入り』を新発売し、『しょうがギョーザ』『黒胡椒にんにく餃子』をリニューアルする」と、大容量の『ギョーザ』を新たなラインアップに加えるとともに、既存品を刷新するという。
「冷凍食品の需要増の一方で、子育て主婦の隠れた未充足がまだあることに気付いた。そこで、子育てファミリー層のニーズを的確に捉えて市場を加速させるために、『ギョーザ 標準30個入り』を発売することにした。たくさん食べたい子育てファミリー層の希望に応えながら、1回あたりの喫食個数増加にも貢献。餃子の総需要拡大を図る」と、「ギョーザ 標準30個入り」を発売するに至った経緯を説明する。
「当社が行った調査によると、12個入りトレイの餃子の平均喫食個数は1人あたり6個だった。しかし大容量タイプの餃子の平均喫食個数は1人あたり8個だった。入り数が変わるだけで消費量が1.3倍に増えた」と、消費者は12個という入り数設計から、無意識のうちに喫食個数を制限していることがわかったという。「フライパン(平均26cm)に並べると、12個は余白が多くまだまだ並ぶ余地がある。家族が満足するボリュームのおかずを求める子育てファミリー層は、数の制限がなくなることで、食べたい分だけたっぷり調理できるようになり、調理個数が増加することがわかった」と述べる。「調理個数が増えることで、食卓のメインおかずとしての利用が増えることもわかった」と、入り数が増えれば食卓のど真ん中を張れて、映えることもわかったと語っていた。
「『ギョーザ 標準30個入り』は、『ギョーザ』の大容量タイプとなっているにも関わらず、冷凍庫スペースを約20%削減した。またトレイなしなのでプラスチック使用量の約63%を削減している」と、トレイがないためスキマに入れやすくなるのだとアピール。
「さらに、『ギョーザ 標準30個入り』では、一度に大量調理する際にもキレイに焼けるように羽根の素を調整。また、ニラを使用せず、香味野菜の風味を抑えたマイルドな味付けに仕上げることで、たくさん食べるのにぴったりな味になっている。そして、安心とおいしさをコスパよく届けたいという想いから、素材も吟味して中国産にんにくを採用。食べ盛りの子どもがいるファミリー層にお腹いっぱい食べてもらえるよう設計した」と、1品でボリュームがあって、メインになるおかずがほしいというファミリー層へのニーズに応えるべく、製品設計も細部にまでこだわっていると教えてくれた。
「ニオイが気になって食べられない悩みを抱える人やシーンの悩みを解決するべく『しょうがギョーザ』を発売。にんにく臭問題を解決してギョーザの食卓出現拡大に貢献してきた」と、「しょうがギョーザ」を発売するに至った経緯を紹介する。
「においを気にして冷凍餃子を食べることを避けた経験がある人は、年間1100万人も存在しており、餃子喫食の深い悩みとなっている。その一方で、にんにく臭問題を解決したギョーザのポテンシャルは大きい。そこで、しょうがのさわやかさはしっかり維持しつつ、従来品にあった後味のえぐみや苦みを抑えることで、小さな子どもがいる家庭など、今までよりさらに多くの人が楽しめるようにリニューアルした」と、今回刷新するに至った背景を説明する。「リニューアル品では、『しょうがギョーザ』の良さはそのままに、においを気にせず食べられるギョーザへと進化させた」と、餃子の根深い悩みを解決し、より広い間口を取りにいける設計に進化したとアピールした。
「『黒胡椒にんにく餃子』では、より買い求めやすい価格設計でトライアル促進を行うとともに、おいしさ向上によるリピート引き上げで販売増を狙う」と、リニューアルの狙いを語る。「『黒胡椒にんにく餃子』は、黒胡椒とにんにく以外の餃子としてのおいしさ(コク・ジューシーさ)に課題があり、おいしさ、それに紐づくリピート率に改善の余地があった。また、消費者の手が伸びにくい248円を上回る価格帯になって以降、販売量が鈍化していたものの、適正価格で販売できれば元々の販売ポテンシャルは大きい」と感じていたという。「そこでリニューアルでは、はちみつを配合することで、後味のコクをアップした。さらに、肉と野菜の配合率を見直し、よりジューシーに仕上げた。そして消費者が手に取りやすい、店頭価格が実現できる設計にした」と、さらにおいしく、買いやすい売価で、「黒胡椒にんにく餃子」のトライアルおよびリピートを、共に向上させたいと意気込んだ。
