日本トリム、「電解水透析」をテーマにラウンドテーブル開催、糖尿病と透析の関係性や電解水透析の有益性について解説

東京ネフロクリニック院長の右田敏郎氏

日本トリムは、国連によって認定された糖尿病の啓発の日である11月14日「World Diabetes Day(WDD)」に合わせ、電解水素水を使用した次世代の透析治療「電解水透析」をテーマにしたラウンドテーブルを11月7日に開催した。電解水透析は、透析患者のQOL(生活の質)を改善できる次世代新規治療法として国内外から注目されており、現在では国内32の透析施設、計963床で導入されている(8月23日現在)。今回のラウンドテーブルでは、電解水透析を採用している東京ネフロクリニック院長の右田敏郎氏を招き、糖尿病と透析の関係性、および糖尿病のある透析患者への電解水透析の有益性などについて解説してもらった。

日本トリム MD室 室長の樺山繁氏

まず、糖尿病と電解水素水の関わりについて、日本トリム MD室 室長の樺山繁氏が説明した。「糖尿病は1型と2型の2種類があり、1型はインスリンの分泌が不全の状態、2型はインスリンの分泌が少ない、またはその働きが不十分なインスリン抵抗性の状態とされている。インスリン抵抗性が高くなると、血液中の糖を筋肉細胞に運ぶ能力が低下するため、血液中の糖の濃度が高い状態が続きやすくなる。また、肝臓からグルコース(糖)が産生され、血糖値が上昇する」と、糖尿病の病態について解説。「インスリン抵抗性は、生活習慣病が引き起こすメタボリックドミノの上流にある。しかし、インスリン抵抗性が高くなり、糖尿病が進行すると、透析や失明、脳卒中、心不全など重篤な疾患につながる恐れがある」と、糖尿病を予防することの重要性を訴えた。

「当社は東北大学との共同研究で、抗酸化性を持つ水素が含まれる電解水素水によるインスリン抵抗性改善効果検証のための臨床試験を実施した。この結果、2型糖尿病患者において、電解直後の電解水素水を3ヵ月にわたって日常飲用することで、インスリン抵抗性が改善されることを確認した。また、副作用はまったく観察されず、2型糖尿病患者でも安全に日常利用できるため、糖尿病治療の基本戦略の一つである食事療法に取り入れやすいことが示唆された」と、糖尿病専門英文誌「Diabetology International」で発表した電解水素水に関する論文の内容を紹介。「当社の電解水素水整水器は、水道に取り付けることができるので、毎日、蛇口をひねるだけで、抗酸化性のある電解水素水を簡単に飲用することができる。また、連続して1分間当たり3Lまで採水可能で、1Lあたり約8円(1日27L、5年間使用の場合、整水器、カートリッジ、水道代、電気代)とコストも安く、生活習慣に取り入れやすい」と、糖尿病予防に向けた選択肢の一つとして電解水素水の習慣化を推進していく考えを示した。

東京ネフロクリニック院長の右田敏郎氏

続いて、東京ネフロクリニック院長の右田氏が、電解水透析の概要および同クリニックでの導入状況について解説した。「糖尿病は全身の血管に傷害を与え、動脈硬化や細小血管障害・代謝障害を引き起こす。そして、糖尿病の三大合併症とされている『神経障害』『網膜症』『腎症』のリスクが高まる。糖尿病になると、血液中に増えたブドウ糖で血管内皮細胞が傷害されて活性酸素が発生し、周囲の細胞に酸化ストレスを与える。『腎症』では、腎臓で血液のろ過装置を担う糸球体が活性酸素によって傷害され、ろ過ができなくなり、悪化すると腎不全に至る」と、糖尿病は腎不全へとつながる引き金になっているのだと力説する。「腎不全になると血液透析が必要になる。血液透析は、血液のろ過と水分除去を同時に行う治療法で、日本では現在約35万人の患者が透析治療を受けている。透析の年間医療費は1兆6000億円とされ、国民医療費の4%となっている。そして、血液透析になる最大の原因は糖尿病であり、全体の4割を占めている」と、血液透析の現状についても言及した。

「血液透析の大きな課題としては、ダイアライザー(人工腎臓)において活性酸素が発生する点が挙げられる。これによって、患者の血管や細胞に酸化ストレスを与え、全身の倦怠感を引き起こすことになる。特に、糖尿病のある透析患者は、酸化ストレスが最も多いという研究データも出されている」と、血液透析の課題を指摘する。「そこで当院では、2023年4月から、日本トリムの電解水透析を導入した。電解水透析は、電解水素水を透析液として利用した透析法で、水素分子を含む電解水素水が、血液中の活性酸素を無害化する。電解水透析は通常の透析に比べて、生命予後を改善するという研究データがあるほか、倦怠感の改善やそう痒感の低下、高血圧の改善といった効果も確認されている」と、電解水透析は透析患者のQOL改善に期待できると訴えた。

「当院では、糖尿病のある透析患者16名について、電解水透析導入後の血糖値の変動を調査した。通常の透析から電解水透析に変更してから1年後、血糖値が減少した患者は8名、増加した患者は3名、変化なしは5名となった。この結果から、電解水透析は糖尿病のある患者の血糖を下げる傾向があることが示唆された」と、活性酸素を除去できる電解水透析は、特に糖尿病を持つ透析患者に有益である可能性が高いとの見解を示した。

日本トリム=https://www.nihon-trim.co.jp/


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