第一三共ヘルスケア、「みんなの生理痛プロジェクト for TEEN」による保護者向けセミナー・ワークショップを品川女子学院で開催

「みんなの生理痛プロジェクト for TEEN」保護者向けワークショップの様子

第一三共ヘルスケアの解熱鎮痛薬ブランド「ロキソニン」(OTC医薬品)は、「みんなの生理痛プロジェクト for TEEN」の活動の一環として、初の保護者向けセミナー・ワークショップを8月25日に品川女子学院で開催した。

今年3月「ロキソニン」では、生理痛経験のある高校生の多くが学校生活に支障をきたしながらも生理痛を我慢している実態を受けて、ティーン世代が性別に関係なく、なるべく早い段階で生理・生理痛の正しい情報に触れることを目的とした「みんなの生理痛プロジェクト for TEEN」を始動した。活動の一環として、昨年に引き続き生理痛について“学び・考える授業”を実施する中で、生徒が生理痛を我慢しないためには、保護者を含む周囲の大人が正しい知識を身につけ、サポートすることが大切であることを改めて感じ、今回、趣旨に賛同した品川女子学院で、同校の保護者向けセミナー・ワークショップを実施した。この機会を通じて、生理・生理痛に悩む生徒の実情や、生理痛の原因や症状、つらさには個人差があること、適切な対処の大切さを知った上で、子どもや自分自身および、身近な人に対してできることを考えるきっかけにしてもらいたい考え。

ワークショップで実施したディスカッション内容を発表する様子

当日は、産婦人科医・高尾美穂先生から生理・生理痛のメカニズムや月経困難症の症状、生理痛の対処法などを学ぶセミナーを実施した後、品川女子学院の有志生徒団体CLAIR.(クレア)の学生の進行のもと、子どもが生理・生理痛で困っていたら保護者として何ができるか、について考えるワークショップを実施した。

第一三共ヘルスケア ブランド推進本部 OTC推進部 BMグループの土合桃子氏

まず主催者を代表して、第一三共ヘルスケア ブランド推進本部 OTC推進部 BMグループの土合桃子氏が挨拶した。「当社で実施した生理痛の悩み実態に関する調査によると、1年以内に生理痛を経験した女性は73.1%に達し、生理痛について、つらい症状を感じることがあると回答した女性は約3人に1人の34.4%だった」と、多くの女性が生理痛を経験しているのだという。「一方で生理痛のときに我慢したことがあるという女性は91.7%に達し、我慢している理由は、これまで我慢してきたや、我慢するのが当たり前だと思うという回答が上位となった。さらに、周りが我慢している、我慢するように言われたという回答もみられ、当時者だけでなく、周囲も含めた社会全体の理解促進が必要」と、生理痛のときに我慢しなくてもよい社会実現が必要不可欠なのだと訴える。

「こうした現状を受けて『ロキソニン』では、生理痛と正しく向き合える社会へ向けて、生理痛に悩む人々だけでなく、生理痛の理解が広がり、思いやりを持って接することができる社会を目指すべく、『みんなの生理痛プロジェクト』を始動した」と、プロジェクト発足の意義について語る。「昨年3月の国際女性デーにプロジェクトを始動。生理痛や対処法についてのコンテンツ発信を行うだけでなく、生理・生理痛について考えるワークショップを行った」と、プロジェクトの歩みについて紹介する。「そして、10代世代の人々が、なるべく早いタイミングで生理痛について学び、考えるための取り組みを強化するべく『みんなの生理痛プロジェクト for TEEN』をスタート。15歳以上の高校生を中心に情報を届けている」と、高校生を対象にした生理痛授業や、生理・生理痛の保健教材の配布も行っていると述べていた。

第一三共ヘルスケア ブランド推進本部 OTC推進部 BMグループの土合桃子氏

「15歳以上という定義には、薬を代謝するための内臓の機能が大人並になる目安の年齢が15歳であり、市販薬の世界では15歳以上を成人と規定している」とのこと。「当社の調査によると、高校生の方が大人に比べて生理痛を我慢している人が多く、我慢したことがあると回答した高校生は96.7%に達した」と、お腹が痛くなってもすぐに保健室に行けなかったり、学校を休めない、通学中に吐き気とめまいがしたといった症状を訴える高校生もいたという。「こうした現状に文科省では、公立高校入試において、生理の体調不良も追試験対象と全国に通知。岐阜県では欠席の記録を廃止している」と、生理・生理痛が原因で普段の授業や試験を欠席した際の取り扱いが変わってきていると話す。「しかし、学校内で生理や生理痛に関して困った時は、担任の先生や保健室の先生など大人の誰かに相談しやすい環境だと思わないとの回答が47.2%に達した。生理痛に関して誰かに相談したことがあるとの回答では同性の家族が37.1%と最も高かった」と、家族に相談する高校生が多いのだと力説する。「今回のセミナー・ワークショップでは、生理・生理痛に悩む生徒たちの実情を理解すると共に、生理・生理痛の原因や症状、つらさは個人差であること、適切な対処をすることの大切さを知った上で、子ども、自分自身および、身近な人に対して、どういったことができるかを考えるきっかけにしたい」と、セミナー・ワークショップの開催意義について説明した。

品川女子学院の有志生徒団体CLAIR.(クレア)を紹介

この後、品川女子学院の学校公認有志生徒団体「CLAIR.(クレア)」について紹介した。「CLAIR.(クレア)」は、2021年に、品川女子学院の起業体験プログラムを契機に、生理にまつわる正しい知識を学生目線で啓発することを目的として発足した有志による活動団体。現在、「生理期間を生きやすく」をテーマに、他校へ訪問して生理時の女性の体調や心理面を解説したり、生理用品の使い方を説明をしているという。具体的には、小学生に向けた講座や、男子校に向けた講座、共学校に向けた講座を行ったり、イベントを実施するなどしているという。今回のセミナー・ワークショップでは、CLAIR.(クレア)の学生たちがファシリテーターを務めた。

