GfKジャパン、2022年の家電およびIT市場の販売動向、家電小売市場は前年から2.3%減の7兆円

GfK Japanは、全国の有力家電・IT取扱店の販売実績データ等を基に、2022年の家電およびIT市場の販売動向を発表した(全国の有力家電・IT取扱店(家電量販店、総合量販店、カメラ専門店、携帯電話専門店、ネット通販等)からPOSデータ等を収集し、統計的な手法に基づき全国市場規模相当に拡大推計した)。その結果、2022年の家電小売市場は前年から2.3%減の7兆円となった。

2022年の家電小売市場は前年から2.3%減の7兆円となった。巣ごもり需要、テレワーク需要といったコロナ禍による特需の押し上げ効果があった20年、21年から規模は縮小したが、コロナ禍前の18年、19年に近い規模で着地した。

分類別に見ると、冷蔵庫、洗濯機、エアコン等から構成される大型生活家電が前年の規模を上回った他、コロナ禍による外出自粛などによって低迷が続いたカメラ関連製品の販売規模にも底打ち感がみられた。一方、AV関連製品は10年の家電エコポイント制度、11年のアナログ停波による高需要期からの買い替えが一巡したと見られ、前年から減少となった。半導体不足やテレワーク需要からの反動減の影響を受けたIT関連製品も前年の規模を下回った。

インターネット販売の市場規模は前年から微増となった。家電小売市場全体におけるインターネット販売の金額構成比では前年を0.8%ポイント上回る20.4%となった。

薄型テレビは前年比11%減の530万台となり、2年連続で縮小した。家電エコポイント制度やアナログ停波特需からの買い替え需要が2020年の新型コロナウィルスを契機に盛り上がり、ピークを越えたとみられる。

テレビ全体での需要は落ち着きを見せているが、高価格帯製品は引き続き堅調に推移し、構成比を拡大させた。有機ELディスプレイ搭載テレビは数量構成比13%となり、前年から2%ポイント拡大した。また65インチ以上の大画面モデルも前年から1%ポイント増の同12%となった。高価格帯製品の伸長によって、薄型テレビの税抜き平均価格は、前年から2%上昇の9万円となった。

BDレコーダーは数量前年比26%減の130万台となった。2019年、20年に需要が高まったことの反動と、コロナ禍を通じて動画配信サービスの利用者が増加した影響もあると推測される。製品動向では、4K画質に対応したソフトの再生が可能な4K Ultra HD再生対応モデルの数量構成比は30%、録画にも対応する4Kチューナー内蔵モデルは同29%と、いずれも前年から大きな変化はみられなかった。一方で、2TB以上のHDDディスクを搭載した大容量モデルの数量構成比は、前年から5%ポイント伸長し49%となった。BDレコーダーの税抜き平均価格は前年から4%上昇し5万1000円となった。

ヘッドホン/ヘッドセット(ヘッドホン:マイク無しのイヤホン・ヘッドホン製品(ステレオのみ)、ヘッドセット:マイクを備えたイヤホン・ヘッドホン製品(ステレオ・モノラル))は数量前年比8%減の2020万本となった。コロナ禍以降テレワーク需要で伸長したことに対する反動減が主な要因であった。市場の半数弱を占める有線タイプが同12%減と振るわなかった。その一方で、市場の3割を占める完全ワイヤレスイヤホン(完全ワイヤレスイヤホン:左右のイヤホンが完全に独立したBluetooth搭載イヤホン)は同9%増と、引き続き市場をけん引した。税別5000円未満の比較的手に取りやすい製品の販売増が伸長した要因のひとつであり、完全ワイヤレスイヤホン市場における同価格帯の数量構成比は24%と前年から6%ポイント増加した。

ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン=https://www.gfk.com/ja/home


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