富士経済、ホテルの国内市場調査、2025年のホテルの国内市場は8兆6487億円(2019年比1.8%増)と予測

総合マーケティングビジネスの富士経済は、新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)流行の落ち着きもあり、日本人の国内旅行者数が増える中、今後は外国人観光客の渡航制限緩和などによる盛り上がりが期待されるホテルの国内市場を調査した。その結果を「ツーリズム需要流入が期待されるホテル市場のエリア別実態と将来性分析調査」にまとめた。トピックスとして、2025年予測ではホテルの国内市場8兆6487億円(2019年比1.8%増)に達すると見込む。リベンジ消費の活況、インバウンド需要による客単価上昇を追い風に、コロナ前の規模まで回復するとみられる。また、客室数の多いビジネスホテルの需要の高まりも期待される。

この調査では、ビジネスホテル、シティホテル、リゾートホテル、旅館の4業態の市場の現状を捉え、宿泊価格帯やエリア別の動向を分析し、今後のホテル市場の展望を明らかにした。

ホテルの国内市場は、ビジネスホテル、シティホテル、リゾートホテル、旅館の4業態の宿泊・飲食部門を含む各企業のホテル事業部門の売上合計を対象とした。

新型コロナ流行によって、インバウンド需要の消失やビジネス利用の大幅な減少から、2020年のホテル市場は大きく縮小した。2021年は、苦戦が続く業態も多かったが、リゾートホテルは地方リゾートを中心にマイクロツーリズム需要を獲得し、高級リゾートホテルが活況だったことから、需要回復に近づいた。

2022年の市場は7兆6003億円となった。リゾートホテルがラグジュアリーを中心に好調だったことから、早くもコロナ前の規模を上回った。シティホテルは都市部を中心にスイートルーム・プレミアム客室の増設やオプションで記念日などの少人数向け慶事プラン提案などによる客単価上昇に注力したが、宴会やブライダルなど宿泊以外の需要回復に苦戦している。また、厨房やホールのスタッフ不足なども課題となっている。ビジネスホテルは、テレワークの普及などによりビジネス利用の回復はいまだ厳しく、ブランド価値の再構築に向け、コンセプトや提供サービスの見直しが進められている。

2023年以降は、各地域における観光産業の強化に加え、インバウンド需要獲得にむけた高級ホテルの開発・開業が進んでいることや国内の旅行者によるリベンジ消費が活況となることで、客室稼働率や客室単価の向上が予想される。

旅館は回復が厳しいものの、ビジネスホテルやシティホテルは2025年までにコロナ前の規模まで回復し、リゾートホテルがコロナ前と比べて大きく伸びていることから、2025年の市場は8兆6,487億円が予測される。インバウンド需要の回復によって、観光需要過多によるホテル不足問題が再燃する可能性も考えられ、客室数の多いビジネスホテルの利用増加が期待される。

[調査方法]富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
[調査期間]2月~3月
[小売価格]
 PDF版:33万円
 ネットワークパッケージ版:49万5000円
(すべて税込)

富士経済=https://www.fuji-keizai.co.jp/


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