産婦人科医・高尾美穂先生

セミナーのパートでは、産婦人科医・高尾美穂先生が「生理・生理痛の仕組み」について講演を行った。「子宮や卵巣は、毎月妊娠できる準備をする。まず、排卵し、子宮内膜が厚くなる。妊娠していない場合は、子宮内膜がはがれ経血と一緒に排出される。これが月経となる」と生理の仕組みについて解説。「生理の周期は25日から38日とされ、出血期間は3日から7日とされる。経血量は20から140mLで、初経は平均12歳で早い子は8歳、遅い子は15歳ごろとされている。生理が3ヵ月以上来ない、もしくは3週間よりも短い周期で来る場合は、病気の可能性もあるので婦人科に相談してほしい」と、生理の期間や経血量について教えてくれた。「生理中はブルー期でナーバスな時、しかし生理後はキラキラ期とされ絶好調。この時期がずっと続くのではなく、まったり期を迎え気持ちは下り坂。生理前はもやもや期とされ絶不調の時期でもある」と、生理周期と女性の1ヵ月について説明。「生理中だけでなく、生理の前から不調を感じるケースもある」と、生理による出血だけでなく、生理中以外の痛みによる悩みもあるのだと述べる。「生理前の3日から10日くらいの間に続く精神的、身体的な症状を月経前症候群(PMS)といい、生理が始まるとともに症状がおさまったり、なくなったりする」と、PMSには身体的症状の他、精神的症状もあり、生理痛とPMSの期間を合わせると1ヵ月の中で不調を感じる日が多くなるケースもあるのだと話していた。

「生理痛は、生理のとき、経血を排出するために子宮が収縮する。この力が強いと生理痛としてお腹や腰に痛みを感じる」と、生理痛の仕組みについて解説する。「生理痛にともなう痛みは、子宮の過度な収縮による痛みの下腹部痛。腰回りの血管の収縮や、それにともなう血行不良による痛みの腰痛。女性ホルモンの変動によって起きる片頭痛などが挙げられる」と、生理痛の痛みは人それぞれ感じ方が違うのだと述べていた。「月経困難症は生理に随伴して起こる病的症状で、日常生活に支障をきたす状態であれば月経困難症と診断される」とのこと。「思春期の場合は機能性月経困難症が多い傾向だが、加齢にともないだんだん症状はよくなる。しかし、不安なことがあれば婦人科を受診してほしい」と、機能性月経困難症は、プロスタグランジンによる子宮の収縮、骨盤内の充血、過多月経による経血の排出困難、子宮発育不全、ストレスなどが原因だと話していた。「これに対し、子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫、子宮の形態異常、性器の炎症、クラミジア感染などが原因の器質性月経困難症は、若いころに機能性月経困難症だった人はそうでない人に比べて2.6倍の発症率を示している」と、機能性月経困難症と診断された場合は、大人になってから器質性月経困難症と診断されるケースがあるだけに注意が必要だと述べていた。

産婦人科医・高尾美穂先生

「生理痛の主な対処法として、体を温めることが良いとされている。また体を動かすことも効果的。さらに、市販の鎮痛薬を試すのも良い」と、様々な選択肢があるのだと説明する。「特に、市販の鎮痛薬については、自分に合った鎮痛薬を正しく服用することで、上手に痛みを和らげることができる。鎮痛薬は、痛みを感じたらなるべく早めに服用することが大切。痛みを我慢していると、正しい効き目を感じにくくなってしまうこともある」と、市販薬を上手に活用することで痛みを和らげることにつながると教えてくれた。「鎮痛薬は飲み過ぎるとだんだん効きづらくなるといった声も聞かれるが、決められた用法・用量を守って使えば、効きづらくなることはない。服用するときは鎮痛薬の箱や中に入っている添付文書を確認してほしい」と、正しく服用することが大切だと力説する。「学校や部活を休みたくなるくらい生理痛がつらいなど、生活する上で困っていることがあれば、婦人科受診を検討してほしい。必ずしも検査を受ける必要はなく、まず先生と話をするだけでも問題ない」と、何か悩みがあれば、まずは保健室の先生や薬局の薬剤師に相談するのもよいとアドバイスしていた。

ワークショップで実施したロールプレイングの様子
ワークショップで実施したディスカッションの様子

ワークショップでは保護者をグループ分けして、子どもが家で、生理痛がつらそうにしていたら何ができるかをディスカッションした。

ワークショップで実施したディスカッションの内容を発表

ディスカッションした内容を発表した後、実際の生徒の意見を「CLAIR.(クレア)」が発表した。品川女子学院で事前アンケートを行った結果、家庭で生理・生理痛に関して困った時、家族にどういう対応をしてほしいと思うかでは、物理的な支援に関わることだけでなく、心理的な支援に関わることについての声もあがっていた。

品川女学院の生徒の意見を「CLAIR.(クレア)」が発表

また、家族にとられたくない対応としては、つらさに対する理解の欠如やプライバシー配慮の欠如だけでなく、気にしてもらえない、過剰に気にされるといった意見も見られるなど、人それぞれであることがわかったという。これらの結果から、生理・生理痛で体調不良の人がいたり、悩みがある人がいたら、相手の気持ちを気遣う気持ちを持つことが大切であるものの、生理の話をすることに抵抗のある人もいる。それだけに正しい知識を身につけることが大切であるとまとめていた。

第一三共ヘルスケア=https://www.daiichisankyo-hc.co.jp
みんなの生理痛プロジェクト=https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_loxonin-s/special/project


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