モデルナ、新型コロナウイルス感染症と新型コロナワクチンに対する意識調査、日本のワクチンの接種意向はアジアの5市場で最低に

Moderna Inc.(以下、モデルナ)の日本法人であるモデルナ・ジャパンは、日本を含むアジア太平洋地域の5市場(シンガポール、台湾、香港、韓国、日本)において、9月13日から10月9日まで、新型コロナウイルス感染症と新型コロナワクチンに対するモデルナが実施した意識調査の結果を発表した。調査結果によると、日本は、新型コロナワクチンの接種意向、新型コロナとインフルエンザのワクチンを同時接種意向ともに調査を実施したアジア5市場で最も低い結果となった。

日本は、新型コロナワクチンの接種意向が5市場で最も低く、「接種する」と回答したのは28.5%、「しない」と回答したのは41.3%だった。調査を実施したアジア5市場の平均は45.3%、最も接種意向が高かったシンガポールは約60%だった。

日本は、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザのワクチンを同時に接種する意向についても最も低く、「同時に接種する」と回答した人が13.3%だった。アジア5市場平均は32.9%、最も高い香港は46.5%だった。

過去12ヵ月で、新型コロナワクチンを接種した人は13.6%と最も低く、5市場平均は22.2%だった。新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンの両方を接種した人もAPAC中最低の11.2%、アジア5市場平均は18.5%。両方を接種した人が最も多かったのは台湾の23.3%だった。

過去12ヵ月で、新型コロナワクチンもインフルエンザワクチンのどちらも接種をしていないと回答した人は58.4%と、日本が最も多かった。アジア5市場平均が40.8%、最も少ない台湾は31.6%だった。

60代以上の高齢者においても、44.9%が新型コロナワクチンもインフルエンザワクチンのどちらも接種をしていないと回答した。

接種意向がない理由について、「副反応が⼼配」「新しい変異株に対応したワクチンは効果がない」が多く、「接種費用」を上回った。新型コロナ、インフルエンザ、RSウイルス、肺炎球菌の各ワクチン接種を重要と考えるかについて質問したところ、インフルエンザワクチンを重要と答えた人が最も多く、次に新型コロナワクチンが続いた。この傾向はどのアジア5市場でも同じだった。

新型コロナ、インフルエンザ、RSウイルス、肺炎球菌の各ワクチン接種を「どれも重要ではない」と回答した人は、日本が37.3%と最も多く、他市場に比べて18ポイント以上高かった。

新型コロナワクチンを接種する動機について、「ワクチン効果についての情報が得られた時」「安全性について保証が得られる時」「流行についての報道を見聞きした時」の項目を上げて尋ねたところ、日本は「新型コロナワクチンを接種する動機となる項目が一つもない」と答えた人が最も多かった。

新型コロナウイルス感染症とインフルエンザのリスクに対する認識について、新型コロナウイルス感染症はインフルエンザに比べて重症化率や入院率が高いが、新型コロナウイルス感染症はインフルエンザと比較して脅威度が過小評価されていた。

新型コロナウイルス感染症の重症化リスクはインフルエンザに比べて高いにもかかわらず、ワクチンの接種意向が低いという現状について、日本感染症学会、日本呼吸器学会、日本ワクチン学会は10月16日、「COVID-19の高齢者における重症化・死亡リスクはインフルエンザ以上であり、今冬の流行に備 えて、10月から始まった新型コロナワクチンの定期接種を強く推奨」との声明を発表、接種意向が低く接種が進んでいない現状に警鐘を鳴らしている。今回の調査では、日本人の接種意向が調査を実施したアジア市場の中でも低いことが、あらためて浮き彫りになった。

モデルナ・ジャパンのカントリーメディカルディレクターで呼吸器内科医の石井健男はAPACの調査結果について、「日本はアジア5市場の中でも接種意向が低い結果となった。新型コロナウイルス感染症は、特に高齢者では、インフルエンザに比べて重症化リスクが高く、死亡率も高くなっている。毎年、夏と冬に感染流行のピークが来ており、今年の冬も大きな流行が予測される。高齢者や基礎疾患のある人は罹患すると重症化リスクも高いので、インフルエンザワクチンと合わせて新たな変異株に対応した新型コロナワクチンの接種を受けることについて最寄りの医療機関に相談してもらいたい」と述べている。

新型コロナワクチン接種は、今年4月から全額公費による無料接種から有料の任意接種に変更となり、60歳64歳の基礎疾患のある人と65歳以上の人を対象に、重症化予防を目的とした自治体による定期接種(一部自己負担)が10月から行われ、定期接種対象の人の負担額は、自治体によって異なる(任意接種の人は基本全額自己負担)。

モデルナは、8月23日にオミクロン株(JN.1)に対応する「スパイクバックス筋注」の承認を厚生労働省から取得した。モデルナは、新型コロナワクチン接種を希望する人が医療機関で接種を受けられるように、コ・プロモーション契約を締結している田辺三菱製薬とともに、万全の体制でワクチンを供給していく考え。

[調査概要]
調査対象:18歳以上の男女5032人(シンガポール n=1001、香港 n=1000、台湾 n=1000、韓国 n=1003、日本 n=1028)
調査地域:シンガポール、香港、台湾、韓国、日本
調査方法:インターネットリサーチ
調査時期:9月13日~10月9日 

モデルナ・ジャパン=https://www.modernatx.com/ja-JP


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