フジッコ、腸から考えるフジッコわくわくフォーラム「お豆で“腸”元気!」を開催、豆と健康に関する最新研究など発表

左から:フジッコ 代表取締役社長執行役員の福井正一氏、ヴァイオリニストの廣津留すみれ氏、京都府立医科大学大学院医学研究科教授の内藤裕二先生

フジッコは、腸から考えるフジッコわくわくフォーラム「お豆で“腸”元気!」を10月2日に開催した。今回のフォーラムでは、腸活研究のエキスパートである京都府立医科大学大学院医学研究科教授の内藤裕二先生を招き、「たんぱく質の新常識と最新長寿研究~高発酵性食物繊維食材で見た目も腸も若く保つ~」と題した基調講演を行った他、特別ゲストとしてヴァイオリニストの廣津留すみれ氏を迎え、「食生活と日々の健康」をテーマにパネルディスカッションを実施した。

フジッコ 代表取締役社長執行役員の福井正一氏

「当社は1960年に創業し、とろろ昆布の販売から事業をスタートした。その後、豆の素材を活かした『おまめさん』シリーズを発売するなど、商品ラインアップを拡大し、人々の健康長寿な生活をサポートしてきた」と、フジッコ 代表取締役社長執行役員の福井正一氏が挨拶。「当社では、『健康創造企業』を目指すことを企業理念に掲げており、これに向けて、健康提供、健康社会、地球健康、健康経営、健全経営の5つのパーパスを設定している。特に地球健康の観点においては、CO2削減のために、動物性たんぱく質よりも、豆から積極的に植物性たんぱく質を摂ることを推奨している。地球温暖化防止に少しでも貢献できるように、これからも豆を大事にして、もっと美味しい豆を提供し続けていく」と、豆を通じて人々と地球の健康維持をサポートしていく考えを示した。

京都府立医科大学大学院医学研究科教授の内藤裕二先生

続いて、内藤先生が「たんぱく質の新常識と最新長寿研究~高発酵性食物繊維食材で見た目も腸も若く保つ~」と題した基調講演を行った。「日本は、世界トップレベルの長寿国である一方で、平均寿命から健康寿命を引いた不健康期間が長く、要介護者の数も年々増加している。そして、要介護となる原因の約80%にフレイルが関係している。フレイルとは、介護状態と健康状態の中間的な状態であり、フレイルの早期発見、予防対策が極めて重要となる」と、フレイルが要介護の大きなリスクになっていると指摘する。「フレイル予防のポイントとしては、『栄養』『身体活動』『社会参加』の3つが挙げられる。この中で『栄養』については、これまでたんぱく質の摂取が強調され、肉を食べることが推奨されてきた。しかし、近年の研究から、魚介類や野菜を中心とした地中海食がフレイル予防と関係していることがわかってきた。また、高齢者の高たんぱく食はサルコペニア(筋肉減少)のリスクを高めることも報告されている」と、フレイルの予防対策は食から見直す必要があると訴えた。

「日本人の健康長寿の背景因子を明らかにするべく、当大学を中心に2017年から健康長寿地域である京都・京丹後市でのコホート研究を実施してきた。京丹後市は、100歳以上の人口比率が全国平均の約3倍という日本有数の長寿地域であり、今回、フジッコと共同で豆類に着目した研究を行った」とのこと。「研究の結果、男女ともにフレイル群と比較して健常群は、豆類および緑黄色野菜以外の野菜の摂取量が有意に高いことがわかった。また、豆類の摂取量が多いほどフレイルリスクが低下していることも明らかになった」と、最新の研究結果について報告。「フレイル予防や腸活のために、高発酵性食物繊維を豊富に含む豆類を、朝・昼・夕の3食だけでなく間食にも取り入れて、毎日手軽に摂取してほしい」と提案していた。

おまめ元気弁当

ここで、ランチミーティングとして、来場者に「おまめ元気弁当」が振る舞われた。「おまめ元気弁当」は、おかずに黄大豆、黒大豆、赤いんげん豆、ひよこ豆、青えんどう豆の5種類の豆を使用。ご飯部分にもダイズライスを使用しており、高たんぱく低糖質・食物繊維豊富・低カロリー・低脂質の健康長寿弁当となっていた。

