GfKジャパン、家電量販店における2023年1~8月期のエアコン販売動向、高需要の反動で前年を下回る

GfK Japanは、家電量販店における2023年1~8月期のエアコン(セパレート型エアコン)販売動向を発表した(全国の家電量販店約4000店の販売実績を集計した調査に基づく)。その結果、2023年1~8月におけるエアコン販売台数は、平年比13%減、前年比8%減と振るわなかった。ただし、猛暑となった7~8月の数量前年比は24%増、北海道・東北地区では前年の2倍を記録した。エアコン販売は早期購入の傾向にあり、3年連続で5月の販売が8月を上回った。

気象庁によると、6~8月の平均気温は1898年の統計開始以来最も高くなった。猛暑という状況下であれば、暑さ対策としてエアコンは売れる傾向にあるが、今年8月までの累計販売台数は過去10年の平均比で13%減、前年比でも8%減と振るわなかった。

その背景には、過去数年の高需要の反動や定額給付金による前倒し購入の影響が考えられる。2018年~20年にかけて起こった猛暑、消費増税前の駆け込み需要、コロナ禍の特別定額給付金など、エアコン市場においてはここ数年追い風となる事象が続いた。これによって家庭用エアコンの買い替えが進み、ある程度一巡した状態にあると推測される。また、昨年は4~6月の高気温で春先の販売が好調に推移した。これらの反動が今年のエアコン市場には起きていると考えられる。

一方で、猛暑となった7~8月は、前年比24%増となった。昨年同時期の販売が低調だったこともあり、7月は数量前年比28%増、8月は同18%増と前年を上回った。しかし、各月とも平年の販売には及ばず、上半期の落ち込みをカバーするには至らなかった。上述した需要一巡の影響が出ていると考えられる。

7~8月の動向を地区別でみると、特に北海道・東北地区での伸びが顕著で、前年2倍の販売数を記録した。同地区が全国に占める販売数量比率は前年は約5%だったが、今年は8%まで伸長した。北海道では7月末から40日連続で35℃以上の真夏日となり、8月後半には観測史上初めて道内全域で熱中症警戒アラートが発表されるなど、異例の暑さとなったことが影響した。

【購入タイミングは長期的に変化、早期購入の傾向が強まる】

各月の販売状況をみると、長期的には早期購入の傾向が顕著になっている。かつては7月、6月、8月の順で販売が多かった。しかし、今年を含めここ3年は5月の販売が8月を上回っており、5~7月の販売比重が年々高まっていることがわかる。また、今年4月の販売は平年(過去10年の平均値)を上回った。政府や工業会から早めの試運転を推奨されていることや、5月でも真夏日が増えてきたことにより、春先からエアコン購入に動く層が増えていることがうかがえる。

今年の販売は反動減が響き低い水準にとどまったが、暑さ対策、熱中症予防としてエアコンは既に生活必需品となっている。今後定期的な点検・メンテナンスはより重要となり、それらがきっかけとなって買い替えに結びついていくことも期待できるだろう。

ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン=https://www.gfk.com/ja/home


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