- Home&Living2024/12/28 15:00
生活の充実度調査2024、今年「生活が充実していた」人は調査以来初の減少、旅行やレジャー/趣味や自己啓発に充実感
生活者の“健康と暮らし”に関する情報を発信するポータルサイト「マイライフニュース」を運営するヒューマン・データ・ラボラトリは、2021年から2023年に実施した「生活の充実度調査」に続き、2024年に生活者がどのような暮らしや生活ぶりに充実感を抱いていたのかを探るため、全国の男女500名を対象にアンケート調査を実施した(2024年12月14日)。
今年は、昨年実施した調査(2023年12月18日~25日)に比べて、「生活が充実していた(とても充実していた+やや充実していた)」が14ポイント減の37.4%となり、2021年の調査開始以来、初めて前年を下回った。一方、「どちらともいえない」は昨年から6.7ポイント増の32.6%、「生活が充実していなかった(あまり充実していなかった+まったく充実していなかった)」は昨年から7.2ポイント増の30.0%となり、今年は、生活の充実度が低下した1年であったことが浮き彫りとなった。
今年の生活の充実度を男女別にみると、「生活が充実していた(とても充実していた+やや充実していた)」との回答は男性の32.8%に対して、女性は42.0%と、昨年同様に女性が上回ったが、半数には届かなかった。一方、「生活が充実していなかった(まったく充実していなかった+あまり充実していなかった)」は、男性が女性を上回っており、「生活が充実していた」と同率(32.8%)に達した。
今年の生活の充実度を年代別にみると、「生活が充実していた(とても充実していた+やや充実していた)」との回答が最も多かったのは60歳以上で44.0%となり、シニア世代で生活の充実度が高い傾向があることがわかった。また、一つ下の世代の50代も42%と、僅差で続いている。一方、「生活が充実していなかった(まったく充実していなかった+あまり充実していなかった)」の回答では、30代がトップで37%、次いで20代が34%と、若年層における生活の充実度の低さが目立つ結果となった。
今年最も充実していたことは「あてはまるものはない」が最も多く30.6%、次いで「旅行やレジャー」が13.8%だった。以下、「趣味や自己啓発」が12.4%、「家族や親戚との関係」が11.6%と続いている。今年は、行動制限が一切なく、旅行者数も増加傾向にあることから、「旅行やレジャー」の充実度が高まったと考えられる。男女別にみると、女性は「旅行やレジャー」(16.8%)が2位だったのに対して、男性は「趣味や自己啓発」(14.0%)が2位となり、充実していたことに違いがみられた。
今年1年間で最も充実していたことについて年代別にみると、50代から60歳以上では「旅行やレジャー」、20代から40代では「趣味や自己啓発」に対する充実度が高いことが浮き彫りとなった。特に若年層では、推し活ブームの影響もあり、「趣味や自己啓発」に高い充実度を感じる人が増えていると推察される。その他の項目では、「家族や親戚との関係」は60歳以上、「仕事や学業」は50代、 「健康など身体状況」は30代・40代、「友人や恋人との関係」は20代、「金銭面」は20代・50代で高い傾向にあった。
「今年1年間で最も充実していたことは何か」で回答したことを充実させるためにしたことは、「休日など自由な時間を増やした」が25.1%、「お金をかけた」が22.8%で上位に挙がった。次いで、「健康に気を遣った」が19.6%、「仕事をたくさんした(転職や副業、残業など)」が19.3%と続いている。今年は、「旅行やレジャー」「趣味や自己啓発」の充実度が高まっていることから、そのために「休日など自由な時間を増やした」「お金をかけた」という人が多かったと思われる。
今年1年間で最も充実していなかったことは、「何もなかった」が27.6%で最多となった。以下、「金銭面」(13.2%)、「健康など身体状況」(12.4%)、「仕事や学業」(10.8%)、「旅行やレジャー」(9.2%)と続いている。「金銭面」については、今年も食料品の値上げが相次いだことに加え、天候不順から野菜の価格が高騰していることも影響していると推察される。また、「健康など身体状況」については、地震や猛暑、集中豪雨など自然災害の脅威を身近に感じた人が多かったと考えられる。
2025年に最も充実させたいことでは、「健康など身体状況」が18.2%、「金銭面」が14.0%、「趣味や自己啓発」が12.2%、「旅行やレジャー」が12.0%となった。今年最も充実していなかったことで2位だった「健康など身体状況」が、ここではトップとなり、来年こそ充実させたいと思っている人が多いことが明らかになった。男女別でみても、男性・女性ともに最も多かった回答は「健康など身体状況」だった。特に女性は21.0%と、男性の14.8%を大きく上回り、健康への関心がさらに高まっている可能性が示唆された。
2025年に最も充実させたいことを年代別にみると、「健康など身体状況」と「旅行やレジャー」では60歳以上、「金銭面」では40代、「友人や恋人との関係」と「あてはまるものはない」では20代の比率の高さが際立っており、年代によって充実させたいことは異なる傾向がみられた。中でも注目されるのは、20代の26.0%が「あてはまるものはない」と答えていること。最近では、悪質な「闇バイト」に手を出してしまう20代も増えているが、何かを充実させたいという目標を持たない若者が一定数いることも、その背景にあるのではないかと推察される。
