福井県、2024年春の北陸新幹線福井・敦賀開業に向けて福井県立恐竜博物館がリニューアルオープン、化石研究体験などの施設を新設

リニューアルオープンする恐竜博物館の「恐竜の世界ゾーン」

福井県は、2024年春の北陸新幹線福井・敦賀開業に向け、首都圏を中心に福井県の魅力を伝え、ふくいファン拡大に向けた情報発信を強化している。今回、昨年12月からリニューアル工事のため、休館していた福井県立「恐竜博物館」が7月14日にリニューアルオープンする。オープンに先駆け、7月12日に内覧会を開催した。内覧会では、新館ホールや科学者気分で本格的な体験ができる化石研究体験など新しく開設された新館を中心に、大幅に変更された常設展示などをオープンに先駆けて公開した。

福井県立恐竜博物館の辻俊之副館長

「2024年春の北陸新幹線福井・敦賀開業に向けて、福井県立恐竜博物館が2000年のオープン以来初のリニューアルを行った」と、福井県立恐竜博物館の辻俊之副館長。「リニューアルでは、展示を見るというだけでなく、触るなどの体験、体感ができる施設の充実を図ることにした」と、常時体験できる施設を設けることで、より博物館の展示の魅力を感じてもらいたいと力説する。

恐竜博物館 本館

「福井県立恐竜博物館には30年間の発掘調査のバックボーンがあり、この研究の成果を展示や体験に反映させることで、本物を肌で感じてもらえると思っている」と、長年の研究に裏打ちされた展示や体験によって、多くの人に恐竜を身近に感じてもらいたいのだと語る。

発掘現場を再現した展示

「福井県立恐竜博物館を訪れる来場者は、地元福井県が3割、関西が3割、中部が3割で、残り1割がその他の地域からとなっていた。今回のリニューアルおよび2024年春の北陸新幹線福井・敦賀開業によって、関東圏からの来場者の増加にも期待を寄せている」と、日本全国から福井を訪れるきっかけに福井県立恐竜博物館がなればとの考えを示した。

恐竜の世界ゾーン

福井県立恐竜博物館の常設展示は、「恐竜の世界」、「地球の科学」、「生命の歴史」の3つのゾーンから構成されている。

恐竜の世界ゾーン

まず、本館1階の「恐竜の世界ゾーン」から見てみよう。「恐竜の全身骨格が50体展示されており、そのうちの10体は実物の化石を使ったもの」だという。

恐竜の世界ゾーン

「展示内容については、最新の学術にあわせて更新。ティラノサウルスも歯の見せ方を変えている」と、リニューアルによって変えられた展示内容について教えてくれた。

恐竜の世界ゾーン ダイノシアター

「対面スクリーンのダイノシアターでは、ジュラ紀の恐竜時代を体感することができる」と、映像などを使って恐竜時代を紹介しているのだと述べていた。

恐竜の世界ゾーン ブラキロフォサウルス・カナデンシス

「そして今回、米国モンタナ州の博物館から、10年間借用している実物化石『ブラキロフォサウルス・カナデンシス(鳥脚類ハドロサウルス科(後期白亜紀))』を初展示する。この化石は、通称“レオナルド”と呼ばれる標本で、皮膚や筋肉の痕跡が残るミイラ化石となっている。保存状態の素晴らしさから2004年にギネスブックにも登録されている」と、日本初の貴重な化石も楽しめるようになっていると教えてくれた。

福井県で発見された恐竜
福井県で発見された恐竜(左は鳥類を含む)

「福井県勝山市で多くの恐竜化石が発見されている。この発掘調査で発見された新種の恐竜5種と他の動植物化石を展示している」と、福井県で初めて発見された「フクイサウルス」、「フクイラプトル」などの化石を展示しているという。

