- Health&Medical2025/01/29 20:15
第一三共ヘルスケア、広尾学園で「みんなの生理痛プロジェクト for TEEN」による「生理痛について“学び・考える授業”」を開催
第一三共ヘルスケアは、解熱鎮痛薬ブランド「ロキソニン」(OTC医薬品)における「みんなの生理痛プロジェクト for TEEN」の取り組みとして、中高生向けセミナー・ワークショップ「生理痛について“学び・考える授業”」を1月25日に東京・港区の広尾学園で開催した。「生理痛について“学び・考える授業”」では、痛みに悩む生徒が「我慢せずに自分にあった対処法を選択することの大切さ」を学ぶだけでなく、みんなで「痛みに悩む人に思いやりを持って接するために必要なこと」を考える機会を通じて、生理痛と向き合うきっかけをつくることを目的にセミナー・ワークショップを行った。
1月25日に、プロジェクトの趣旨に賛同した広尾学園で、中高生向けセミナー・ワークショップを開催し、計26名が参加した。当日は、産婦人科医・高尾美穂先生から生理・生理痛のメカニズムや生理痛の対処法などをレクチャーした後、広尾学園の生徒たちによる進行のもと、同学園で生徒を対象に実施したアンケート結果を基に、体調不良の人がいたら何ができるかを考えるワークショップを実施した。
まず、第一三共ヘルスケア ブランド推進本部 広告宣伝グループ 鈴木佳那子氏が、プロジェクトの主旨や「生理痛について“学び・考える授業”」を開催するに至った経緯などについて説明した。「痛みは目に見えないものだが、なんとなく想像できるものも少なくない。そんな痛みの一つ生理痛は、痛みの程度や種類が違ったり、性別によって経験することがない痛みだからこそ想像することが特に難しいとされている。だからこそ学んで考える機会が重要だと考える」と、セミナー・ワークショップを開催するに至った経緯について紹介する。「当社が2022年7月に20歳~50歳女性を対象としたインターネットによる調査では、1年以内に生理痛を経験したことがある女性は73.1%に達した。また、生理痛について、つらい症状を感じた経験がある人は、約3人に1人(34.4%)であることがわかった」と、日常生活に支障をきたすほどを痛みを感じたことがある人が3割以上いると訴える。「生理痛の時に我慢したことがある人は91.7%に達し、我慢している理由は、これまで我慢してきたや、我慢するのが当たり前だと思うという意見だけでなく、周りが我慢している、我慢するようにいわれたといった声も多く見られたことから、当事者だけでなく、周囲を含めた社会全体の理解促進が必要であると考えた」と、生理痛の我慢の実態も明らかになったと解説する。
「こうした調査結果を受けて、生理痛と正しく向き合える社会を目指すべく、2023年3月に『みんなの生理プロジェクト』を発足した。プロジェクトでは生理痛や対処法についてのコンテンツ発信の他、生理・生理痛について学び・考えるワークショップを開始。高校生に向けた生理痛授業の実施や、生理・生理痛保健教材の配布などを行っている」と、10代世代の人々が、なるべく早いタイミングで生理痛について学び・考えるための取り組みを強化。特に、15歳以上の高校生を中心に情報を届けていると説明する。「15歳以上の高校生を対象にしている背景には、15歳以上は市販薬にとって成人年齢とみなされ、薬を代謝するための内臓機能が大人並になる目安の年齢であるため」と、市販薬の世界では15歳以上を成人と規定しているのだと教えてくれた。
「2023年に15歳~18歳の生理経験のある女子高生を対象に行ったアンケートでは、学校生活に悪い影響を与えたと感じた時、その症状を我慢したことかあるかと聞いたところ、96.7%があると回答。お腹が痛くなっても保健室に行けないや、単位を取らなければいけないため、休めなくて学校まで親に送ってもらった、通学中に吐き気とめまいがしたといった意見も挙がっていた」と、多くの女子高生が生理痛の痛みを我慢したことがあるという。「また、学校内で生理や生理痛に関して困った時、担任の先生や保健室の先生など、大人の誰かに相談しやすい環境だと思うかという質問では、そう思わない(20.0%)、あまりそう思わない(27.2%)が約半数近くを占めた。そして、生理痛に関して誰かに相談したことはあるかとの問いについて、同性の家族が最も高く、保健の先生や同性の学校の先生は下位に沈んだ」と、学校内で痛みが発生しても、先生などに相談しづらいと考える生徒が大部分を占める。
「そのため、今日のセミナー・ワークショップでは、痛みのしくみや、その対処法について学ぶことで、我慢する以外の選択肢を知り、この先の自分をより快適に過ごすためのヒントにしてほしい」と、生徒たちに呼びかける。「生理痛について学び、考える機会を通じて、目に見えない痛みで悩む人がいるかもしれない。自分とは違う痛みを感じている人がいるかもしれないということを想像するきっかけにしてほしい」と、今回のセミナー・ワークショップで多くのことを学び、考えてほしいと訴えた。
この後、広尾学園の生徒3名がファシリテーターを務め、セミナー・ワークショップがスタートした。まず、クイズ形式から生理について学ぶべく、合計で2問の〇×問題が出題された。問題は、生理は毎月同じ日に始まるのかどうかや、生理痛で鎮痛薬を何度も飲むと薬が効かなくなるのかを聞いた。答えはいずれも×で、参加した生徒の大部分が2問とも正解していた。
そして、産婦人科医・医学博士・産業医、女性のための総合ヘルスクリニック「イーク表参道」副院長の高尾美穂先生が生理・生理痛のメカニズムや、月経困難症の症状、生理痛の対処法について講義を行った。講演では、生理の仕組みや、生理の期間と経血量、生理周期と女性の1ヵ月、女性ホルモンの分泌の変化と月経周期について解説したほか、月経前症候群(PMS)、月経困難症、子宮内膜症、子宮筋腫などの病気についても深く説明してくれた。さらに、生理痛の対処法として市販の解熱鎮痛薬を活用することのメリットや飲み過ぎによって効きづらくなることはないといったことなど、高校生たちが疑問に思っていることについて的確にアドバイスしていた。
この後の質疑応答では、生理痛でお腹ではなく肩が痛くなる理由について質問する生徒や、低用量ピルで生理痛を和らげることのデメリットなどについて質問が飛んだ。こうした質問について、高尾先生は丁寧に、なぜ痛くなるのか、そのメカニズムや対処法、低用量ピルを使うことのメリットと低用量ピルを使わなくなると生理痛がまだ発生してしまう恐れがある点などを説明した。
最後に、高尾先生は「調子が悪いということは女性に限った話ではなく、男性にも生じる。身近な人が調子が悪そうにしている時に、どのようなアクションをすればよいかということも今回のセミナー・ワークショップをきっかけに考えてもらえるとうれしい。調子が悪くなる理由を知ることで、どのようなアクションをすればよいかという判断がよりスムーズになっていくと感じている」と、生理痛に限らず、不調を訴える人に対して、気遣う気持ちを持ってほしいと述べていた。
[開催概要]
名称:みんなの生理痛プロジェクト「生理痛について“学び・考える授業”」
日時:1月25日(土)13:25~15:05
場所:広尾学園(東京都港区南麻布5丁目1-14)
講師:婦人科医・医学博士・産業医、女性のための総合ヘルスクリニック「イーク表参道」副院長の高尾美穂先生
受講者:広尾学園 中高生 26名
第一三共ヘルスケア=https://www.daiichisankyo-hc.co.jp