今年最も充実していたことと来年最も充実させたいことを比較した結果、「健康など身体状況」(11.6ポイント増)と「金銭面」(10.6ポイント増)が大きく比率を伸ばしていた。次いで、「仕事や学業」が3.0ポイント増と比率を伸ばしている。反対に大きくポイントを下げたのは「何もない・わからない」が17.8ポイント減、「家族や親戚との関係」が3.8ポイント減となった。「旅行やレジャー」と「趣味や自己啓発」については、今年と来年との比較で大きなポイント差はなく、引き続き充実させていきたい項目であることがわかった。
「来年最も充実させたいこと」のために何をするかでは、「健康に気を遣う」が29.4%でトップとなった。以下、「生活習慣を見直す(食生活や睡眠など)」(23.4%)、「仕事をたくさんする(転職や副業、残業など)」(21.1%) 、「休日など自由な時間を増やす(18.6%)、「運動をする」(17.7%)の順となった。ヘルスケアや生活習慣の改善、自然災害への備えなど、健康志向のさらなる高まりを印象付ける結果となった。
この調査結果を受け、マイライフニュース編集長の長誠氏は、「今回の調査では、調査開始以来初めて『生活が充実していた(充実度)』人が昨年を下回り、調査史上過去最低となった。女性に比べて男性の充実度が低く、20代、30代、40代と若年および子育て世代の充実度の低さが目立つ結果となった。自分自身の病気や転職、資格取得の失敗などから充実度が低かったと回答する人が多くみられた」と、特に男性の充実度が低下したと指摘する。
「今年1年間で最も充実していたことは、『旅行やレジャー』、『趣味や自己啓発』が上位を占めた。仕事や家事などの生活の維持に必要な活動以外に自由に使える余暇時間の充実が生活の充実度を押し上げる結果につながっている。また、『旅行やレジャー』は50代や60代で、『趣味や自己啓発』は20代、30代で高い比率を示した。余暇時間の使い方が、年代によって異なるようだ。充実度を高めるために、『自由な時間を増やす』といった意見だけでなく、『お金をかけた』も上位を占めた。余暇時間に必要な投資を行った人ほど、充実度が高かったものとみられる」と解説した。
「『充実していなかった』ことは『金銭面』および『健康など身体状況』となった。今年1年間、あなたに起こった出来事でジャンルを問わず印象に残っていることを聞いたところ、『金銭面』については、無駄づかいや思わぬ出費が重なったといった声もみられた。一方、『健康など身体状況』では、病気になったり、健康診断で要検査と診断されたとの意見も挙がっていた」と、自由回答のコメントから充実度が低下した理由を紹介した。
「来年については、『健康など身体状況』を充実させたいが最も多くの回答を得た。しかし、年代別にみてみると、『健康など身体状況』は60代、50代で高く、働き世代の40代では『金銭面』がトップとなっている。20代では『健康など身体状況』との回答は1割にも満たなかった。逆に『あてはまるものは何もない』に多くの回答が集まるなど排他的な声が多数を占めた」と分析する。
「今年の充実度と来年充実させたいことを比較した結果、今年充実していなかった、『健康などの身体状況』や『金銭面』を充実させたいとの意見が多く、来年充実させたいことは、『健康に気を遣う』や『生活習慣を見直す』『仕事をたくさんする』が上位を占めていた。来年は今年と違った年にしたいとの意欲も感じられる結果となった」との見解を示した。
「今年は、昨年の新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行にともない、1年を通じて行動制限などが行われなかった。これが『旅行やレジャー』を楽しめた人が多くなった要因とみられる。しかし、行動制限の撤廃は、多くの人の生活の充実度を引き上げるには至らなかったようだ。また、昨今の物価高が家計を逼迫し、『金銭面』の充実度の低下につながっているものとみられる」と、今年1年の「生活の充実度」を総括する。
「来年は、今年充実していなかった『健康などの身体状況』を挙げる人が多くみられた。普段から健康を意識し、食事や運動、サプリの活用などを心がけたり、これから健康のために何かを始めてみようと思う人も増えるとみられる。しかし、栄養バランスを考慮した食材・食品は他に比べて高額で買えなかったり、サプリメント等の購入にお金をかけられないなど、栄養面に加え、日々の体調管理にも物価高が影響し、充実度がなかなか高まっていかない状況が懸念される」と、来年の見通しについて語った。【PR】
[調査概要]
調査名:生活の充実度調査2024
調査目的:長引く物価高、相次ぐ自然災害、記録的な猛暑など社会環境が変化する中で、生活者はどのような暮らしや生活ぶりに充実感を抱いているのか。2024年の生活充実度を調査する
調査対象者:有効回答数 500件
20歳~29歳「20代」 100件
30歳~39歳「30代」 100件
40歳~49歳「40代」 100件
50歳~59歳「50代」 100件
60歳以上 「60代」 100件
調査手法:インターネット調査
調査時期:2024年12月14日(土)
※比率はすべて百分率で表し、小数点以下第2位を四捨五入して算出している。このため、百分率の合計が100.0%にならないことがある
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