福井県で発見された恐竜たちの暮らしを再現したジオラマ

「化石の展示だけではなく、福井県勝山市の発掘エリアや福井の恐竜たちが暮らしていた世界をジオラマで再現するなど、福井の恐竜を深く知ることができるコーナーも設けている」と実物化石も数多く展示されていると紹介した。

地球の科学ゾーン

本館1階の「地球の科学ゾーン」には、地球科学の歴史、陸と海の堆積物、堆積物に埋没された化石、地球を構成する岩石、地球の活動、岩石や鉱物などを系統的に展示。「地質学に興味がある人が楽しめるゾーンになっている」と、地球科学を知る展示コーナーになっていると教えてくれた。

化石クリーニング室

「さらに、化石の周りについた岩を取り除く化石クリーニング作業をガラス越しに見学できるコーナーもある」と、研究員が化石を磨いていく作業を間近で見ることができる「化石クリーニング室」も人気の施設なのだと語っていた。

ダイノラボ

「本館1階から2階への移動には『ダイノラボ』を経由すると、さらに深く恐竜のことを知ることができる」とのこと。

福井県立恐竜博物館の辻俊之副館長

「ティラノサウルスの全身骨格を中心に、恐竜のからだのことやくらしのことが学べる展示になっている」とティラノサウルスの化石標本を間近で見ることができるという。

ダイノラボ 触れられる化石

「実際の化石に触れたり、化石の重さを感じてもらえるように化石を回せるようになっているところもある」と、実際に化石に触れることができるコーナーもあるのだとか。「ティラノサウルスの頭の中をプロジェクションマッピングで見ることもできる」と説明していた。

生命の歴史ゾーン
生命の歴史ゾーン

「本館2階の『生命の歴史ゾーン』では、生命が誕生し、地球の環境を変えていった歴史、脊椎動物の誕生から進化と絶滅の歴史、陸上に進出した脊椎動物と植物の関わりの歴史などを時間の流れにそって展示している」と、地球上に存在した生物たちの歴史を辿る展示になっているとのこと。

本館2階から1階を見下ろした眺め

「また、1階の『恐竜の世界ゾーン』を見下ろすこともできるようになっている」と、「恐竜の世界ゾーン」で展示されている化石標本を上から見下ろすことで、恐竜を違った角度から観察できる工夫も施されていると述べていた。

ダイノライブラリー

「本館2階に設けられた『ダイノライブラリー』は、恐竜や地質、古生物学に関する本を揃えた図書室となっている。蔵書は2500冊となっており、その中から600冊をライブラリーで紹介している」と、展示でわからないところをゆっくりと調べたり、読んだりできるスペースもあると話していた。

次に、新たに開設された新館をみてみよう。「新館1階に設けられた『特別展示室』は、大きな恐竜骨格も展示できる巨大な展示室となっている。主に、夏から秋にかけて特別な展示を行う予定になっている」と夏休みなどの時期にテーマを定めた展示を行っていくとのこと。

特別展示室 3面ダイノシアター
特別展示室 3面ダイノシアター

「特別展示が行われていない時期は、3面ダイノシアターで、恐竜の世界へ入り込む3分間のCG映像を流す」と、福井の恐竜の暮らしをCGで表現した映像などを迫力の画面で味わえるようになっているという。

福井で発見された5種の恐竜と1種の鳥類のシンボルモニュメント(左はライトアップ演出)

「新館1階~3階をつなぐエスカレーター脇には、福井で発見された5種の恐竜と1種の鳥類のシンボルモニュメントを展示している」と、フクイティタン、コシサウルス、フクイサウルス、フクイベナートル、フクイプテリクス、フクイラプトルのモニュメントにLEDでライトアップもされる仕掛けも施されていた。

見える収蔵庫

「新館1階から新館3階へと向かうエスカレーターからは、化石や骨格など博物館の収集した標本や資料を保管するための場所を見える化した『見える収蔵庫』も見ることができる」と1、2階にある大きな窓ガラスから中の様子を見ることができるようになっている。

