ミニストップ、LMIグループのリワード提供型リテールメディア「トクスルビジョン」を導入、「生活応援情報メディア」を展開

左から:ミニストップ 商品統括本部長 五郎川隆氏、LMIグループ 取締役副社長 共同創業者 望田竜太氏

ミニストップは、LMIグループが展開している、リワード提供型リテールメディア「トクスルビジョン(旧AdCoinz)」を、12月3日から導入した。12月4日に行われたミニストップ・LMIグループ「トクスルビジョン」サービス連携説明会では、導入に関する狙いやサービス概要、今後の展開の他、LMIグループによるリワード提供型リテールメディア導入のメリットなどを紹介した。

ミニストップ 商品統括本部長 五郎川隆氏

「当社は、『おいしさ』と『便利さ』で、笑顔あふれる社会の実現を目指すべく、もっと便利、もっと健康、もっと感動、をモットーに毎日行きたくなる店舗づくりを行っている」と、ミニストップ 商品統括本部長の五郎川隆氏。「フランチャイズによる古典モデルの競争力強化を図っており、本部では魅力ある商品の開発と儲かる企画と販促を提案。店舗では、商品展開・企画および販促を店頭で100%実現している」と、それぞれの役割を果たすことで効果が発揮されると語る。「昨年度は、ラボ店舗の成功力セットを水平展開、今年度はフラッグシップ店舗の成功力セットを水平展開している」と、昨年度はCVS・FF両方の磨き上げによる個店モデルの競争力を強化し、今年度は地域のコミュニティ拠点としてアプリを基軸にOMOを推進していると説く。「さらに、デリバリー(QC クイックコマース)にも力を入れており、消費者の利便性向上を推し進めた結果、売上が伸長。品揃えや営業時間の拡大の効果最大化に向けた取り組みも行っている」と、即食や普段使いの商品拡充、24時間営業化の実現で前年から134%伸長したのだという。「EC ミニストップオンラインでは、品揃えやチャネル拡充に取り組み売上が伸長。オリジナル商品開発や訴求力向上に引き続き取り組んでいる」と、店頭好調商品および人気コンテンツとコラボし訴求を図ったり、飲料ネットショップを拡大し種類の品揃えを拡充したり、アイスやチルドのブランドスイーツの拡充を行った。「ミニストップアプリにおいては、ダウンロード数213万ダウンロードを達成。インターフェイスとしてより便利になった」と、イオンペイとの連携やアプリくじ、クーポン拡大が奏功したのだと述べていた。

店頭サイネージイメージ

「リテールメディアとしてデジタルサイネージを導入。レジ上コルトンへのサイネージ放映で販売が伸長している」と、左側1/3をファストフードメニュー、残りを売込商品やCVS商品を放映していると教えてくれた。「サイネージ広告放映、ミニストップアプリクーポン配信で対象商品の売上が伸長。売り場でも販促物を展開。タッチポイントを増やすことで、販売増が見込める」と、消費者とのタッチポイントが増えていると強調した。「そして、12月3日からサイネージリワード広告を開始した。ミニストップ店頭サイネージからQRコードを読み取るか、ミニストップアプリから『トクスルビジョン』のキャンペーンバナーをクリックし、LINEメッセージを受信するをクリック。アクション完了で、ミニストップのみで使用できるQUOペイがLINEで届く。現金併用も可能となっている」と、リワード提供型リテールメディアについて解説した。

ミニストップ 執行役員 職域・with MINI STOP本部長 山口努氏

次に、ミニストップ 執行役員 職域・with MINI STOP本部長 山口努氏が「ミニストップポケット」およびリワード提供型リテールメディア導入のメリットについて説明した。「職域・オフィス内の福利厚生サービスの一つとして数年の実験期間を経て、2020年10月から無人コンビニサービス『ミニストップポケット』を展開している。『ミニストップポケット』のキャッシュレスセルフレジの画面で広告を放映、繰り返し広告が流れる。今回の『トクスルビジョン』導入を機に、レジ会計後の広告放映も実施可能になり、働く人々への訴求・認知につながると考える」と、キャッシュレスセルフレジを活用したオフィス内設置の無人コンビニにおいてもリワード提供型リテールメディアを導入すると力説する。「『トクスルビジョン』は、消費者にとって、物価高の中、ミニストップで使えるお得なクーポンを取得でき、広告主や『トクスルビジョン』を展開するLMIグループにおいても、当社の店舗やアプリ経由での会員獲得やアンケート取得などのマーケティングが行える。加盟店、当社店舗、ミニストップポケットにおいても、クーポン取得で来店動機創出や売上・客数アップが見込める」と、三方良しのサービスなのだとアピールした。

ミニストップポケット キャッシュレスセルフレジでのサイネージ

ミニストップは、商品やサービスの価格が上昇する中、生活応援企画として、店舗戦略とリワード提供型リテールメディアを掛け合わせ、リワードとお役立ち情報で生活者を応援する「生活応援情報メディア」を展開するにあたり、リワード技術において特許を取得している「トクスルビジョン(旧AdCoinz)」をミニストップの店舗サイネージに導入(店頭ポスターやミニストップアプリのバナーからもアクセス可能)。ミニストップポケット キャッシュレスセルフレジでも「トクスルビジョン」を配信する。同社は、今後もリテールメディアを通じて、消費者にお得を感じてもらえる企画を推進していく考え。

