NiceEze、無人ストアを併設したAI宅配ボックス「スマロビ」を正式ローンチ、「プラザ勝どき」の実証実験で高評価

左から:NiceEze 代表取締役の松浦学氏、乾汽船 不動産管理部長の小河原孝能氏

AIとマーケティングの力でサステナブルなサプライチェーンの実現を目指すNiceEzeは、「物流の2024年問題」の解決を目的に、“宅配便の再配達ゼロ化”を実現する日本初(同社調べ)の販売機能を併設した“変形式”AI宅配ボックス「スマロビ」を6月17日に正式ローンチした。同日に行われた発表会では、「スマロビ」を開発した背景やサービスの概要について説明した他、今年5月に実証実験を実施した東京・勝どきのマンション「プラザ勝どき」で実機によるデモンストレーションを行った。

「プラザ勝どき」に設置された「スマロビ」

「『スマロビ』は、配送事業者にとっては再配達ゼロ・配送効率8倍・生産性革命、生活者にとってはタイパもコスパもバランスもよいスマートな生活、不動産事業者にとっては負担が少なく継続的な物件価値の向上を実現し、物流・小売・不動産において〝三方よし”のソリューションを提供する」と、「スマロビ」が目指す世界を語るNiceEze 代表取締役の松浦学氏。「現在、『物流の2024年問題』が大きな社会課題となっており、労働力・輸送力は今後も減り続けるとみている。また、配送現場では、不在宅配が1件あるだけでも生産性が低下してしまうが、各マンションごとに設備やルールが異なるため配送事業者の取り組みだけでは生産性を上げることは難しい」と、配送事業者が抱える課題を指摘する。

NiceEze 代表取締役の松浦学氏

「一方、居住者にとっては、宅配の指定時間はずっと待機している必要があり、2~3時間の拘束時間が発生する。また、マンションによっては、インターホンが鳴ってから荷物が届くまでに30分から1時間かかるケースもある。この他、置き配管理の仕組みがない、不特定多数が自由に出入りする、共用部使用の不公平といった点で不安・不満を感じる居住者も少なくない」と、居住者も現在の宅配の仕組みに不満を感じているのだと訴える。「そして、不動産事業者では、管理者不足が続く中、居住者の満足度向上のために物件管理の負荷は増大する一方となっている。当社では、このような配送事業者、居住者、不動産事業者が抱える課題をすべて解決するべく、スマートエントランスロビー『スマロビ』を開発し、今回正式ローンチする」と、「スマロビ」を開発するに至る背景を説明した。

スマロビAIラック

「『スマロビ』は、あらゆる大きさの荷物を24時間いつでも預入・受取可能とするサイズ変形式AI宅配ボックス『スマロビAIラック』と、日用品を冷蔵で販売するAI無人ストア『スマロビAIストア』で構成されている」とのこと。「『スマロビAIラック』は、様々な大きさの荷物を格納できるよう、サイズを自在に変形することができ、従来の宅配ボックスに比べ平均2倍以上の格納能力を備えている。これによって再配達がゼロになり、配送事業者の生産性が8倍に向上する。IoT監視カメラとAIによる24時間荷物管理でセキュリティ対策も万全で、異常行動も検知する。年末には冷蔵・冷凍の荷物にも対応する。また、重い荷物を自分で部屋まで運ぶなど、協力度合いに応じて謝礼を支払うPay-it-Forwardも導入する」と、「スマロビAIラック」の特徴を紹介。「『スマロビAIストア』は、スマホアプリで簡単に電子決済することができる。居住者は、飲料や食品、日用品等を欲しい時に24時間いつでも購入することが可能になる」と、宅配ボックスだけでなく無人販売機が併設されている点も居住者の大きなメリットなのだと話していた。

スマロビAIストア

「現在設置している『スマロビ』に対する評価としては、居住者からは『早く導入してほしかった』『こちらの要望を聞いてくれるのでうれしい』、マンション管理者からは『居住者の宅配サービスに対する関心事が何かわかった』『管理センターの負担が9割削減できた』、配送事業者からは『再配達ゼロ、クレーマー対応ゼロ、教育コストゼロ』『スマロビの取り組みはとにかく楽』といった声が寄せられた。また、居住者の97%が『スマロビ』のサービスに満足しており、約80%の荷物を自分で引き取っていることもわかった」と、実証実験で高い評価を得ることができたと胸を張る。「不動産事業者においては、初期導入費無料、月額1万円~2万円の運用費で宅配ボックスをマンションに導入できる。また『スマロビ』利用状況をAIで分析することで、物件単位で品ぞろえを最適化し、居住者の声をマンション経営に生かすことができる」と、物件価値の向上および満室経営にも寄与していく考えを示した。

乾汽船 不動産管理部長の小河原孝能氏

次に、「スマロビ」の実証実験に協力した乾汽船 不動産管理部長の小河原孝能氏が挨拶した。「当社の不動産事業では、勝どき・月島エリアを中心に施設賃貸業を展開している。今回、勝どきのマンション『プラザ勝どき』で『スマロビ』の実証実験を実施した背景には、コロナ禍で居住者のライフスタイルが大きく変化し、宅配貨物の状況が様変わりしたことが挙げられる。共用部への貨物の滞留、置き配の常態化、個人事業主の配送増加などによってマンション自体のセキュリティに不安を感じるようになった」と、「スマロビ」の実証実験プロジェクトに参画した経緯を語る。「『スマロビ』は、居住者へのサービスレベルを落とさず、無駄なものを極力省き、貨物の保管効率を極限まで高めた宅配ボックスとなっている。今後、配送事業者の再配達、置き配問題を解決するソリューションの1つとして期待している」と、引き続きNiceEzeと協力し「物流の2024年問題」の解決に向けて邁進していくと力を込めた。

配送事業者の「スマロビAIラック」利用イメージ

この後、今年5月に実証実験を実施した「プラザ勝どき」に移動し、「スマロビ」の実機によるデモンストレーションが行われた。「スマロビAIラック」への荷物の配送では、配送員向け専用アプリから、荷物投函の登録、投函手続き、投函済み荷物情報の確認が可能。居住者が荷物を受け取る際は、居住者向け専用アプリに荷物の預り情報が届き、アプリで本人認証を行うことで、ラックに置かれた荷物を受け取ることができる。

居住者の「スマロビAIストア」利用イメージ

また、「スマロビAIストア」の利用では、居住者向け専用アプリからストア掲載のQRコードをスキャンすると自動でLINE認証画面に遷移。個人認証後に決済方法を選択すると、ストアの扉のセキュリティが解除され、商品の取り出しが可能になる。欲しい商品を持ち出した後、ストアの扉を閉めると精算画面が表示され、自動決済が完了する。

NiceEze=https://niceeze.co.jp/
乾汽船=https://www.inui.co.jp/


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