- Fashion&Style2024/05/10 12:56
ZOZO、パーソナルスタイリング体験施設「似合うラボ」の利用でZOZOTOWNへの訪問頻度が1.5倍に
ファッションEC「ZOZOTOWN」を運営するZOZOは、創業25年目を迎えた2022年5月、経営戦略「MORE FASHION × FASHION TECH」に、新たに「ワクワクできる『似合う』を届ける」を追加し、その意思を体現する象徴的な取り組みの一つとして、自分の「似合う」が見つかる超パーソナルスタイリングを無料で体験できるZOZO初のリアル店舗「niaulab by ZOZO」(以下、似合うラボ)を同年12月16日表参道にオープンした。
似合うラボは、ZOZO独自のAIとプロのスタイリストの知見を掛け合わせ、2時間以上一人の消費者に貸切で、一人ひとりの「似合う」を見つけるサービス。「似合う」の理解や受け止め方は多様であるため紐解くのは決して簡単ではない。しかし、この「似合う」の解明こそが、消費者のニーズを満たし、同社ビジネスのさらなる成長の鍵になると考え、オンラインの領域を出てリアルな場で「似合う」を追究してきた。今回、オープンから1年以上が経過し、このリアル店舗運営を通じて同社が得たノウハウや知見の一部を反映した機能がファッションコーディネートアプリ「WEAR by ZOZO」(以下、WEAR)に導入されることを機に、似合うラボでの体験者や応募者の実績、似合うラボでの運営を通じて分かってきたこと、さらに同社が思い描く未来の構想を公開する。
今後、この「似合うラボ」でわかってきたことのデータ化が、ZOZOTOWNやWEARといったオンライン上でのパーソナライズを進める上で、アルゴリズムの肝となる。これらのデータをWEARのほかにもZOZOTOWNといった既存サービスや新規サービスなどにも反映し、オンライン上でも一人ひとりに「似合う」スタイリングやヘアメイクをレコメンドするなど、パーソナライズされた提案の精度を高め、よりファッションを楽しめる世界を実現していく。我々はこれからも「似合う」に向き合い続けることで、「ファッションを『買う』ならZOZO」から「ファッションの『こと』ならZOZO」を目指していく考え。
似合うラボは完全予約制で、抽選で当たった人だけが体験できるサービス。累計約11万人の人々に応募してもらい、平均応募倍率は100倍以上と、オープン後、今もなお多くの人々に応募されている。応募者の4分の1がZOZOTOWN新規会員やしばらく利用していなかった休眠会員の人であることから、既存ビジネスにも好影響を与えていることが分かる(2023年2月~2024年4月の体験応募者の集計データから算出)。
似合うラボは、累計約1000人の人々に体験してもらった(2023年2月~2024年4月の体験者の集計データおよび体験後に実施しているアンケート結果から算出)。体験後の消費者アンケートでは、「体験の満足度」において10点満点中平均9.2点を得て、96.6%の人に「似合うが見つかった」といってもらったという。これらの結果から、ファッションの好みや悩みをふまえ「似合う」スタイリングを可視化することに対する消費者のニーズは、非常に高いということを確認できた。
体験後、体験者のポジティブな行動変容も見えてきた。体験者のZOZOTOWNへの訪問頻度は約1.5倍に、さらにZOZOTOWNでの購入金額は約2倍に増えたことが分かった(2023年2月~2024年4月の体験者約1000人の体験後30日間の行動分析データから算出。応募時の新規および休眠会員を除く)。
体験中のやりとりや体験後のヒアリングの分析結果から、現時点での同社なりの「似合う」を構成する4つの要素を特定したとのこと。この要素の中身は、人の好みや悩みによって異なり、さらにそれらの構成比も人によって異なる。これらを組み合わせることで、その人の「似合う」が見つかることが分かってきたという。さらにそれらの構成比も人によって異なるため、要素の中身と構成比の掛け合わせによって、人の数だけ「似合う」は無限にある。また、ファッションのトレンドが変わっていくように、「似合う」も変化し続けるため、あくまでも現時点で同社が考える「似合う」を構成する要素であり、この4つがすべてではないとのこと。終わりのない「似合う」の解明に、同社はこれからも向き合い続けるとしている。