- Health&Medical2024/11/11 20:25
今年の秋冬はインフルエンザや風邪の流行に要注意、速効性があり胃へのやさしさを考えた「ロキソニン解熱鎮痛薬シリーズ」の秘密を探る
新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)が昨年5月に「5類感染症」となった一方で、同年秋以降からは新型コロナ以外の様々な感染症が広がりつつある。例えば、昨年秋から冬にかけてはプール熱(咽頭結膜炎)、今年春から夏にかけては手足口病やヘルパンギーナが流行。そして、これから迎える秋冬シーズンには、インフルエンザや風邪が流行る可能性があると予測されている。こうした中、第一三共ヘルスケアの「ロキソニン解熱鎮痛薬シリーズ」が、“速効性があって、胃へのやさしさも考えられている”と注目を集めている。そこで今回、同社 研究センター 固形グループ 研究リーダーの加茂倫有氏と、同 固形グループの関夏未氏に、「ロキソニン」の開発秘話を聞いた。
第一三共ヘルスケアでは、「ロキソニン解熱鎮痛薬シリーズ」として、悩み別に使い分けることができる5つの解熱鎮痛薬をラインアップしている。数多くの鎮痛薬が販売されている中で、「ロキソニン」が注目を集める理由はどこにあるのか。それは、同社独自成分であるロキソプロフェンナトリウム水和物を主成分として配合していることだ。この成分は、短時間で血中に移行する特長と、痛みや発熱に対する優れた効き目に加え、服用時の胃への負担が少ないことが大きな特長となっている。
では、ロキソプロフェンナトリウム水和物を含む「ロキソニン解熱鎮痛薬シリーズ」はどのように作られているのだろうか。加茂氏は、その手順について、「まず薬の候補となる成分の組み合わせを選定し、成分に見合った製造方法や添加剤を見出す。次に造粒機で、粉末の原料を加工で扱いやすいように均一な粒状にし、打錠機で粉を錠剤の形にしていく。臼と杵を高速で回転させながら動かし、非常に強い圧力で粉を圧縮し、錠剤の形に固める作業となる。最後にコーティング機を使って、薬の周りに崩れないように薄いフィルム状のコーティングをかけていく(「ロキソニンS」「同 クイック」(いずれも第1類医薬品)を除く)」と、実際に機器を操作しながら説明。
「これで薬を作る過程は一旦終了で、この後は製品化するための品質の試験を行う。製薬に携わるときはいつも薬を必要としている人たちや、具体的な症状や状況を思い浮かべながら取り組んでいる」という。関氏も、「薬を飲む人のことを考えて、その人が飲みやすいような薬や、使いやすさにもこだわって作ることを心がけている」と、生活者に寄り添いながら製品開発に取り組んでいると強調していた。
しかし、市販の鎮痛薬に対して、「胃に負担がかかる」という印象を持つ人も多くいるのが実状だ。この点について関氏は、「『ロキソニン』の主成分であるロキソプロフェンナトリウム水和物は、プロドラッグといって体内で代謝されて構造が変化してから活性化するように設計されている。口から体内に入り胃を通過し、腸に到達するまでは胃粘膜を刺激しにくい未変化体の構造なのだが、腸に到達して体内に吸収され、肝臓で代謝を受けることで本来の効果を発揮する活性型に変化する。このため、胃に与える影響は最小限にしながら、効果をしっかりと発揮できる」と、胃への負担が少ない構造になっていると解説してくれた。
「さらに『ロキソニンSプラス』には、制酸剤の酸化マグネシウム、『クイック』と『プレミアム』、『プレミアムファイン』(いずれも第1類医薬品)には、胃薬に配合されるメタケイ酸アルミン酸マグネシウムを配合している。どちらも胃にやさしい成分となっている」と話すと、関氏は赤色の液体の入ったビーカーを用意。「このビーカーには、酸性で赤く発色する試験液を混ぜた、酸性の液体が入っている。胃の中でいうと、胃酸が多く分泌され酸性度が高くなり、胃粘膜への負担が強くなっている状態」とのこと。
「ここに酸化マグネシウムを入れると、黄色に変化する。これは酸が中和されたことを表し、胃の中でいうと、出過ぎた胃酸を中和することで胃粘膜への負担が緩和された状態となる」と解説してくれた。この実験を通して、「ロキソニン解熱鎮痛薬シリーズ」が胃への負担を減らすために工夫されていることが理解できた。
