- Drink&Food2024/12/26 21:31
サントリー、来年の国内酒類およびビール事業方針を発表、大阪・関西万博では再生農業によって生産された原料使用のビールを販売
サントリーは、来年の「国内酒類事業方針・ビール事業方針」について12月24日に発表会を開催した。今回は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)に向けた同社の取り組みについても説明。大阪・関西万博では、再生農業(土壌の健全性や生物多様性などを保護・改善しながら、農家の生活向上にも資する、成果ベースの農業アプローチ)原料を使用した同社初のビール「水空(すいくう)エール」、CO2削減びんを使用した日本ワイン「SUNTORY FROM FARM登美の丘 赤 時のかさね」「同 信州 シンフォニー 2023」を大阪・関西万博会場に同社が出店するレストラン「水空SUIKUU(すいくう)」で提供することも発表した。
「国内酒類の2024年売上見込では、市場全体が前年比101%(推定)であるのに対し、当社は同105%で着地。2021年を底に回復基調を見せており、コロナ禍前の水準に迫る売上となっている」と、サントリー 代表取締役社長 鳥井信宏氏が挨拶。「当社は、“創業の地、日本で需要創造を継続し『国内酒類市場活性化』ならびに『持続的な事業成長』を実現。サントリーブランドを世界にも展開し、世界中の消費者に『お酒の価値』を大切に伝え届け人々の生活に潤いを与える”ことをミッションに掲げ、2030年に国内酒類売上高1兆円(内部管理ベース(連結ベース、酒税込、ネット売上高))を目指し最も信頼され、愛される会社になる」と、さらなる成長を目指す。
「国内酒類の2025年売上計画では前年比105%を見込む」と、前年を上回る計画だと訴える。「2025年は、事業成長を支えるものづくりの進化に加え、持続的な事業成長を見据えた新たな挑戦を行うとともに、ビールへの飽くなき挑戦を図る」と、戦略方針を発表する。「事業成長を支えるものづくりの進化では、2023年~2025年で300億円規模の成長投資を実施。ものづくり品質においては、INTERNATIONAL SPIRITS CHALLENGE 2024で、シュプリームチャンピオンスピリットおよびジャパニーズウイスキー部門ゴールドを受賞。Decanter WORLD WINE AWARDS 2024では、BEST IN SHOW、シルバーをそれぞれ受賞した。こうした世界で評価される製品を今後も届ける」と胸を張る。
「持続的な事業成長を見据えた新たな挑戦では、消費者ニーズに沿ったポートフォリオ強化やサステナビリティとしての酒類文化伝承、2025年大阪・関西万博に向けて挑戦していく」とのこと。「当社は、幅広いポートフォリオを有しており、来年は新・ノンアル統合戦略と題し、ノンアル部を新設。ノンアルビール、ノンアルサワー、ノンアルワインを統合組織化して戦略を立案していく」と、ノンアル事業を推進。「サスティナビリティについては、環境負荷削減と酒類文化伝承を軸とした試みを継続展開する。また、適正飲酒の大切さとお酒の魅力を伝える活動『ドリンクスマイル』も積極的な活動を展開していく」と述べていた。
「そして、大阪・関西万博については、“水と生きる”をテーマに水上ショーを出展。さらに、再生農業原料(麦芽・ホップ)を使用したビール『水空(すいくう)エール』の販売や、『SUNTORY FROM FARM 登美の丘 時のかさね』『同 信州 シンフォニー 2023』にCO2削減びんを導入する」と、環境負荷の少ない商品を開発・展示し、同社が考える“水と生きる”を来場者に伝えていくと語っていた。
「さらに、消費者参加型のワールドKANPAIビールも実施する」と、ワールドKANPAIビールは、会場で嗜好を集約し、商品を開発。来年9月に数量限定で販売する計画であることを発表した。
次に、同 常務執行役員 ビール本部長の多田寅氏が、ビール事業方針について説明した。「2024年のビール事業販売実績は、前年比97%と微減となった。今後は酒税改正でビールの比率が拡大し、新ジャンルや発泡酒といったエコノミービールが減少していくとみられる」と、エコノミーは2027年に缶市場の約5割にまで落ち込むと予測する。「2025年の活動方針としては、消費者のハレの日にふさわしい新たなプレミアムの価値創造を提案するプレミアムビールを展開。新・スタンダードビールとして『サントリー生ビール』を2027年に1000万ケースへと飛躍的に成長させる。また、家で飲むのにふさわしいビール類としてエコノミーのポジションを確立。美味しさと機能を兼ね備えた独自価値の提案を図っていく」と、ビールとエコノミーの両輪で展開していくと意気込む。
「『サントリー生ビール』は、昨年の登場から順調に売上を伸ばしている。また、飲食店での取扱も2万店を突破した。2025年は、2027年1000万ケースブランド、定番ブランドとしてのポジションを確立するべく、生ビールらしさを強化、さらなる訴求を図ると共に、2万5000店にまで飲食店での取扱を拡大させる」と、アクセルをさらに踏み込んでいくと訴える。「12月から順次『サントリー生ビール』のデザインおよび中味をリニューアルしている。生の訴求を強化するとともに、ブランド名を強調。味わいも進化させた」と、新しくなった「サントリー生ビール」に期待してほしいと述べていた。「『ザ・プレミアム・モルツ』については、高くても品質のいい商品を購入したいという層への訴求や、外食で飲みたいブランドNo.1であることから、2025年はスタンダードビールとして一線を画す、今の時代のプレミアムビールとしてのポジションを確立していく」と、デザインをリニューアルするとともに新たな品質PRも行っていく考えを示した。「『マスターズドリーム』については、デザイン・コミュニケーションを大幅に刷新し、高価格帯商品としての独自価値強化を図る」と、高級感のあるデザインに刷新する他、「マスターズドリーム」ならではの接点拡大も図っていくと述べていた。
