- Fashion&Style2024/05/17 21:31
兵庫県鞄工業組合、「豊岡鞄とつくる『夢のかばん』プロジェクト2024」発足、子ども向けワークショップイベントを開催
兵庫県鞄工業組合は、子どもや未来のものづくりの担い手に、ものづくりの魅力をさらに知ってもらうことを目的に、「豊岡鞄とつくる『夢のかばん』プロジェクト2024」を発足。5月16日には、プロジェクトの発足式および子ども向けワークショップイベントを「豊岡鞄 KITTE 丸の内店」で開催した。ワークショップでは、ミニチュアボストンバッグの制作や子どもたちの自由な発想で描かれた「夢のかばん」を参加した子どもたちが各々デザインした。
「兵庫県豊岡市は日本海側に位置しており、『鞄の街 豊岡』といわれている。その所以は、奈良時代から始まる柳細工が起源とされ、江戸時代に柳行李生産の隆盛を迎え、大正以降はその伝統技術と流通経路を基盤に、新素材への挑戦とミシン縫製技術の導入によって鞄の生産地となった。今日では、トータルファッションの重要アイテムとしての鞄・バッグの産地、『日本製の鞄』を生産する拠点として全国から注目を集めている」と、兵庫県鞄工業組合のマスミ鞄嚢 代表取締役 植村賢仁氏が挨拶。「豊岡市で作られた鞄は『豊岡産』『豊岡製』『日本製』などと呼ぶことができる。それら豊岡産の鞄の中でも、兵庫県鞄工業組合が定めた基準を満たす企業によって生産され、審査に合格した製品を『豊岡鞄』と認定している」と「豊岡鞄」を名乗るには基準が設けられているとのこと。「豊岡市で鞄を制作する会社は、他社のブランド名から依頼される形で鞄を作っていた。そして日本製の鞄のほとんどを豊岡市で生産するという規模にまで発展したのだが、日本製の鞄を使う消費者のほとんどは、それが豊岡市で作られたものであるということを知らない」と、豊岡市が鞄の産地であると認知している人はほとんどいなかったとのこと。「そこで、『豊岡鞄』をブランド化。2006年11月10日には『豊岡鞄』が特許庁に地域団体商標として認定された」とブランド化されて今年で18年になるという。
「『豊岡鞄』が、業界および社会に貢献するべく、子どもや未来のものづくりの担い手に、ものづくりの魅力をさらに知ってもらうことを目的に、『豊岡鞄とつくる“夢のかばん”プロジェクト2024』を発足した」とのこと。「昨今、少子高齢化が進み、伝統工芸品や地方のものづくり産業の後継者不足が課題にあげられている。鞄づくりにおいては1200年の歴史があるとされ、全国有数の鞄の産地である兵庫県豊岡市もまた、同様の課題を抱えている。今回のプロジェクトを通じて、子どもや未来のものづくりの担い手に、ものづくりの魅力を伝え、その楽しさを感じてほしいと思っている」とプロジェクト発足の意義について説明した。
次に、兵庫県鞄工業組合「豊岡鞄」シナジープロジェクト委員会委員長 ナオト 代表取締役 宮下栄司氏がプロジェクト発足宣言を行った。「同プロジェクトでは、ワークショップやSNSを通じて、子どもや未来のものづくりの担い手たちの自由な発想で描かれた『夢の鞄』のデザインやアイデアを集め、確かな技術とこだわりで消費者の大切なものを運ぶ品質の高い鞄づくりにどこまでも向き合ってきた豊岡鞄のプロジェクトチームが、そのデザインやアイデアの実現に向けて、素材や製造方法にこだわり尽くし、子どもや未来のものづくりの担い手たちの夢を叶えるために全力で奔走する」と子どもや未来のものづくりの担い手へ夢を与え、豊岡鞄の“らしさ”を社会に発信すると同時に、ものづくり産業を取り巻く課題にアプローチするプロジェクトを目指しているという。