同 マーケティング本部 リテール事業部リテール製品戦略第2グループ 吉西由佳氏は、お弁当作りの新しいカタチを提案する製品「おべんとPON」シリーズについて発表した。「コロナ以降弁当持参率がアップし、弁当市場は回復傾向にあるものの、この10年で売場は縮小。ユーザーのメニューに対するマンネリもみられる。また、トレイに対して多数の不満があることが判明。お弁当作りの重視点は時短とタイパになっている。こうした状況を踏まえて、現代のニーズに合ったお弁当作りへと進化させることが必要であると考えた」と、現代のお弁当を取り巻く環境について説明する。「そこで、メニュー検討で悩まない、ごみを最小化してエコに配慮、冷凍庫のスキマで省スペース保管、箸も皿も不要で片手でOKな、キッチンバリューチェーンに基づいた設計の製品として『おべんとPON』を開発した」と、これまでのお弁当向け冷凍食品の概念を覆す製品を開発したのだと胸を張る。
「『おべんとPON』は消費者だけでなく、流通にもメリットをもたらす製品となっている。まず、箱から出して、そのままPONするだけで陳列が完了。トレイ品が35秒の陳列時間であったのに対し、『おべんとPON』は15秒という圧倒的な速さで陳列することができた」と、実演動画を見せながら解説。「省スペース化によって、1フェイスあたりトレイ品10個に対して、『おべんとPON』は48本の陳列が可能。1段あたり5~6フェイスの陳列が可能なので、1段あたりの販売効率もアップする」と、効率的な面も同品の魅力と語る。
「省スペース化およびシリーズ展開で併売意向や購入点数アップにつながる。また、シリーズを選ぶ楽しさやワクワクが売り場のマンネリ打破にもなる。さらに、段ボールゴミも少なくなり、バッグヤードスペースの削減にもつながる」と、売場環境も良くなるのではないかと述べる。「『おべんとPON』は、パレットあたり積載率向上で輸送効率もアップ。保管料の削減にもなる」と、「おべんとPON」の積載効率はトレイ品比200%になるとアピールした。
「『おべんとPON』シリーズでは全5種類を展開する。『からあげ』は鶏もも肉を使用したほんのり醤油味となっている。子どもも食べやすい優しい味付けに仕上げた。『とんかつ』は三元豚を使用したひとくちとんかつ。ご飯がススむ肉の味わいとなっている。『とり天』はしっかり柔らかいむね肉を使用した。磯の香がご飯との相性も抜群。『メンチカツ』はコショウがちょっぴりスパイシー。ジューシーで粗挽き感のある肉となっている。『つくね』はにんじん・たまねぎ・レンコン入り。肉と野菜の食感が楽しい味わいに仕上げている」と、お弁当に人気のメニューを展開するとのこと。「どこからも開けやすいマジックカットを採用している」と、箸や皿を使うことなく、片手でPONできるようにパッケージにもこだわっていると教えてくれた。
これらに加えて、北海道産の素材を贅沢に使用した「北海道まるごと牛肉コロッケ」をリニューアルする。家庭で揚げるタイプの冷凍コロッケ市場はコロナ禍以降伸長しており、昨年度は、新型コロナウイルス感染症が流行する前の2019年度と比べて、約1.3倍(2019年4月~2023年3月、同社調べ)と大幅に伸長しており、「揚げたてのサクサクとしたコロッケが手間をかけずに自宅で簡単に味わえる」という冷凍油調コロッケの価値が再認識されていると考えられる。今回、「北海道まるごと牛肉コロッケ」は“こだわりの北海道素材を贅沢に使用した製品”であることが生活者にさらに伝わるパッケージデザインにリニューアルする。主原料のじゃがいも(男爵)、たまねぎ、牛肉はすべて北海道産を使用しており、またサクサクの食感を楽しんでもらうために、生産日当日に北海道産小麦で焼き上げた、「焼きたての野菜パン粉(北海道産にんじん・じゃがいも・小麦粉を100%使って作ったパン粉)」を使用している。
[小売価格]設定なし
[発売日]8月11日(日)
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