- Drink&Food2025/02/26 20:55
メルシャン、英国発初心者向けワイン「ジョイ」シリーズを発売、Z世代に向けて店頭からの情報発信を強化、カクテルレシピも開発

メルシャンは、高い品質を誇る多くのプレミアムブランドを持つチリNo.1(INTELVID-Chile 2023販売量)ワイナリーであるコンチャ・イ・トロ社の「ジョイ」シリーズから、3月4日に、「ジョイ ジューシー レッド」「ジョイ ブライト ホワイト」の2商品を全国展開、「ジョイ フルーティ ロゼ」を新発売する。2月20日に行われた新商品発表会では、ワイン市場の動向や同社の事業戦略について説明した他、「ジョイ」シリーズの特長やターゲット層について発表した。また、ジョイを使ったアレンジカクテルレシピも紹介した。

「酒類市場を取り巻く環境は大きく変化しており、消費者の価値観の多様化によって、消費マインドも変化している」と、メルシャン 輸入事業本部マーケティング戦略部 マーケティングユニット長 須永和子氏が、社会・酒類市場を取り巻く環境変化について言及する。「昨年12月累計ではワイン市場全体で前年比約95%(同社調べ:数量ベース)となった。この要因には、飲酒人口の減少、ワイン飲用人口の減少、ワインから他のカテゴリへの流出だけでなく、日本のワイン市場において“コモディティ化”、“同質化”が起きている」と、日本のワイン市場は厳しさを増しているのだと訴える。「こうした中、当社では『ワインの魅力を伝え、市場を活性化する』べく、プレミアマイズによる市場の魅力化と新規ユーザーの獲得による裾野拡大を図っていく」と、同社が目指す市場の活性化について説明する。

「昨年はワインのプレミアマイズを図り、ワイン市場の活性化に挑戦。『カッシェロ・デル・ディアブロ』ブランドが中高価格帯をけん引し、市場全体がダウントレンドの中、2020年から右肩上がりの伸長をみせている。この要因として、ワインを飲み慣れていない消費者にも飲みやすい味わいを実現し、産地や造りのこだわりなど伝統的なワインの訴求ではなく、インパクトのあるビジュアルで感性に訴えるプロモーションを実施したことで、若年層を含む新規ユーザーの獲得にも貢献した」と、コモディティ化、同質化という課題に対し、ワインの魅力を消費者に届けて「プレミアマイズ」を図ったことが「カッシェロ・デル・ディアブロ」ブランドの成功につながったと分析する。
「この成功戦略から、新規ユーザー獲得に向けてユーザーを再定義。従来のターゲットへの考え方を見直して、消費者を『自分らしさ層』『こだわり層』『健康志向層』『やりくり層』といった新たな4つのセグメントに分類。新規ユーザーの獲得を狙うことにした」と、すべての消費者の価値観やライフスタイルを分析し、消費者の価値観に基づく提案を実現する取り組みを図っていくと語気を高める。「新たなセグメントのうち、『自分らしさ層』は、自分自身の感性やライフスタイルに合っているか、という観点で商品を選ぶ層と定義した。流行に敏感で、限定品や新商品を好む傾向にあり、酒類ではRTD(Ready to Drinkの略、栓を開けてそのまま飲めるアルコール飲料)、クラフトビール、ハイボールなどを飲用する傾向があり、新規性が高く個性的、自分が好む世界観を表現した商品にチャンスがあると想定した」と、「自分らしさ層」開拓のポイントについて語る。
「『自分らしさ層』へのアプローチとしてZ世代に着目。Z世代が商品を購入する際に重視していることは『価格』が最も高く、次いで『品質、品質の良さ』、『見た目やデザインが好みであること』が上位だった。コスパの良い選択肢の中から、自身の好みに合ったものを選ぶ傾向が強く、有名ブランドや日本製であることは、重要視されていない。また、Z世代の方がY世代に比べて、見た目やデザインが自分好みであることを重視していることがわかった(すべてSVP JAPAN Z世代の消費意欲と購買行動について:調査報告書 2023年3月)」と、「自分らしさ層」はZ世代の嗜好とイコールであると調査データを基に紹介する。「こうした『自分らしさ層』に対して、英国発の初心者向けワイン『ジョイ』を上市する」と、昨年英国でヒット。ワインの楽しみを広げてくれる「ジョイ」を日本で本格展開すると発表した。

