- Drink&Food2025/03/31 18:53
マルハニチロ、試験的に養殖していた脂乗りのよい白身魚の「スギ」の試験販売を5月から開始

マルハニチロは、試験的に養殖していた脂乗りのよい白身魚の「スギ」の試験販売を、5月から開始する。
昨今の養殖業界は、海水温上昇に起因した養殖魚の成長鈍化・疾病リスクへの対策や餌料原料代の高騰など、難しい事業環境下にある。
そのような中、持続可能なたんぱく質の安定供給に取り組むマルハニチロは、昨年6月から、高水温に強く短期間で生産できる、「スギ」の試験養殖を開始した。
5月からマルハニチロの多様な販路を活用して順次試験販売を開始し、2027年度に生産量10万尾をめざす。さらには、環境と人権に配慮した責任ある養殖業で生産された水産物認証であるASC認証の早期取得、マルハニチログループのマルハニチロ養殖技術開発センターを活用した人工種苗生産に取り組むなど、クロマグロ、ブリ、カンパチに次ぐ第4の養殖魚の柱とすべく、マルハニチログループとして生産から販売まで一体的に取り組みを進めていく。

スギの特徴は、南日本から台湾、中国沿岸南部などに生息する南方魚。20℃以上の水温を好み、夏場の30℃以上の高水温期にも適応する。1年で出荷サイズの約4~5kgに成長。時間が経過しても身や血合いの色が変化しにくく、脂乗りも十分にあり、刺身・寿司などの生食用を始め、加工・味付け含めさまざまな調理方法に対応可能となっている。
長年養殖業界をけん引してきたマルハニチロは、今後も新たな魚種や短期間で成長する魚種などの開発に挑戦し、持続可能な形で国内外の養殖産業の課題解決を図るとともに養殖場のある地域の活性化にも貢献していく考え。
[発売日]5月