- Health&Medical2025/01/30 22:16
アデランス、医療用ウィッグに関するプレスセミナー開催、5年ぶりに男性向け医療用ウィッグの新商品を発売
アデランスは、世界中のひとりひとりが、がんに関する意識を高め、知識を増やし、がんに対して行動を起こすことを目的として取り組みを行う日である2月4日のワールドキャンサーデーに共感し、医療用ウィッグに関するプレスセミナーを1月28日に開催した。セミナーでは、医療用ウィッグの最新概況や病院内ヘアサロン「こもれび」の展開について紹介すると共に、5年ぶりとなる男性向け医療用レディメイド・ウィッグの新商品を発表。着用したウィッグを自然に馴染むようにカットするデモンストレーションを実演で披露した。
「日本におけるがんの罹患者数は年々増加している一方で、がんの5年相対生存数も増加傾向にある。これにともない、医療用ウィッグの認知度およびニーズも高まってきている。がんの早期発見・早期治療によって、20代・30代の若年層の使用が増加していることに加え、患者のQOL向上の観点から医師が医療用ウィッグの使用を勧めることも多く、市場が拡大している」と、アデランス 医療事業部の春原正俊氏が医療用ウィッグの市場動向を説明。「当社病院内ヘアサロンでは、特に男性のニーズが高まっており、2023年の男性向け医療用ウィッグの販売件数は、2015年比で2.4倍に拡大し、過去最多となった。この背景には、自治体におけるウィッグ・胸部補正具等の助成制度が広がっていることが挙げられる。今まで、男性は医療用ウィッグを着けたくても我慢する人が多かったが、助成制度が後押しになって購入を検討する人が増えていると感じている」と、男性向け医療用ウィッグのニーズが急速に高まっていると強調した。
次に、同 パートナーズ事業部の井上美也子氏が、がんサバイバーとして自身の経験談を語った。「私は2015年に右胸の乳がんを全摘し、2022年には左胸の乳がんを全摘している。そして、抗がん剤終了から1年後の2023年に、腹部自家組織を使って両胸を再建した」と、乳がんの治療経緯を紹介。「抗がん剤による脱毛では、痛みやかゆみを感じることはなかったが、シャンプー時に毛が抜けていく感覚は不快で、今でも忘れられない。2度目の治療時には、脱毛後の頭皮ケアとして、当社のスカルプローション『メディα』を使用したところ、抗がん剤特有のシミが目立つこともなく、快適に過ごすことができた」と、脱毛時の頭皮ケアについて教えてくれた。「医療用ウィッグは、1度目の治療では今までの髪型にこだわりオーダーメイドを使用したが、2度目では既製品のレディメイド・ウィッグを使用して様々なスタイルを楽しんだ。医療用ウィッグによる外見ケアは、がん患者が生きるための治療に向き合うために、非常に重要であると感じている」と、がんサバイバーとして外見ケアの重要性を訴えた。
アデランスの医療用事業の取り組みについて、同 医療事業部の早川隆義氏が説明した。「当社の医療用ウィッグは、通気性と見た目の自然さにこだわっており、夏でも蒸れず頭皮をいたわる下地素材と、ふんわり立体感のある髪型を再現できる様々な毛材を使用している。また、使用中のサポートも重視し、カットやサイズ調整、アフターサービスなど、治療開始から終了後までの変化に対応するメンテナンスサービスを提供する。そして、患者や医療従事者の声を取り入れた商品開発を行っている」とのこと。「医療用ウィッグの商品ラインアップとしては、すぐにウィッグが欲しい人向けに既製品の『レディメイド・ウィッグ』を用意している。普段のヘアスタイルを再現したい人や細部までこだわりたい人には『オーダーメイド・ウィッグ』を提供する。この他に、オーダーメイドの自然さと機能性はそのままに納期が短いセミオーダー・ウィッグ『ラフラ クレアフィット』や、組み合わせを選べる2枚1組の『チームラフラ』、気になるところをカバーできる『部分ウィッグ』を展開している」と、患者の様々なニーズに応える医療用ウィッグを揃えているとアピールした。
「また、医療従事者からの“脱毛する患者の悩みを病院内でケアしてほしい”という声を受けて、病院内ヘアサロン『こもれび』を2002年に開設した。現在、全国に36店舗を展開している。これまで、患者から外見ケアに関する相談があった際、院内のどこの誰に相談したらよいのかわからないのが実状だった。『こもれび』では、医療接遇講習を受けたスタッフや、ピンクリボンアドバイザーの資格を取得したスタッフが院内で外見ケアに対応する。一般の理美容サービスの他、自社だけでなく他社のウィッグのカットやメンテナンスも行っている。さらに、眉やネイル、まつ毛など髪以外の相談も受けている」と、病院内ヘアサロン「こもれび」で患者の外見ケアに対応しているという。「『こもれび』は、患者の身体や体調に配慮した店内設備となっている。患者のプライバシー保護のため施術ブースはカーテンで仕切られており、移動式理美容椅子で施術中の負担をケアする。また、前向きでも使用可能なシャンプー台を設置している」と、患者が気軽に利用できるヘアサロンになっていると話していた。
そして、男性向け医療用レディメイド・ウィッグの新商品を5年ぶりに発売することを発表した。早川氏は、「ここ数年で、男性からの医療用ウィッグのニーズが急速に高まってきた。医療従事者からも『手軽に、手早く医療用ウィッグを購入したいという男性が増えてきている』との問い合わせを受けていたことから、今回、5年ぶりに男性向けの医療用レディメイド・ウィッグを開発し、2月下旬から発売する」と、新商品を発売するに至る経緯を語る。「新商品は、20代から70代まで幅広い年齢層をカバーする商品となっており、医療用ウィッグだけでなく、終活のアイテムとしても利用できる。“患者の負担を減らす”ため、短時間で似合わせ・調整が可能で、30~40代の子育て世代向けにも手が届きやすいよう低価格で提供する。軽くてソフトな着け心地を実現し、カラーは3色を展開。若年層用に明るい色を増やし、白髪は部位ごとに白さの違うグラデーションカラーを採用している」と、新商品の特徴について紹介した。
この後、実際に新商品を着用してもらい、ウィッグのカット調整を行うデモンストレーションを実演で披露した。カットを担当した早川氏は、ショートソフトカールスタイルの新商品をベースに、モデルの顔立ちに自然に馴染むヘアスタイルに仕上げていた。
[小売価格]9万9000円(税込)
[発売日]
RH01 F2B:2月下旬
RH01 F4:3月下旬
RH01 W15G:3月下旬