左から:司会の櫻田彩子氏、健康医療ジャーナリストの西沢邦浩氏、ヴァイオリニストの廣津留すみれ氏、京都府立医科大学大学院医学研究科教授の内藤裕二先生、フジッコ イノベーションセンター基盤研究グループの渡辺真通氏

ランチミーティングの後には、特別ゲストとしてヴァイオリニストの廣津留すみれ氏を迎え、内藤先生、健康医療ジャーナリストの西沢邦浩氏、フジッコ イノベーションセンター基盤研究グループの渡辺真通氏によるパネルディスカッションが行われた。普段から豆を食べているのか聞かれた廣津留氏は、「私は小さいころから肉が食べられなくて、基本的には魚と豆を食べて生活をしている。豆に関しては、サラダに豆をそのまま入れて一緒に食べたり、枝豆や蒸し豆をおやつ代わりに食べたりしている。肉を食べない分、豆でたんぱく質を補給することが多い」と、日常的に豆を食べているとのこと。「豆はいろいろな種類があって、それぞれ味や食感、見た目も違うので、楽しみながら食べることができる。豆を毎日欠かさず食べているからこそ、好調がキープできていると感じている」と、豆の魅力を語ってくれた。

パネルディスカッションの様子

豆を毎日食べることのエビデンスとして、今年7月にフジッコと内藤先生が実施した「エブリディビーンズ2週間チャレンジ」の結果について、フジッコの渡辺氏が紹介した。「この調査では、健康な20~40代女性を対象に2週間、蒸しサラダ豆700g(黄大豆、黒大豆、赤いんげん豆、ひよこ豆、青えんどう豆)を毎日食べてもらい腸内環境の変化を調べた。この結果、調査前に腸内細菌の状態が良くなかった2人が改善し、調査後には全員が良好な状態となった。また調査後のアンケートでは、8割が体調がよくなったと回答し、9割以上(14人中13人)が便通の改善を実感していた」と、豆を毎日摂ることで、腸内環境の状態や便通などに良い変化があることがわかったという。

この結果を受けて内藤先生は、「今回の調査から、豆を毎日摂ることで腸内環境によい作用をもたらすことがわかった。最近では、朝食を抜いたり、昼食を麺類などで軽く済ませてしまう人も多いが、そこに豆を加えてほしい。特に、朝食に食物繊維を摂ることで、寝ていた体を起こし、通常のリズムを取り戻すことができる。豆は、腸を元気にするだけでなく、心臓や腎臓なども含めて体全体を元気にしてくれる可能性がある」との見解を述べた。

左から:司会の櫻田彩子氏、健康医療ジャーナリストの西沢邦浩氏、ヴァイオリニストの廣津留すみれ氏、京都府立医科大学大学院医学研究科教授の内藤裕二先生、フジッコ イノベーションセンター基盤研究グループの渡辺真通氏

西沢氏は、豆類と健康に関する世界のデータを紹介した。「世界195ヵ国の国民健康・栄養調査を集めたデータベースを利用して、どんな食事にすれば平均余命が伸びるかを検証した結果によると、20代に食事を変えれば、寿命が10年以上伸びることがわかった。そして、最も効果的なのは、若いうちから豆類をしっかり食べることであった。また、全米の全国健康調査で、豆をよく食べる人と、あまり食べない人を比較したところ、豆をよく食べる人は肥満リスクが22%低かった。アメリカ豆類協会では、これまでの研究成果から、毎日カップ1杯(約170g)の豆を食べると、循環器疾患のリスクが24%減、脳卒中のリスクが20%減、がんのリスクが6%減、冠状動脈心疾患のリスクが31%減、2型糖尿病のリスクが21%減になるとのメッセージを出している」と、世界の調査からも豆類を食べることでの健康作用が示唆されたと話していた。

最後に廣津留氏は、「今日のフォーラムに参加して、豆は美味しいだけでなく、万能で、いろいろな栄養素を含んでいることを知ることができた。また、単に体調がよくなるというだけでなく、心の健康にもつながっていると感じた。これからも毎日楽しく明るく過ごしていくために、豆を食べ続けていきたい」と笑顔を見せていた。

フジッコ=https://www.fujicco.co.jp/


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