- Drink&Food2025/02/25 21:22
サントリー、ジン市場の創造・拡大を目指し計65億円を大阪工場に投資、ジャパニーズクラフトジン「ROKU〈六〉」の限定品も発売
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サントリーは、創業以来「洋酒文化の創造・発展」に挑戦している。1936年に「ヘルメスドライジン」を発売し、日本での国産ジンづくり、カクテル文化の伝承と発展等に取り組んできた。現在、ジンならではの魅力をより多くの消費者に伝え、さらにジン市場を創造・拡大していきたいとの思いで、ものづくり・マーケティング活動を強化している。2月18日には、ジン市場の動向や「サントリージン」戦略説明会を開催。ジンならではの魅力を伝えて、ジン市場の創造・拡大を目指すべく、新たに10億円を追加し、計65億円を大阪工場に投資することを発表した。
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「1936年以来、『ジン』づくりに挑戦し続けてきた当社は、日本における、ジンカテゴリの価値創出に挑み続けている」と、サントリー 執行役員 スピリッツ本部長 塚原大輔氏が同社の洋酒文化創造の志について紹介する。「グローバルのジン市場は、ここ10年で大きく伸長し、2兆円を超える規模まで成長している(小売金額べース(IWSR2024データから))」と、10年前に比べて約2倍の規模に成長していると目を細める。「日本国内のジン市場においても、ここ5年で飛躍的に成長。その中でも国産のジンが急拡大している」と、居酒屋での提供や手軽な缶製品などの接点拡大で、国内の約140(同社調べ)の製造場が稼働していると説明する。
「ジンは、自然素材の酒であること、自由で感性の酒であること、すっきり清々しい味わい・香りである点が支持されている」と、ナチュラルなイメージが現代の嗜好にフィットしていると共に、押し付けない・多様性が今の時代に合っているだけでなく、食中からリラックスシーンまで楽しめることが多くの人を惹きつける要因であると語る。「ジンの年代別飲用実態(20~60代男女(n=2822)、自宅:ジン月1日以上飲用率)では、若年層ほど飲用率が高いことがわかった」と、従来のイメージが刷新され、若年層を中心にジンを飲む新しいユーザーが増加していると解説する。「日本のジン市場は、さらに大きなポテンシャルを秘めており、2030年に450億円まで伸長することが見込まれる(小売金額ベース(同社推計))」と、2024年の251億円から急拡大すると予測する。「当社の『ROKU〈六〉』、『翠(SUI)』の両ブランドとも大きく伸長している」と、ジン市場をけん引する実績を示していると胸を張る。「伸び行く市場の中、ジン市場の中心的存在として、2030年345億円(シェア約80%)を目指す」と、2024年比約180%の成長を計画していると意気込んだ。
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「当社のジンの強みは、80年以上にわたるジンづくりの歴史があるものづくりに加え、消費者に支持される美味品質が挙げられる」と、素材を生かした多彩な原料酒とブレンド技術に裏打ちされた、繊細で清らかな、自然素材を活かしつつ、調和された味と香りのジンが好評を得ていると訴える。「今年のジン成長戦略では、ものづくりの原点に立ち返り、サントリージンの価値を高めるシンボルブランド『ROKU〈六〉』、『翠(SUI)』のマーケティング強化を図る」と、サントリー大阪工場スピリッツ・リキュール工房への投資の他、ブランドの価値向上を図っていくとアピールした。
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次に、サントリー大阪工場 工場長 矢野哲次氏が、サントリー大阪工場スピリッツ・リキュール工房について紹介した。「鳥井信治郎が国産の洋酒づくりのため、海運水運が発達していた大阪築港エリアに工場を建設」と、サントリー大阪工場の歴史と成り立ちについて説明する。「サントリー大阪工場のものづくりは多彩な厳選素材と匠の技のかけ合わせが特長」と、4基の蒸留器で蒸留酒をつくり、梅、桃、さくらんぼ、桜花といった原料の浸漬作業で浸漬酒をつくると共に、蒸留工程の官能評価も実施していると教えてくれた。
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「そして、サントリー大阪工場スピリッツ・リキュール工房を、つくる+伝える場へと進化させるべく、合計65億円の設備投資を実施する」とのこと。「サントリージンのものづくりの伝統を継承し、さらなる進化を実現するべく、浸漬タンク8基の新設(+6基)による生産能力向上を図る他、蒸留器4基の更新(機能向上)による品質向上を行う。
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また開発と生産連携を高め、美味品質のさらなる向上を図るべく、スピリッツ・リキュール工房内に開発担当部署のラボを併設。パイロットディスティラリーを新設する」と、生産能力増強および品質向上に向け55億円の設備投資を実施するという。
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「さらに、ものづくりの魅力を伝える見学ツアーを2026年春頃から本格稼働予定となっており、これにともなう、スピリッツ・リキュール工房へのアプローチや、新蒸留器を見渡せるデッキ、没入感のある360度シアターセミナールームを新設するために10億円を追加投資する」と、日本の洋酒文化を直接感じてもらえる施設を増設するのだと説明した。
