富士経済、メンタル・脳機能ケア食品市場の調査、2030年国内市場はメンタル・脳機能ケア食品5698億円と予測

総合マーケティングビジネスの富士経済は、睡眠の質向上やストレス緩和、脳機能の活性化などをサポートするメンタル・脳機能ケア食品市場を調査した。その結果を「メンタルケア・ブレインヘルスフーズ市場最新調査」にまとめた。2030年国内市場予測(2023年比)では、メンタル・脳機能ケア食品が、睡眠の質向上やストレス緩和を目的とした商品の需要が伸長し5698億円(61.1%増)を見込む。

この調査では、メンタル・脳機能ケア食品について、形状別として、飲料、菓子、ゼリー、サプリメント、その他食品、機能・目的別として、認知・記憶、注意力・集中力、眠気覚まし、睡眠、ストレス・精神的疲労感、気分・活力に分類し、市場の現状を明らかにして将来を展望した。

メンタル・脳機能ケア食品では、コロナ禍を機に睡眠の質やストレス緩和を意識する人々が増加し、既存商品の需要増加や新商品の発売がみられた。また、若年層を中心に仕事や勉強などの場面でやる気・気分を向上させるエナジードリンクが好調である。特に、「Yakult1000」(ヤクルト本社)が売り上げを伸ばしたことで、飲料による手軽な健康対策が定着した。2023年は、外出機会の増加と猛暑を背景に、水分補給によって飲料の需要が増えた。加えて高齢化を背景に脳機能を維持するサプリメントなどの需要も伸びており、市場は前年比13.3%増の3537億円となった。

今後も、形状別では生活に取り入れやすい飲料が市場をけん引するとともに、ゼリーやサプリメントも大きく伸びるとみられる。機能・成分別では高齢化に伴う認知機能の維持や、ストレス緩和、睡眠の質の改善など健康意識の高まりで、メンタルや脳機能ケア食品の需要増加が予想される。また、複数の成分の組み合わせで、1つの商品でも複数の健康課題を訴求できる多機能化が進み、様々な世代の健康課題に対応できるようになるため、需要増加が期待される。2030年に向けて市場拡大が続くと予想される。

ストレス・精神的疲労感を軽減させる食品(機能・目的別)では、乳酸菌類やGABAなどを配合し、仕事や日常の精神的なストレス、疲労感の緩和を訴求する商品を対象とする。2023年は、「Yakult1000」の影響で、ストレス緩和と睡眠の質向上を組み合わせた飲料の需要が増加した。また、若年層を中心に“チル”といったリラックス志向が高まり、「CHILL OUT」(コカ・コーラシステム)などの鎮静・リラックス系の飲料も増えたため、市場は拡大した。今後も、ストレス社会を背景に、疲労感の軽減やリラックス効果のある商品の需要が高まることから、2030年の市場は2023年比39.2%増が予測される。これらの食品は勉強、仕事の休憩時や終了時など、複数回に分けての摂取が想定されるため、睡眠改善を訴求する商品に比べて、容量が多い商品や小分けが可能な商品が増えるとみられる。

[調査方法]富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
[調査期間]4月~5月
[小売価格]
PDF版:33万円
ネットワークパッケージ版:49万5000円
(すべて税込)

富士経済=https://www.fuji-keizai.co.jp


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