値上がりに関する意識調査、2022年に続き「値上がりを感じた」人は約8割超に、若年層とシニア層では値上がりの感じ方に違いも

生活者の“健康と暮らし”に関する情報を発信するポータルサイト「マイライフニュース」を運営するヒューマン・データ・ラボラトリは、商品やサービスの値上がりについて、生活者の意識を探るため、全国の男女541名を対象にアンケート調査を実施した(2023年12月18日~25日)。その結果、2023年は商品やサービスの「値上がりを感じた」と81.3%が回答した。また、年齢が上がるほど値上がりを感じる割合も高まる傾向にあり、値上がりへの対策は「余分な買い物を控える」など節約志向が主流だった。

2022年2月にロシアによるウクライナ侵攻が始まった当初は、エネルギー価格の急上昇が目立っていたが、現在は、物流費・資材費の高騰や円安の進行等による食料品の値上がりが物価高の主な要因となっている。株価上昇を背景に、ブランド品や高額マンションが売れている一方で、多くの生活者は、食料品の買う量を減らしたり、スーパーの特売日に買いだめをしたりする傾向も強まりつつある。そこで、2022年に続き、2023年の値上がりについて、生活者がどのように感じているのか意識調査を行った。

2023年も2022年の調査と同様に約8割以上(「非常に値上がりを感じた」+「やや値上がりを感じた」)が、前年に比べて商品やサービスの値上がりを感じていたことがわかった。2022年から原材料価格やエネルギー価格、物流費の高騰を受け、食品やサービス、電気・ガスなど幅広い分野で値上げが続いている。2023年は、2022年に値上がりした商品やサービスを再度値上げする動きもみられたことから、多くの人が値上がりを感じたものと考えられる。

商品やサービスの値上がりについて男女で比較すると、値上がりを感じた(「非常に値上がりを感じた」+「やや値上がりを感じた」)との回答は男性が77.1%、女性が85.7%と女性の方がより値上がりを実感した1年であることがわかった。家族のために日々の家計をやりくりしている女性も多いことから、様々な商品の価格変動を敏感にキャッチしているのかもしれない。

商品やサービスの値上がりについて年齢で比較すると、値上がりを感じた(「非常に値上がりを感じた」+「やや値上がりを感じた」)との回答は、年を重ねれば重ねるほど高くなり、「60歳以上」が91.0%、「50歳~59歳」が83.7%、「40歳~49歳」が86.4%となった。一方、「20歳~29歳」は75.0%、「30歳~39歳」は71.3%と80%を割り込んだ。特に「20歳~29歳」は「非常に値上がりを感じた」が28.1%と全年代と比較しても一番低く、大きく物価が上昇したと感じた人は少なかったものと思われる。

値上がりを感じた(「非常に値上がりを感じた」+「やや値上がりを感じた」)と回答した人に、2023年に最も値上がりを実感した商品やサービスを聞いたところ、「食品・食材」が60.5%と他の商品やサービスを圧倒した。帝国データバンクの「食品主要195社」価格改定動向調査 2023年12月によると、2023年通年の値上げ品目数は累計で3万2395品目、1回当たりの値上げ率平均は15%となり、2022年の水準(2万5768品目・同14%)を上回る記録的な値上げラッシュの1年となったことを裏付ける結果となった。2位以下は、「電気・水道・ガスなどの光熱費」(9.1%)、「外食費」(8.6%)、「自動車やガソリン代」(8.0%)が続いている。

値上がりを感じた(「非常に値上がりを感じた」+「やや値上がりを感じた」)と回答した人に、2023年に行った値上がり対策について聞くと、「余分な買い物を控えた」が47.7%、「お買い得品を選ぶようになった」が38.9%と節約志向で値上げに対応したことがうかがえる結果となった。2024年に値上げが予定されている品目数は、2023年の8割減の水準にとどまるとみられている。しかし、オリーブオイルやゴマ製品など原材料、だし製品やケチャップなど調味料、冷凍食品などを中心に累計1596品目が値上げを予定(帝国データバンクの「食品主要195社」価格改定動向調査 2023年12月から)しているだけに、消費者の財布の紐は今年も緩みそうにないと推察される。

また今回、2022年に比べて2023年の所得は増えたかを聞いたところ、「増えた」と回答した人は31.6%(「非常に増えた」+「やや増えた」)にとどまり、「変わらない」が41.0%、減ったとの回答は27.3%となった。「減った」「変わらない」が過半数以上を占めることから、今年も多くの人が節約生活を余儀なくされるものとみられる。

所得の増減について、年代別に見てみると、年齢が若くなるほど、所得が増えたと回答していた。 特に「20歳~29歳」では、「増えた」(「非常に増えた」+「やや増えた」)と回答した人が5割にまで達している。この点からも、値上がりを感じている年代が若年層では低く、年齢が上がるにつれて値上がりを実感する割合が高まる傾向を裏付ける結果となった。

マイライフニュース編集長の長誠氏

今回の調査結果について、マイライフニュース編集長の長誠氏は、「2022年から引き続き2023年も商品やサービスの値上げを実感した人が8割を超えた。特に年齢が高くなるにつれて、値上げを実感する人の割合も高くなっている。最も値上がりを実感したものは『食品・食材』となった。また、値上がりへの対策は『余分な買い物は控える』など節約志向で財布の紐をきつく縛ることで対処したい人が多くみられた」と総括する。

「2024年の食品の値上げについて、帝国データバンクが2023年11月30日の時点で国内の食品メーカー各社の公表に基づき調査したところ、2024年1月から4月までに値上げが予定されている食品は、2023年の同じ時期と比べて大幅に少なくなる見通しであることがわかった。円安の長期化や物流費などの上昇が続くなか、2024年後半にかけても断続的な値上げが行われる可能性もあるだけに、消費者の財布の紐は依然としてきつく結ばれているものとみられ、個人消費の停滞感は今年も続くと思われる」と2024年の消費見通しを語る。

「消費行動を抑制させない手段として、消費者の所得が増えることで値上げをあまり感じさせないという方法があげられる。しかし、2023年に所得が増えたという人は約3割にとどまるなど、消費者の財布の紐を緩める状況には至っていないのが実状だ。特に、国民の約3人に1人が65歳以上の高齢者といわれる中で、所得が減ったという回答は60代が最多となった。年齢が高くなるにつれて消費行動は減少するとはいえ、『食品・食材』、『光熱費』などは、生活をしていく上で必要不可欠であり、これらによって家計が圧迫するようであれば、さらなる老後への不安が高まるものと思われる。それだけに、高齢者などの低所得者世帯には早急に何かしらの対策を講じる必要がありそうだ」と、個人消費の活性化に向けて、特に低所得者世帯への対策が急がれるとの見解を示した。【PR】

[調査概要]
調査名:生活の充実度調査2023
調査目的:コロナ禍の収束、物価高騰、急激な円安など社会環境が大きく変化する中で、生活者はどのような暮らしや生活ぶりに充実感を抱いているのか。2023年の生活充実度を調査する。
調査対象者:有効回答数 541件
 20歳~29歳「20代」 128件
 30歳~39歳「30代」 101件
 40歳~49歳「40代」 103件
 50歳~59歳「50代」 98件
 60歳以上 「60代」 111件
調査手法:インターネット調査
調査時期:2023年12月18日(月)~12月25日(月)

ヒューマン・データ・ラボラトリ=https://www.humandatalab.com/
マイライフニュース=http://www.mylifenews.net/


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