佐藤製薬とマルホ、爪水虫に関するメディアセミナーを開催、白癬菌抗原検査キットによる診断と正しい治療法について解説

埼玉医科大学医学部皮膚科教授の常深祐一郎先生

佐藤製薬とマルホは、「本邦初の白癬菌抗原検査キットによる爪水虫診断と正しい治療法 ~爪水虫診療は新たなステージへ~」と題したメディアセミナーを9月1日に開催した。爪水虫(爪白癬)は、60歳以上の有病率が2割以上といわれ、高齢化によって患者が増加すると懸念される疾患の一つとなっている。今回のセミナーでは、国内における爪水虫の検査・診断と治療の実態について、埼玉医科大学医学部皮膚科教授の常深祐一郎先生が解説した。

「日本では、爪水虫の患者は1100万人いるとされており、日本人の10人に1人が爪水虫に罹患しているのが実態である。年代別では、年齢が上がるにつれて患者数も増えており、高齢者に多いことから、治療せずに放置されてしまうケースもみられる。爪水虫を放置すると、白癬菌の自己および他人への感染拡大や、QOL(生活の質)の低下、転倒・ロコモ・フレイル、さらには細菌感染や糖尿病足病変の原因になる」と、常深先生は、爪水虫は高齢者に多く、放置すると重大な疾患につながるリスクがあると話す。「爪水虫の治療にあたっては、部分的な改善では白癬菌が残存するため再発する可能性が高い。そのため、治療のゴールは、臨床的治癒と真菌学的治癒によって白癬菌を完全に除去することとなる」と、爪水虫の治療では、原因菌である白癬菌をすべて排除する完全治癒を目指すのだと説明した。

埼玉医科大学医学部皮膚科教授の常深祐一郎先生

「爪水虫は、類似した爪疾患が多数あるため、見た目での診断が難しい病気でもある。爪甲の肥厚や変形、混濁といった臨床症状だけで確定診断を行うことは不可能であり、診断には検査が必要となる。これまで、爪水虫の検査には、KOH直接鏡検法と真菌培養法がよく用いられてきた。KOH直接鏡検法は、感度が高い一方で、顕微鏡などの器材が必要であり、目視判別の技能に診断が左右されるといった欠点があった。また、真菌培養法は、菌種が同定できる一方で、感度が低く、検査に週単位の時間を要していた」と、従来の検査方法の課題について指摘する。「こうした中、昨年から新たにイムノクロマト法を推定原理とした白癬菌抗原検査キットを用いた診断が加わった。白癬菌抗原検査キットは、従来の検査方法に比べて迅速かつ簡便に検査ができ、診断の感度も高いという大きな長所がある」と、昨年発売された国内初の白癬菌抗原検査キットを使った診断のメリットを紹介した。

「診断のフローチャートとしては、まずKOH直接鏡検法による検査を実施し、結果が陰性だった場合に、白癬菌抗原検査キットを用いた検査を行う。また、KOH直接鏡検法が実施できないケースでは、最初から白癬菌抗原検査キットによる検査を使うことができる。これによって医師は、さらに高い感度で爪水虫を確定診断できるようになった」と、白癬菌抗原検査キットの登場によって、爪水虫の診断は新たなステージに入ったと強調する。「現在、爪水虫に対して効能・効果が認められている市販薬はないため、治療には、皮膚科で処方される治療薬が必要となる。治療薬には、飲み薬とぬり薬の2種類があるが、ぬり薬は時間がかかり、中断による再発のリスクがあるため、飲み薬を第一選択としている」と、爪水虫の治療法のポイントにも言及してくれた。「KOH直接鏡検法および白癬菌抗原検査キットを用いた適切な診断を行った上で、飲み薬を基本とした適切な治療を行うことで、白癬菌をすべて排除し、臨床的症状もなくなった『完全治癒』を達成できると考えている」と、これからの爪水虫治療の目指すべき姿を提言した。

佐藤製薬=https://www.sato-seiyaku.co.jp/
マルホ=https://www.maruho.co.jp/


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