「具体的には、子どもたちの自由な発想で描かれた『夢の鞄』デザインや、公募で集められた『夢の鞄』アイデアをもとに、豊岡鞄のプロジェクトチームが実際に鞄を製作する。また、デザイン案が採用された子どもたちを豊岡市の製作工場に招待し、鞄職人とともにものづくりの現場を体験してもらいながら、その楽しさを感じてもらえる機会を用意する。完成した鞄は、今年12月に、デザインをした子どもたちに贈呈する予定となっている」と子どもや未来のものづくりの担い手に、ものづくりの魅力をさらに知ってもらうイベントを計画していると発表した。
そして、子ども向けワークショップに参加する子どもたちに、植村氏と宮下氏がワークショップの材料・画材を贈呈するセレモニーが行われた。
贈呈式後は、2つのグループに分かれて、鞄づくりに触れるミニチュアボストンバッグの制作を行った。
鞄を作り終えた後は、「夢のかばん」を考えてもらうべく、スケッチボードとマーカーを配布。講師を務めるイラストレーターが考えた「夢のかばん」のデザインをヒントに、子どもたちがそれぞれ思い思いの鞄をデザインした。
「豊岡鞄とつくる『夢のかばん』プロジェクト2024」における、子ども向けワークショップイベントへの参加では、豊岡鞄の職人とともに「夢のかばん」の絵を描いてもらう体験型のお絵描きワークショップに参加し、その場でイメージを提出して応募する。開催日程は、東京エリアが5月18日から5月19日まで、東京KITTE地下1F東京シティアイパフォーマンスゾーン「豊岡鞄展」内応募スペースで実施する。大阪エリアは6月下旬から7月上旬を予定。詳細決まり次第特設サイトおよび公式SNSアカウントで発表する。対象者は18歳以下で、参加可能人数の上限は設けていないが、スペースの都合上来場の時間帯によっては待つ可能性があるという。
投稿キャンペーン「豊岡鞄職人たちへの挑戦状」への参加については、「夢のかばん」デザイン案のイメージ画像を投稿して応募する。期間中、公式アカウントをフォローの上、「夢のかばん」のデザイン案のイメージ画像を指定ハッシュタグ「#豊岡鞄とつくる夢のかばん」と共にSNSへ投稿(SNSを利用していない人は、特設サイト内webフォームからも申し込むことができる)。応募期間は5月16日から7月7日で、対象者は18歳以下となる。対象SNSはInstagramおよび、X(旧Twitter)で、副賞として、デザイン案が採用された応募者には、豊岡鞄のものづくりに触れることができるものづくり現場視察ツアーおよび実際に製作された世界にひとつだけの「夢のかばん」を贈呈する(子どもの描いたデザイン案を保護者が投稿する際は子どもの年齢確認を行う)。
「夢のかばん」のアイデアをテキストで応募する場合、X(旧Twitter)では期間中、公式アカウントをフォローの上、公式アカウントのプロジェクト告知投稿を引用ポストする。編集画面で指定ハッシュタグ「#豊岡鞄とつくる夢のかばん」と共にアイデアをコメント欄に追記し投稿。Instagramでは期間中、公式アカウントをフォローの上、公式アカウントのプロジェクト告知フィード投稿のコメント欄に「夢の鞄」のアイデアをコメントで投稿する。応募期間は5月16日から7月7日で、対象者は誰でも参加できる。副賞として、参加した人の中から抽選で好きな豊岡鞄をひとつ贈呈する(税込10万円以内)。
製作作品の選定については、集まったデザイン案・アイデア案の選定会議を豊岡鞄プロジェクトメンバーで行い、議論の上で決定する。選定作品やアイデアについては、追って特設サイトで紹介する予定だという。
「豊岡鞄とつくる『夢のかばん』プロジェクト2024」では、子どもたちや、将来のものづくりの担い手に対してものづくりの魅力を伝える一連の活動に協力してもらえる企業を募集している。賛同してもらえる企業においては、今後の活動案内など行うため、SNSの公式アカウントDMまたは特設サイトから問い合わせしてほしいとのこと。
豊岡鞄公式サイト=https://toyooka-kaban.jp