次に、同社の仏国にある欧州事務所からリモートで参加する同 輸入事業本部欧州事務所 溝渕萌香氏が「ジョイ」について紹介した。「英国は、自国でワインをほとんど生産していないが、消費量は世界5位となっており、『自分の好きなワインの傾向がわかっており、好きなブランドがある』と答えたZ世代の割合は7%と、他の世代と比較して著しく低い。また18歳から24歳の消費者の間で人気のお酒ブランドトップ10にワインブランドは入っていない(出典:OIV STATE OF THE WORLD VINE AND WINE SECTOR IN 2023およびKANTER)」と、英国では若年層のワイン離れが深刻化している。「日本のZ世代は趣味消費や消費行動が他の世代と比較して強く、自分の好きなこと、気に入ったものに対しての消費欲求は忠実である(出典:JMR生活総合研究所)」と、自分に合っていると感じるものに価値を感じるのがZ世代なのだと分析する。

「こうしたZ世代に対し、開発されたワインが『ジョイ』で、まず英国で販売を開始した」と、若者向けのワインとして英国で上市したのだという。「当社の調査によると、若年層は甘口・フルーティな味わいを求めている割合が比較的高い(出典:メルシャン調べ 2024年(n=2070)」とのこと。「『ジョイ』は、渋い・苦い・重たいなどワインに対するネガティブなイメージを払拭するため、フルーティで程よい甘さに仕上げ、若年層の嗜好を捉えたワインとなっている」と、「ジョイ」の味わいについて言及。「『ブライト ホワイト』は、ソーヴィニヨンブランとマスカット品種をブレンドし、バランスの良い甘さを意識した」と、フルーティで軽やかな味わいだと説明する。「『ジューシー レッド』は、赤ワインには珍しくマスカット品種を多く使用し、重たさや渋さを克服した」と、口の中にまとわりつく感じがなくなる赤ワインに仕上げた。「『フルーティ ロゼ』は、ベリー系フルーツが香り、穏やかな酸味で飲みやすいスタイルとなっている」と、飲みやすいテイストになっていると紹介する。「パッケージでは、あえて品種や産地を訴求せず『ワイン=難しい』というイメージを払拭した。また覚えやすいネーミングと楽しくなるカラフルなデザインで高い視認性となっている」と、知識がないと読み取れないラベルではなく、商品名を前面に打ち出した、できるだけ覚えやすく、わかりやすいカラフルなラベルに仕上げたのだと紹介した。
「日本での販売については、昨年10月に『ブライト ホワイト』と『ジューシー レッド』を、一部企業で販売した。その結果、20~30代の消費者が反応していたとみている」と、若年層が「ジョイ」に反応しているとのこと。「日本では店頭からの情報発信を強化し、新規ユーザーの獲得を狙う」と、ツールなどを利用し消費者との接点の場である店頭での訴求を図る考え。「また気楽に作れるジョイカクテルレシピを開発。『ワインは飲んでみたいけど難しそう・・・』と思っているターゲットに、ワインを自由に、自分らしく楽しんでもらうため、カクテルレシピを考案した」と、ワインは敷居が高いという人にカクテルレシピを提案することで、一歩を踏み出すためのワインとしてアピールしていくと意気込んだ。この後の試飲会では、「ブライト ホワイト」を炭酸で割ってレモンとミントを加えるモヒート風のアレンジレシピと、「ジューシー レッド」をオレンジジュースで割って冷凍フルーツを加えるサングリア風のアレンジレシピを紹介した。

「ジョイ」は、もぎたてのフルーツを思わせるような、程よい甘みを感じる、飲みやすい味わいが特長とのこと。「ジューシー レッド」は、チェリーやストロベリー、フランボワーズといった赤い果実の華やかでフルーティな香りとなっている。酸味は穏やかで、やさしいタンニンのバランスのとれた上品な味わいだとか。「ブライト ホワイト」は、洋ナシやメロン、熟したリンゴやピーチなどフルーツの香り。程よい酸味とフレッシュで甘みのある味わいとなっている。「フルーティ ロゼ」は、熟したリンゴやピーチ、ラズベリーのような赤い果実の香りとのこと。穏やかな酸味と程よい甘みのあるやわらかい味わいだという。
「ワインは難しい」というイメージを払拭するためあえて品種や産地を訴求せず、カラフルなデザインでワインの楽しさが伝わるパッケージを開発。アルコール度数は「ジューシー レッド」が10.5%、「ブライト ホワイト」が12%、「フルーティ ロゼ」が11%となっており、750ml・びんでそれぞれ展開する。
[小売価格]オープン価格
[発売日]3月4日(火)
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