LMIグループ 代表取締役社長 永井俊輔氏

LMIグループ 代表取締役社長 永井俊輔氏は会社概要について紹介した。「当社は、看板屋から、クリエイティブとデジタルに強みを持つインストアマーケティングとリテールメディアを行う企業へと変革してきた」と、群馬県で孫請け看板工事会社としてスタートし、リアルワールドデータを持った唯一無二の空間イノベーターを目指しているという。「商空間の領域において、リアル店舗から取得されたリアルワールドデータの活用を通じて、企画・実装・評価からなる施策の上流から下流までを一気通貫で提供し、体験価値の創出と空間価値の最大化を行うインストアマーケティングソリューション事業と、リテールの持つ消費者・リテール・広告主をつなぐメディアプラットフォーム『トクスルビジョン(旧AdCoinz)』を運営するリテールメディア事業の2つの事業を行っている」と、約1200社の強固な顧客基盤を強みに新たなイノベーションを生み出し続けていくと訴えた。

LMIグループ 取締役副社長 共同創業者 望田竜太氏

LMIグループ 取締役副社長 共同創業者 望田竜太氏が、リテールメディア市場や三方良しのリテールメディア活用のメリットについて紹介した。「クッキー規制によってリテールメディア市場は伸びていくとみられる。その際、店舗事業者サイドの成長ポテンシャルは高いと見込んでいる。その理由として、リテールメディア広告市場において、EC事業者の伸びは2.3倍であるのに対して、店舗事業者は6.3倍に達している」と、規模は小さいものの店舗事業者の伸び率は高いと力説する。「リテールメディア業界は群雄割拠で、リテールメディアならではのメディア価値作りが重要になっている」と、リテールメディア業界の状況について解説する。「企業が広告を考える上で重要な3つのポイントとして、独自のタッチポイントを持ち、ファースト パーティ データを収集。セカンド パーティ データを持つ企業とパートナーとなり不足データを補う。デモグラだけでなくコンテキストや興味に基づく広告を実施する--ことが挙げられる」とのこと。

「そこで、小規模予算で認知が狙えるTVの代替として、購買行動中にアプローチできるというシチュエーションに期待感があると考える」と、リテールメディアへの期待を述べる。「横ばい所得に物価高のダブルパンチで、ポイ活に頼らざるを得ないという現実もある。愛着の持てる広告こそがこれからのリテールメディアの勝ち筋と考え、来店者の心境や文脈を理解し、来店しているシチュエーションに沿って、アクションしてくれたことに対してリワードを返すことを実現したのが『トクスルビジョン』となる」と、来店者・広告主・リテールに三方良しの新たなリテールディアとして「トクスルビジョン」が誕生したのだと説明する。「来店客は広告にアクションすることで、その場で使えるリワードを獲得できる。広告主はリアルメディアでユニークな来店者の認知・データ獲得が行える。リテールはトラフィックを提供して新たな収入を得られる」と、それぞれのメリット性について説いた。「店舗・スマホ横断で広告施策を展開できるメディアとして、大きなポテンシャルを見込める」と、リテールが提供するアプリ上の広告枠も開発済みだと教えてくれた。

楽天グループ 市場広告部 シニアマネージャー 山口高志氏

広告主のメリットについて、楽天グループ 市場広告部 シニアマネージャーの山口高志氏と、同 アカウントイノベーションオフィス ヴァイスジェネラルマネージャーの秦俊輔氏が説明した。「街のクーポンアプリ『Rakuten Pasha』を2019年から展開。購入前にクーポンをゲットして該当商品購買のレシートを購買証明として申請すると楽天ポイントが貯まる」と、同社が展開するクーポンアプリについて紹介する。

楽天グループ アカウントイノベーションオフィス ヴァイスジェネラルマネージャー 秦俊輔氏

「クーポンを使って、今日のレシートを送ると、楽天ポイントがもっと貯まる仕組みになっている」と、「Rakuten Pasha」のサービス規約同意者数は590万人以上に達している。「購買場所に近いほど、高い効果が期待できることから、店頭での各種POPだけでなく、インストアサイネージへの広告展開を行うことで、店内接点におけるアプローチが図れる」と、「トクスルビジョン」に広告を出稿するメリットについて説明した。

望田氏は最後に、「『トクスルビジョン』を数年内に2万店導入。人口カバー率10%以上を目指していく」と、広告パラダイムの中でリテールメディアの価値をアップさせていくと目標を掲げた。

左後ろから:ミニストップ 商品統括本部長 五郎川隆氏、LMIグループ 取締役副社長 共同創業者 望田竜太氏、左手前から:ミニストップ 執行役員 職域・with MINI STOP本部長 山口努氏、LMIグループ 代表取締役社長 永井俊輔氏

トクスルビジョン(旧AdCoinz)は、消費者へのリワード提供型広告を行う新しいリテールメディア。消費者と広告主とリテールを効果的に結びつけることが特徴となっている。リテールを訪れる消費者は、QRコードのスキャン、アプリのダウンロード、フォームの記入などのアクションを実行することで、その場でクーポンなどのリワードを獲得することができる。広告主は消費者のアクションを促進し、リード獲得と広告効果の評価に関するデータを収集できる。また、リテールは、広告収益を得るだけでなく、消費者によるリワードを活用した追加の購入を期待できる。なお、一部システムはSmart Retail社の技術を採用している。

[導入日]12月3日(火)

ミニストップ=https://www.ministop.co.jp
LMIグループ=https://lmig.co.jp


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