「金麦ブランドは、引き続き好調をキープ。日常的に家で飲むのに一番ふさわしいビール類として、消費者に支持されている」と説明する。「2025年は、金麦ロゴを刷新。家時間・食卓の愉しさを演出し、ものづくりで需要拡大を図る」と、日常的に家で飲むのに一番ふさわしいビール類のポジションを確立していくと意気込む。「リニューアルでは、中味のこだわりを中央一ヵ所で訴求、余白を生かした左右非対称のロゴを採用した。また美味しさも進化させている」と、12月から順次リニューアルしているとのこと。「そして、テスト販売を行ってきた『金麦 晩酌サワー』を全国通年販売する。『金麦 晩酌サワー』は、ビール類・RTD併飲層が75%と高く、流入層もビールから、新ジャンルから、RTDからと多岐にわたる。こうした特性から、金麦の第四の柱に育成するべく、デザインを大きく刷新。広告を大規模・集中投入し、醸造条件を見直して中味をさらに美味しくした」と、来年4月8日から新発売するという。
「来年1月から4月にかけて、ビール、新ジャンル等を刷新、新発売していくことで、2025年は前年比101%と今年と同水準で着地したい」と、ビール事業販売計画について発表した。
同社は、大阪・関西万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」に深く共感し、持続可能な未来の構築に向け環境負荷を軽減した商品開発、および新たな商品開発モデルの実現に挑戦する。再生農業原料を使用した同社初のビール「水空エール」、CO2削減びんを使用した日本ワイン「SUNTORY FROM FARM 登美の丘 赤 時のかさね」「同 信州 シンフォニー 2023」を、大阪・関西万博会場に同社が出店するレストラン「水空SUIKUU」で提供。さらに、消費者の嗜好を反映する消費者参加型の新たな商品開発モデルを活用して、「ワールドKANPAIビール」の開発に挑戦する。今後、商品の開発プロセスを発信するとともに、完成した「ワールドKANPAIビール」は9月に全国数量限定発売する。
「サントリー生ビール」を12月下旬から順次、全国でリニューアル発売する。中味は、ダイヤモンド麦芽の特長をこれまで以上に引き出す仕込条件を見出すことで、“グッとくる飲みごたえと飲みやすさ”が進化。「生ビール」の味わいをさらに感じてもらえる、“カラダに沁みわたるようなうまさ”を目指した。パッケージは、「飲食店で飲むおいしい生ビール」をより想起してもらうべく、「生」の訴求をさらに強調した。
「ザ・プレミアム・モルツ」「同 〈ジャパニーズエール〉香るエール」「同 マスターズドリーム」のパッケージをリニューアルし、12月下旬から順次発売する。「ザ・プレミアム・モルツ」は、2017年以来、7年ぶりにブランドロゴを刷新。“The”を象徴的にあしらうとともに、“PREMIUM MALT'S”にシンプルなフォントを採用した。また、金色を基調に紺色の曲線をあしらうことでビールが注がれたグラスを表現している。「同 〈ジャパニーズエール〉香るエール」は、ブランドカラーのスカイブルーをベースに、グラデーションをあしらうことで個性である“香り”を表現し、“みずみずしい香り”を楽しんでもらいたいという思いを込めた。「同 マスターズドリーム」は、墨をイメージした黒色を基調に、ブランドロゴ「MASTER'S DREAM」の金文字と「夢」の墨文字を象徴的にあしらった。また、缶の表面に凹凸加工を施し、独特な触り心地で上質感を表現した。
「金麦」「同〈糖質75%(「金麦」比)オフ〉」「同〈ザ・ラガー〉」の中味・パッケージを刷新し、“日常的に家で飲むのに一番ふさわしいビール類”を目指す。また、4月の北海道エリア限定発売、10月の全国数量限定発売を経て、“サワー”のように飲みやすく、爽やかな味わいが特長の「金麦〈晩酌サワー〉」を来年4月8日から通年発売する。商品名を「金麦サワー」から「金麦〈晩酌サワー〉」に変更し、晩酌時に食事とともに楽しんでもらいたい商品であることを表現した。中味は、「金麦」こだわりの素材である「贅沢麦芽(二条大麦麦芽の中でも、うまみ成分(たんぱく質)を多く含む麦芽「旨味麦芽」に加え、こだわりの国産麦芽を一部ブレンドしたもの)」を使用するとともに、希少なレモンドロップホップに加えシトラホップを一部使用した。醸造条件を見直すことで、麦のうまみと柑橘系の香りの調和を追求し、爽やかな後味に仕上げた。パッケージは、金色の背景に「金麦」のロゴを配することで上質さと親しみやすさを、「麦のうまみと柑橘系の香り」の文言で味わいの特長を表現している。
[小売価格]
サントリー生ビール:設定なし
ザ・プレミアム・モルツ:オープン価格
ザ・プレミアム・モルツ 〈ジャパニーズエール〉香るエール:オープン価格
ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム:254円
金麦:設定なし
金麦〈糖質75%オフ〉:設定なし
金麦〈ザ・ラガー〉:設定なし
金麦〈晩酌サワー〉:設定なし
(すべて税別)
[発売日]12月下旬から順次
※「金麦〈晩酌サワー〉」は2025年4月8日(火)
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