また、受験を控える学生からは、試験当日に頭痛や風邪気味になったとき、すぐに効いてくれるのかという不安の声も聞こえてくる。「ロキソニン解熱鎮痛薬シリーズ」は、本当に速やかに効果が現れるのだろうか。この疑問に対して加茂氏は、「『ロキソニン』に含まれるロキソプロフェンナトリウム水和物は短時間で血中に移行するため、効果が速やかに現れる特長のある成分。また『ロキソニンSクイック』(第1類医薬品)は、ロキソニン解熱鎮痛薬シリーズで錠剤が最もすばやく崩れる設計になっている」と回答。
これは、同社独自の“クイックブレイク製法”という技術とのこと。錠剤内部への水の浸透を促進することで、錠剤がすばやく崩壊する。2種類の錠剤を同じ時間、水につけて比較すると、その違いは一目瞭然だ。加茂は、「『ロキソニンSクイック』(第1類医薬品)には眠くなる成分(鎮静成分等)を配合していないので、受験生にもおすすめ。痛みに負けず、受験がうまくいくことを願っている」と、「ロキソニン」は受験生の強い味方なのだとアピールした。
最後に、「ロキソニン」の研究開発に余念がない二人に、将来の展望を聞くと、関氏は、「ものづくりでたくさんの人を幸せにしたい。生活をしている中で気づいていない、当たり前だと思って見過ごしているような不調や不便さを、製剤研究を通じて一つでも多く解消していって、一人でも多くの人を笑顔にできたらいいなと思っている」と力強く語った。
加茂氏は、「10年先、20年先に何が必要とされるかというところにも目を向けて研究を進めていて、生活者がまだ気づいていない新しい価値を見出していきたい。また、当たり前の価値を適切に世の中に送り出していくことにも意義を感じている。いい薬をいい技術で世の中に送り届けて、それを手にした生活者の人たちに喜んでもらえる。そしてそれがまたモチベーションにつながり、さらに新しい価値の創出につながっていく。そういった循環を描けるような研究所になっていければ、すごく面白いかなと思っている」と目を輝かせていた。
ロキソニンブランドでは現在、「ロキソニン解熱鎮痛薬シリーズ」として、優れた解熱鎮痛効果を持つロキソプロフェンナトリウム水和物を医療用と同量配合した「ロキソニンS」、胃にやさしい成分も配合した「ロキソニンSプラス」、シリーズ内最短の錠剤崩壊時間を実現した「ロキソニンSクイック」、頭痛への高い効果を追求した「ロキソニンSプレミアム」、つらい生理痛のメカニズムを考えた「ロキソニンSプレミアムファイン」(いずれも〔第1類医薬品〕)の5製品を展開している。
そして、今年3月には、ロキソニンブランド初のかぜ薬である「ロキソニン総合かぜ薬」(要指導医薬品)を発売し、生活者のニーズに応じてラインアップを広げている。「ロキソニン総合かぜ薬」は、ロキソニンブランドが大切にする効果の高さを追求して設計されている。主成分のロキソプロフェンナトリウム水和物を中心に5種の有効成分(解熱鎮痛成分:ロキソプロフェンナトリウム水和物、鎮咳成分:ジヒドロコデインリン酸塩、気管支拡張成分:dl-メチルエフェドリン塩酸塩、去痰成分:ブロムヘキシン塩酸塩、抗ヒスタミン成分:クレマスチンフマル酸塩)をバランスよく配合することで、のどの痛みや発熱をはじめ、せきや鼻づまりといった早く対処したいつらい風邪の11症状すべてに優れた効果を発揮するという。[PR]
※ロキソニン解熱鎮痛薬シリーズは、いずれも第1類医薬品です。これらの医薬品は、薬剤師から説明を受け、「使用上の注意」をよく読んでお使いください。アレルギー体質の方は、必ずご相談ください。
※「ロキソニン総合かぜ薬」は、要指導医薬品です。薬剤師から説明を受け、「使用上の注意」をよく読んでお使いください。アレルギー体質の方は、必ずご相談ください。
※「ロキソニン」は、第一三共株式会社の登録商標です。
第一三共ヘルスケア=https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/
「ロキソニン解熱鎮痛薬シリーズ」ブランドサイト=https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_loxonin-s/naifuku/
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