第一三共ヘルスケア、がん治療中の肌ケアに関する意識調査、肌ケア効果を実感した人の約8割がポジティブな心境に

第一三共ヘルスケアは、現在または過去にがん罹患経験のある働く女性を対象に「がん治療中の肌ケアに関する意識調査」を実施した。調査の結果、がんの治療中に「肌ケア」を行って効果を実感した人の約8割が「前向きになれた」などポジティブな心境の変化があったことがわかった。また、治療による外見変化に約6割が不安を感じる中、対策したい人のうち約6割が「どの情報が自分に適しているかわからなかった」と回答した。この結果を受けて、アピアランス・サポート東京 アピアランス・サポート相談室 室長の村橋紀有子氏に、「がん患者における肌ケアの重要性」について聞いた。

2人に1人ががんになる今日、治療と仕事の両立が課題となる20~50代でも多くの人が、がんを経験している。特に30・40代では、男性よりも女性においてがん罹患者数が多くみられる(出典元:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録))。そうした中、がん治療では皮膚トラブルが生じたり、バリア機能が低下したりすることから、多くの人が肌の悩みを抱えている状況にある。そこで、今回の調査では、がんにおける「肌ケア」の実情と効果を確認した。

がん治療(薬物療法の副作用等)でつらかった症状を聞いたところ、全体の約5人に1人が「肌トラブル(シミ・くすみ、乾燥、ニキビ等)」と回答した。次に、がんの治療によって起こった外見の変化について聞いたところ、「外見の変化による不安」について「不安に感じた」と答えた人が約6割を占めた。また、がん治療でつらかった症状で「肌トラブル」と回答した人に、それによる心境の変化についても聞いたところ、「他人の視線が気になった」人が約半数と最も多く、「なにか対策をしたいと感じた」人が約4割となった。

さらに「なにか対策をしたいと感じた」と回答した人のうち、「情報は見つかったけれど、どれが自分に適しているか分からなかった」人が約6割、「情報は見つかったけれど、どれを信じていいか分からなかった」人が4割以上にのぼることから、がんの治療に際して多くの人が「肌ケア」の正しい情報を求め探している実情がうかがえる。

がんの治療中に肌ケアを行っていた人は約7割おり、肌ケアを行っていた人のうち、治療中に発生した肌トラブルに対するケア目的は「乾燥」が約半数と、最も多い結果となった。また、「肌荒れ」のほか「シミ・くすみ」も3割台となるなど、外見上の悩みも見られた。肌ケアを行った結果、約6割がその効果を「実感できた」(実感した+どちらかというと実感した)と回答した。

肌ケアを行った結果、その効果を「実感した」(実感した+どちらかというと実感した)と回答した人のうち、約8割が「前向きになった」や「QOLが向上した」など、心境への変化があり、中でも「人とのコミュニケーションに前向きになれた」が最も多い回答となり、「治療に前向きに取り組めた」と「QOLが向上した」が続いた。

今回の調査結果を踏まえて、抗がん剤などの化学療法によって起こる脱毛やその他外見変化に悩む人々の苦痛を軽減する支援を行うアピアランス・サポート東京 アピアランス・サポート相談室 室長の村橋紀有子氏に、がん患者における「肌ケア」の重要性について解説してもらった。

アピアランス・サポート東京 アピアランス・サポート相談室 室長の村橋紀有子氏

「アピアランス・ケアにおいて多くの患者が悩むのは、外見の変化が目に見える脱毛の問題。治療の後半に近づくにつれ、肌の変化も徐々に現れてくるが、多くの人が脱毛に気を取られ、肌ケアへの意識が後回しになっているのが現状である」と、がん治療中の「肌ケア」の実情を説明する。

「がん治療によって全身の乾燥が進むため、『肌ケア』では保清・保湿・保護の3つを意識することが重要。治療中はバリア機能が低下し、肌トラブルが起こりやすくなる傾向にあるため、通常のケアに加え、保湿や保護を強化したケアが必要となる。保湿成分の高い入浴剤を使用することや、家事の際に手袋をする、また、治療中の日焼けは肌へのダメージを大きくするため、できるだけ日焼けを防ぐ対策をするよう勧めている。例えば、子どもの送り迎えや洗濯物を干す際など、日常のちょっとした場面でも注意してほしい。肌を清潔に保ち、保湿で肌のバリア機能を整え、外部刺激を防ぐことは、治療中の生活において非常に重要となる」と、「肌ケア」の3つのポイントを教えてくれた。

「自分をいたわる時間を持つことも大切。がん治療を受けている中で肌ケアの方法を身につけ、それを日常的な習慣にすることは、QOL(生活の質)の向上につながる。外見が変わることで自信をなくしたり、生活を送る上で苦痛を抱えたりすることも少なくない。肌ケアを通じて自身を大切にすることで、治療中だけでなく、これからの生活にも良い影響を与えると考えられる」と、「肌ケア」習慣はがん患者のQOL向上につながるのだと訴える。

「『肌ケア』は外見を整えることにとどまらず、自分自身を癒し、心に安らぎを与える貴重な時間になる。このひとときを大事にしながら、自分らしい暮らしを心がけてほしいと思っている。治療中の時間もかけがえのないもの。ぜひ、肌ケアを日々の習慣に取り入れ、自分をいたわりながら、少しでも穏やかで心地よい時間を過ごしてほしい」と、がん治療による肌トラブルに悩む人々に向けてメッセージを送ってくれた。

[「がん治療中の肌ケアに関する意識調査」概要]
実施期間:2024年12月6日(金)~12月8日(日)
実施方法:インターネット調査
調査機関:マクロミル
調査対象:全国20~50代の働いている期間にがんに罹患していた女性516人
※有職者の人口動向(令和2年国勢調査結果を使用)に合わせた回収に基づく出現率でウェイトバック集計を実施

第一三共ヘルスケア=https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/


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