化石研究体験

「新館3階には化石の研究作業を体験できる、新たな施設『化石研究体験』がオープンする。化石研究体験メニューは3つで、実物大のティラノサウルス・レックスの頭骨を組み立てながら解剖学的特徴を学ぶ『T.rex頭部復元』、本格的なエアーツールを使って岩石を削って恐竜の歯(レプリカ)を取り出す『化石クリーニング』、岩石や化石のCT画像から内部の非破壊観察を行う『CT化石観察』がある」と、3つの化石研究体験を2時間で楽しむものになっているという。

化石研究体験 T.rex頭部復元

「体験の申込は小学生以上で、小学生は保護者または保護者に相当する大人との同時申込となる」とのこと。

化石研究体験 化石クリーニング

「『化石研究体験』で行われる体験は、平日だと日に4回、土日祝日や夏休みなどの期間では5回となっており、各回24名までとなっている。ホームページ上に、チケットの購入ができる専用サイトへの案内があり、6月1日からチケット販売が行われている。当日に空席があった場合に限り、その日の常設展観覧券を持っている人を対象に、総合受付で化石研究体験の当日券が発売される」と、チケットの申込や化石研究体験に参加できる対象者などについても説明してくれた。

化石研究体験 CT化石観察

「リニューアルオープンに合わせて野外恐竜博物館も開館する。野外恐竜博物館は発掘現場の対岸にある施設で、実際に研究員が調査をしている現場の石を使って発掘体験することができる他、発見された化石などをみることができる展示室、現場を一望できる観察広場があり、ナビゲーターとよばれる案内人の説明を聞きながら各所を回るツアー形式となっている」と、大雨の影響で臨時休館中だった野外恐竜博物館も再開すると述べていた。

ミュージアムショップ

「リニューアルにともない、ミュージアムショップとレストランも大きく進化。ショップは2倍以上、レストランは3倍以上の広さになり、これまで離れていた両店舗が隣接し一体化した」と、恐竜や福井の魅力をさらに感じてもらえる新商品や新メニューを多く取り揃えているとのこと。

レストラン

「レストランには恐竜標本も展示している」と、恐竜感性を体験に刻むミュージアムショップとレストランになっていると話していた。

レストラン メニュー

[恐竜博物館基本情報]
名称:福井県立恐竜博物館 Fukui Prefectural Dinosaur Museum
所在地:福井県勝山市村岡町寺尾51-11(かつやま恐竜の森内)
開館:2000年7月14日
リニューアルオープン日:2023年7月14日(金)
開館時間:9:00~17:00まで(入館は16:30まで)
※夏季繁忙期は8:30~18:00まで(入館は17:30まで)
 予約制となっている
休館日:第2・4水曜日(祝日の時はその翌日、夏休み期間は無休)
    年末年始(12月31日と1月1日)
    展示替えや施設の点検のため臨時に休館することがあるので、HPを確認
資料点数:約4万1000点
施設面積:敷地面積 約3万m2/延床面積 1万5000m2/常設展示 4500m2
問い合わせ:0779-88-0001 FAX:0779-88-8700
観覧料:事前購入(事前決済)を原則とする
常設展
 個人:一般1000円/高・大学生800円/小・中学生500円/70歳以上500円
 団体:一般800円/高・大学生640円/小・中学生400円/70歳以上400円
 年間パスポート:一般3000円/高・大学生2400円/小・中学生1500円/70歳以上1500円
化石研究体験
 化石研究体験+常設展観覧券:
  一般2200円/高・大学生1800円/小・中学生1100円/70歳以上1100円
 化石研究体験当日券:
  一般1200円/高・大学生1000円/小・中学生600円/70歳以上600円
 野外恐竜博物館
  個人:一般1300円/高・大学生1100円/小・中学生650円/70歳以上650円
  団体:一般1040円/高・大学生880円/小・中学生520円/70歳以上520円

福井県立恐竜博物館=https://www.dinosaur.pref.fukui.jp/


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