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そして、塚原氏が今年のサントリージン成長戦略について発表した。「エントリーブランド『翠(SUI)』をリニューアルする。従来のようにバーで飲むなじみのないお酒ではなく、居酒屋や自宅で食事と一緒に気楽に楽しめるお酒として提案する」と、ジンのエントリーブランドとして、ユーザーを拡大すべく、気軽な食中酒としての訴求を継続するとのこと。「今回のリニューアルでは、ブランド価値である清々しさを感じるデザインに刷新。味の総量増・アルコール感低減で、さらに美味しい翠ジンソーダに仕上げた」と、従来の原料酒配合を見直し、柑橘の香りを強化した飲み飽きないすっきり爽やかな味わいになったと紹介する。
「サントリージンのシンボルブランド『ROKU〈六〉』においてはマーケティングを強化。日本の歴史・伝統・文化をも感じさせる繊細かつ複層的、完璧な調和をなす国産ジンを目指すべく、6種の和素材と8種の伝統的な素材を使用。それぞれの素材の良さを最大限引き出す複数の蒸留器で蒸留する、そして繊細かつ複層的、完璧な調和を実現するブレンディングを行う」と、想いと技を受け継ぎ、辿りついた製品「ROKU〈六〉」は、日本の職人技によるこだわりのものづくりで豊かな香味を実現していくとのこと。「豊かな日本の四季が育んだ6種の和素材を最も良い状態にある“旬”の時期に収穫し、鮮度を保ったまま浸漬・蒸留する」と、和素材を活かすものづくりを引き続き行うと説明する。
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「『ROKU〈六〉』は、本格的なジンながら日本を感じさせる味わいやデザインが評価され、発売から5年で世界3位のプレミアムジンへと成長した」と、2024年のグローバルにおける販売実績では、2017年から28倍以上に成長したと訴える。「今年のマーケティングでは、ブランドの魅力『6種の和素材』『Japanese Craft』『香り』を訴求し、積極的なマーケティング投資でさらなるトライアル獲得を目指す」と、限定品の発売やブランド初のTV-CMを投入、季節のイベントや万博などでの提供で体験接点を拡大すると話す。「四季・旬を楽しむ限定品として、『ROKU〈六〉SAKURA BLOOM EDITION』と『ROKU〈六〉NORYO TEA EDITION』を数量限定発売する」とのこと。「また、『ROKU〈六〉』の2025大阪・関西万博公式ライセンス商品『ROKU〈六〉OSAKA BRILLIANCE EDITION』を限定発売する」と、美しき自然の生命が未来へ輝き続けることを願い限定品を発売すると発表した。
「飲食店での接点拡大については、上質なお店での取扱を強化し、6000店の取扱店を目指す。また『ROKU〈六〉』専用の旬咲くタンブラーを投入。2000店での取扱を目指す。さらに、『THE TABELOG AWARD』初のブランドタイアップ企画部門賞を設立する」と、上質な食業態での接点拡大を強化し、飲食店を軸とした情報発信を行う。「今年春には『桜イベント』を実施。3月14日から4月13日の1ヵ月間、東京ミッドタウンと元離宮二条城で『ROKU〈六〉』を楽しめる内容になっている」と、キーとなるボタニカル「桜」の開花時期のイベントをフックとした情報発信によって、時流感を醸成する。
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サントリージャパニーズクラフトジン「ROKU〈六〉SAKURA BLOOM EDITION」の中味は、「ROKU〈六〉」の味わいの特長である、和素材由来の繊細なバランスはそのままに、桜花・桜葉の原料酒を複数ブレンドした。まるで桜餅のような上品で甘い香り、桜のやさしい甘さやまろやかな口当たりを楽しめる。パッケージは、儚くも美しい桜をイメージした、繊細で上質なデザインを目指した。瓶のラベルには越前和紙を使用することで日本らしさを表現している。
サントリージャパニーズクラフトジン「ROKU〈六〉 NORYO TEA EDITION」の中味は、「ROKU〈六〉」の味わいの特長である繊細なバランスはそのままに、よりいっそう煎茶・玉露の香味を際立たせた。爽やかなお茶の味わいを楽しめる。パッケージは、茶葉が舞う様子をイメージした、繊細で上質なデザインに仕上げた。瓶のラベルには越前和紙を使用することで日本らしさを表現している。
サントリージャパニーズクラフトジン「ROKU〈六〉 OSAKA BRILLIANCE EDITION」の中味は、日本ならではの6種のボタニカルの異なる香味を引き出した複数の原料酒とともに、ベースに“米スピリッツ”を追加ブレンドすることで、より豊かでまろやかな味わいと香りを実現した。化粧箱は、日本の美しい自然の生命が未来へ輝き続けることを願い、“生き生きとした日本ならではの6種のボタニカル”と“大阪港からみた朝日”をイメージしたデザインと、「サントリー大阪工場 スピリッツ・リキュール工房」でのものづくりの象徴でもある蒸留器を描いた。
[小売価格]
ROKU〈六〉SAKURA BLOOM EDITION:5400円
ROKU〈六〉NORYO TEA EDITION:5400円
ROKU〈六〉OSAKA BRILLIANCE EDITION:7000円
(すべて税別)
[発売日]
ROKU〈六〉SAKURA BLOOM EDITION:2月25日(火)
ROKU〈六〉NORYO TEA EDITION:5月13日(火)
ROKU〈六〉OSAKA BRILLIANCE EDITION:3月18日(火)
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