- Drink&Food2025/02/12 19:00
セツロテック、阿波麦酒と協働しクラフトビール「アザレアエール ~びざんの酵母~」を共同開発しクラウドファンディングで販売

徳島大学発のスタートアップであるセツロテックは、地元のブルワリーである阿波麦酒と協働し、徳島市のシンボル・眉山に咲く花から採取した天然酵母を用いて、新しいクラフトビール「アザレアエール ~びざんの酵母~」を共同開発した。セツロテックは、2月10日からクラウドファンディングサイト「READY FOR」において、このクラフトビールをリターンとする新プロジェクト「徳島の眉山に咲く花から採取した天然酵母でクラフトビールを作りたい!」を開始する。同プロジェクトでは、このクラフトビールを限定醸造し、多くの人に天然酵母の力を実感してもらうことを目指す。同プロジェクトを通じて、セツロテックは、今後、クラフトビール醸造所向けに「天然酵母スクリーニングサービス」を開発することを目指し、地元のオリジナル酵母を活用した地域活性化のための商品開発を支援する考え。
昨今はクラフトビール戦国時代、国内約700社が形成する360億円市場ともいわれている。さまざまな魅力的なビールが次々と造られるなか、生き残れる商品を開発するには明確な差別化が勝負を決する。地域特産の副材料や多様なビールの種類、PR戦略が鍵となる中、セツロテックは地域独自の自然環境から天然酵母を採取し、ビール造りに活かすというアプローチを提案する。
セツロテックは、徳島大学発のバイオ系のスタートアップであり、酵母などあらゆる物の品種改良に取り組んできた。今回のプロジェクトは、まず徳島の花や果物を中心に300近いサンプルを採取し、ビール造りに使えそうな酵母がないかを探すところから始まった。このサンプルの中から、サッカロミケス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)という酵母を6株発見し、さらに生物学的試験によって、ビール造りの環境でより生育しやすい株を選抜した。また、地元のブルワリーである阿波麦酒に委託して、選抜した酵母を使ってビールの醸造試験を何回か繰り返し、最終的にビール造りに適した2つの酵母株を見つけることに成功した。この種菌となる酵母株の研究開発は、徳島県による「とくしま経済躍ファンド」の支援を受けて、取り組んだ。

この研究開発で得られた酵母の特徴を活かせるように、阿波麦酒と共同でレシピを改良して開発したのが、天然酵母ビール「アザレアエール ~びざんの酵~」。ホッピーケルシュと呼ばれるスタイルで、徳島の名産品・すだちのピールをわずかに加えている。香りは花のようにふんわりと甘く、すっきりとさわやかな飲み口とのこと。2月10日からクラウドファンディングサイト「READY FOR」で開始した、クラウドファンディング「徳島の眉山に咲く花から採取した天然酵母でクラフトビールを作りたい!」においては、このクラフトビールを限定醸造し、多くの人に天然酵母の力を実感してもらうことを目指す。アザレアエールを消費者へ届けるためには、大量に生産する必要があり、ビールの醸造にかかる費用を支援してもらい、多くの人にこの新しいビールを体験してもらえないだろうかと考えた次第とのこと。
セツロテックは、今後、クラフトビール醸造所向けに「天然酵母スクリーニングサービス」を開発することを目指している。これはクライアントが採取した花や植物のサンプルから、セツロテックが生物学的実験によってビールの醸造に適した酵母を選別して培養、納品するもので、これによって全国の醸造所は地元産のオリジナルの酵母でビールを醸造することが可能になる。地域独自の酵母を使うことで、他商品との明確な差別化につながり、地域活性化のための商品開発の幅が広がることが期待できる。
[発売日]2月10日(月)
セツロテック=https://www.setsurotech.com