- Health&Medical2023/07/28 10:40
タニタ、熱中症に関する意識・実態調査2023、「熱中症警戒アラート」の認知率は約8割に、「暑さ指数」は調査5年目で初の5割超え
健康総合企業のタニタは、「熱中症に関する意識・実態調査2023」を実施した。同調査は2019年から毎年実施しているもので、今回で5回目(それぞれの調査時期は次のとおり。第1回:2019年5月23日~5月24日/第2回:2020年6月5日~6月8日/第3回:2021年6月29日~7月1日/第4回:2022年8月5日~8月8日。なお、経年比較の際は調査実施時期が異なる点に留意する必要がある)。全国の15歳以上の男女1000人を対象に、6月14日~15日の2日間、インターネットリサーチによって行った。その結果、「熱中症警戒アラート」や「暑さ指数(WBGT)」の認知が広がり、これらを熱中症の予防のために気にする人が増えていることが分かった。また、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類に移行したことを受け、この夏は若年世代でスポーツやイベント、部活動など活動が活発化する見込みであることが判明。電気料金の上昇が続く中、節電への意識が高いことも分かった。このように生活者を取り巻く環境が変わるこの夏、熱中症を予防するには熱中症に関する知識を再確認し、これまで以上にその場その場、その時々での情報を収集判断して、適切な行動をとっていくことが重要となる。
熱中症による搬送者数は2018年夏に9万人を超え、過去最高を記録した(総務省消防庁によると熱中症による搬送者は平成30年5月から9月が9万5137人で、6月から9月は9万2710人だった)。タニタでは人々の健康づくりにおいて熱中症対策の重要性が増すと考え、生活者の意識向上を目的に2019年から同調査を開始した。「暑さ指数(WBGT)」の認知率は調査開始時の42.0%から9.5ポイント上昇し、今回初めて5割を超えた。
「熱中症警戒アラート」の認知率は2021年の63.0%から77.8%となり、14.8ポイント上昇した。さらに、熱中症予防のために気にしているものについて聞いたところ、屋外にいるときに「暑さ指数」を気にしている人の割合は、2021年の5.9%から13.8%へと7.9ポイント上昇。熱中症警戒アラートについては、2021年の9.6%から24.6%へ15.0ポイント上昇した。実際に「暑さ指数」や「熱中症警戒アラート」を熱中症予防に活用しようと考えている人が増えていることが明らかになった。
今年は6月に電気料金の改定があり電気料金が値上げされる中、エアコンの使用状況や節電意識についても調べた。在宅時のエアコン使用状況については、「日中」「夜間」「就寝中」のいずれのシーンにおいても「室温は関係なく、暑いと感じたときに使用している」が最も高くなった。「エアコンを使用しない」と答えた人は約10人に1人で一定数いることが分かった。中でも、「就寝中」にエアコンを使用しないと答えた割合は13.0%となり、他の時間帯よりも約5ポイント高くなった。また、「今年の夏は節電を心がけようと思うか」について『あてはまる(計)』と答えた人は7割に上った。熱中症警戒アラートが発表された場合は、“昼夜を問わずエアコン等を使用すること”が奨励されている。自身の体力や体調、周囲の環境などを判断しながら適切にエアコンを使用することが熱中症の予防と節電の両立につながる。
さらに、この夏の屋内外での各種活動の実施についての意向を質問した。「今夏、屋外のイベント(フェスなど)に参加することが増えると思う」と答えた人は10代男女では2割強で、「屋内のイベント(コンサート・展示会・即売会など)」では10代20代女性の4人に1人以上となった。また、小学生から高校生の子どもがいる人に、この夏の子どもの活動について昨年からの変化の予想を聞いたところ、質問したすべての活動について「増える」と答えた割合が「減る」と答えた割合を3倍以上上回った。思春期前の子どもは汗腺をはじめとした体温調節能力がまだ十分に発達していないため、熱中症のリスクが高くなる。これに加え、この数年間、活動が減り体力が低下したことでも熱中症のリスクが増している可能性がある。周囲の環境や当日の体調などを踏まえて、本人や周囲の人がより一層熱中症予防への注意を払う必要があるといえる。
4月に改正気候変動適応法が成立し、極端な高温時に熱中症による重大な健康被害が生じるのを防ぐため、現在の「熱中症警戒アラート」よりも一段上の「熱中症特別警戒情報」を新設することや、地方自治体の首長が冷房設備を有する施設を「クーリングシェルター」として指定できるようになることが定められた。同調査では、「熱中症特別警戒アラート」が新設されることへの認知率は4割強で、冷房の効いた公共施設や民間施設を「クーリングシェルター」として指定する仕組みが導入されることへの認知率は3割だった。あわせてクーリングシェルターにしてほしい施設や暑さをしのぐために利用したことがある施設などについても聞いている。
熱中症は対策することで100%予防できる疾病といわれている。タニタでは、室内外の適正環境づくりに関わる商品を展開するとともに、熱中症予防に関するさまざまな情報を発信していくことで、生活者の健康づくりをサポートしていく考え。
[調査概要]
調査タイトル:熱中症に関する意識・実態調査2023
調査対象:ネットエイジアリサーチのインターネットモニター会員を母集団とする
全国の15歳以上の男女
調査期間:6月14日~6月15日
調査方法:インターネット調査
調査地域:全国
有効回答数:1000サンプル