- Fashion&Style2024/10/04 18:01
アダストリア、ブランド30周年を迎えた「グローバルワーク」、売上1000億円に向けて国内および東南アジアへの戦略出店を加速
アダストリアが運営する「グローバルワーク」は、今年9月末にブランド誕生30周年を迎えた。今回30周年を記念して、これまでのブランドの変遷や今後の事業戦略などを説明する「ブランド30周年記念 グローバルワーク事業戦略発表会」を10月3日に開催した。アダストリアは売上高においてアパレル業界3位のブランドであり、アダストリアの売り上げのうちNo.1の20%を占めるブランドが「グローバルワーク」となる。2月期に過去最高の売上高500億円を突破し、アダストリアの成長戦略の柱となる重要なブランドとなっている。今回、30周年というタイミングで、今後の事業戦略とともに新たなブランドメッセージを発表。発表会では同社の代表取締役社長 木村治氏から成長戦略と「グローバルワーク」の重要性について、同 グローバルワーク営業本部長 太田訓氏から「グローバルワーク」の概要や今後売上1000億円を目指す上での成長戦略について説明した。
「当社の今年2月期の売上高は2775億円で国内アパレル業界第3位となっている。このうち国内WEB売上高は689億円、自社EC会員数1860万人、グループ全体で45以上のブランド、1563店舗を展開している」と木村氏。「また、1563店舗のうち192店舗が海外となっており、地域のマーケット特性に合わせて商品開発や店舗運営をローカライズさせている」と、台湾、香港を中心に海外にも積極的に展開している。「当社では、マルチブランド、マルチカテゴリ戦略を行っている。これは、特定の好みの顧客層に強く支持されるブランドを複数持つことで強い支持を獲得。役割とステージに応じてブランドを独立型・成長型・収益型に分類し、グループに合わせた戦略を策定している」と、同社独自の戦略について解説した。
「当社が掲げる中期経営計画では、サスティナブル経営の実現に向けた4つの成長戦略によって、2026年2月期に向けた計画を上方修正。連結売上高を2800億円から3100億円に引き上げた」と、強気の計画で成長カーブを上方に軌道修正するという。「そしてグループ連結売上高5000億円を達成するべく、今年30周年を迎えた『グローバルワーク』をマルチブランドの推進を続けながらも、単一ブランドの規模拡大を強化していく」と、今年2月期に売上高516億円、同社でのシェアが約20%を占めるまでに成長した「グローバルワーク」の売上の伸びをさらに加速させていくことで、グループ連結売上高5000億円を達成させたい考えを示した。
次に、太田氏が30周年を向けたブランド「グローバルワーク」について説明した。「『グローバルワーク』は1994年に設立。国内216店舗、海外18店舗(WEBストア含む)を展開。ベーシックでありながらも程よいファッション感の商品を消費者に届けている」と、同ブランドのポジショニングについて紹介した。「2023年に日経ビジネスが調査したアパレル業界の顧客推奨度ランキングにおいて『グローバルワーク』は第2位を獲得。この背景には、30年間、時代ニーズに合わせて変化させてきたことが影響しているものと考える」と、ブランド名やロゴマークなども変えながら、ブランド単独で500億円を達成するまでに成長することができたと目を細める。
「そして、さらなる成長を遂げるべく、顧客を起点とした商品を提供し続ける」と、消費者の不満を解消する商品の開発、ECレビューや店舗の消費者の声を徹底的に分析し反映していくと意気込む。「また、この価格帯で一番贅沢な洋服を提供し続けていく」と、素材開発から商品開発まで自社で一貫して生産することで可能となる価格と価値のバランスを目指していくとのこと。「さらに、人と会うときにちょうど良い“Good feeling wear”を提供し続ける」と、オンオフをシームレスにつなぐ、自分も相手も気持ちい良い服を提供していくと訴えた。
「当社の強みであるサプライチェーンの強化はもちろん、顧客の声を反映し、シリーズ累計110万本を突破した『アーバンスラックス』や、シリーズ累計400万本を突破した『ウツクシルエットパンツ』といった顧客目線の商品を提案していく」と、徹底した口コミ分析から商品企画と商品名を変更することでヒット商品に導くなど、今後もPeople Firstのものづくりを行っていくとアピール。「また、店頭販促物、WEBコンテンツ、TV-CMにおいて一貫性のある商品販促とPRも引き続き行っていく」とのこと。「さらに、関節接客と直接接客による接客の精度向上に加えて、OMO型ミラーサイネージを導入したり、独自店内什器による在庫量増といった取り組みも行っていく」と、新たな販促施策について説明した。
「2030年に『グローバルワーク』は売上高1000億円ブランドになるために、国内店舗の戦略的出店と店舗あたりの売上増を図る」と、国内好立地への積極出店を行うとともに、増床と什器変更による店舗あたり売上の増加も見込むとのこと。「まず、来年春に東京・銀座へ旗艦店をオープンする」と、ショッピングモールへの出店が主であったが、駅前好立地店舗などの出店も加速させていくという。「また、新規国への出店と海外強化を図っていく」と、来年ASEANを中心とした新規国への出店を開始。好調な台湾・香港の出店も強化していくと話す。「さらに、コアプロダクト育成のさらなる強化を図る」と、消費者のニーズを反映したコアプロダクトの育成とプロモーションによる販売強化を行うと力説する。「付加価値の高いコアプロダクトを自社生産。コアプロダクトの打ち出し強化を様々なコミュニケーションを通じで図っていく」と、売上高1000億円に向けた施策とアクションプランについて発表した。
「グローバルワーク」は2月から、吉高由里子さんと宮沢氷魚さんをアンバサダーに迎え、「まちがいない服。」というブランドメッセージを発信してきた。「グローバルワーク」は、9月末にブランド生誕30周年を迎え、9月26日を皮切りに、スペシャルコンテンツを展開している。
今回は、アンバサダーの吉高由里子さん・宮沢氷魚さんのふたりに出演してもらっている、「カップルのなにげない日常」をドラマ仕立てで表現したTV-CMシリーズ「まちがいないふたり。」を、30周年スペシャルバージョンで制作。ふたりの四季の流れを表現した60秒のムービーになっている。さらに今回の30周年ブランドムービーを制作するにあたり、今最も話題のミュージシャンでもあるOmoinotakeさんに「折々」という書き下ろしの楽曲を提供してもらった。ムービーで表現されている、仲睦まじいカップルの四季を彩るのにぴったりの爽やかな楽曲となっている。
今回の30周年ブランドムービーの撮影裏側が見られるメイキング動画を特別公開。当日は長時間の撮影だったが、吉高由里子さん・宮沢氷魚さんのふたりは仕事中の真剣な表情だけでなく、現場が明るくなるような笑顔をたくさん見せてくれた。たくさんのエキストラの人たちにも参加してもらった撮影の舞台裏、Omoinotakeさんの撮影風景まで、ここでしか見ることができないシーンが詰まった秘蔵映像になっている。
さらに今回、アンバサダーである吉高百合子さん・宮沢氷魚さんからGLOBAL WORK30周年へのお祝いコメントも届いたとのこと。撮影にまつわる話や、「まちがいないふたり。」にちなんだ話題など、ここでしか聞けない内容盛りだくさんのインタビューになっている。
アダストリア=https://www.adastria.co.jp
グローバルワーク=https://www.globalwork.jp