富士経済、重詰おせち市場調査、通販型が値引きやポイント還元訴求でけん引し2025年新春は前年比0.5%増の847億円に

総合マーケティングビジネスの富士経済は、夏からの早期予約・割引で囲い込みが進む一方、12月の駆け込み需要も増えている重詰おせちの国内市場を調査した。その結果を「重詰おせち市場の概況 2025新春」にまとめた。トピックスとして、通販型が値引きやポイント還元訴求によってけん引し、12月の駆け込み需要に対応しきれないケースもあった中、2025年新春は847億円(前年比0.5%増)に達した。

この調査では、リアル店舗型(量販店、CVS、百貨店、その他リアル店舗型)、通販型(生協、テレビ・カタログ通販、オンラインモール、その他通販型)の重詰おせちのトピックスやトレンドを分析し、2025年新春の結果を明らかにするとともに、はやくも7月から商戦が始まるであろう2026年新春の予測と業界のトピックスなどもまとめた。

2024年新春の市場は、多くの商品で二年連続値上げが実施されたことから販売が落ち込み、調査を開始した2011年新春以降、初めて縮小した。

2025年新春は、通販型が値引きやポイント還元訴求によって販売を増加させたことから市場は再び拡大し、前年比0.5%増の847億円となった。早期予約・割引での囲い込みと12月の駆け込み予約が目立ち、8月前半から予約を始めたテレビ通販やオンラインモール、8月や9月上旬から予約を開始した量販店や百貨店など一部の企業は好調だったが、10月予約開始企業の多くが苦戦した。残暑による冬季商材の購入意欲低下や、年末年始休暇が例年に比べて長く旅行の機運が高まったことで9月、10月、11月の中旬頃までは予約が伸びなかったため、NBでは11月上旬には準備数を絞る企業が続出した。しかし、11月下旬のブラックフライデー頃から一転して予約数が伸び、12月は前年を大幅に上回る予約状況となり、駆け込み需要に対応できなかった企業もみられた。

商品面では、和風おせち一段と洋風おせち一段を組み合わせた冷凍和洋二段重が伸びており、引き続き福袋形式のおせちも好調だった。価格帯としては2万円以下の商品が人気であり、単価の低いオードブルおせちが好調だったことも影響し、平均単価はわずかに低下した。このほか、2024年元旦に発生した能登半島地震を受け、被災地を応援したいという機運から能登半島関連のおせちが売り上げを伸ばしたほか、チャネル限定・チェーン限定のご当地おせち、有名シェフとのコラボおせちなども好調となった。従来のおせちにとらわれない博多久松「推しおせち」、イオンリテール「AIおせち」など、新規性の高い商品の開発もみられた。

チャネル別では、リアル店舗型の百貨店が最も大きいが、年々通販型のテレビ・カタログ通販やオンラインモールが存在感を高めており、区分別では2011年新春時点で7割超を占めていたリアル店舗型の比率が2023年新春には6割を下回った。

2025年新春は、百貨店は秋頃の予約数が前年を下回ったことから準備数を絞り、12月に入っての駆け込み需要には対応できず機会損失が目立ったことから前年割れとなった。また、量販店では2024年新春に値上げ商品の多くが販売数量を落としたことから、2025年新春は商品価格の変更見合わせや、内容見直しによる値下げなどを行ったが、特に関西エリアで苦戦した。

規模の大きい百貨店と量販店が減少したことで、リアル店舗型は縮小した一方、通販型はジャパネットたかたによるテレビ通販の躍進やスカイネット「福袋おせち」の続伸や楽天グループを中心にオンラインモールが好調なことから拡大した。

2026年新春も節約志向の高まりが続き、重詰おせちの平均単価は下落が予想される。一方でチャネルならでは、チェーンならではの付加価値おせちのニーズは高く、独自性のある商品開発は継続されるとみられる。また、超早割、早期割引での囲い込みによる予約と年末の予約に集中するとみられ、参入企業にとっては正確に需要を読んでいくことの重要性がより増していく。

[調査方法]富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
[調査期間]2025年1月~3月
[小売価格]
PDF版:33万円
ネットワークパッケージ版:49万5000円
(すべて税込)

富士経済=https://www.fuji-keizai.co.jp


ヘッドライン

連載中コラム

健康管理!教えて!!
【連載】健康管理!教えて!!
マイライフストーリー ~新商品で日常を語る物語~
【連載】マイライフストーリー
健康管理!教えて!!
【連載】健康管理!教えて!!

マイライフストーリー ~新商品で日常を語る物語~
【連載】マイライフストーリー

 

カテゴリ