ENECHANGEとe-Mobility Powerが業務提携、EV充電カードでエネチェンジの充電器が利用可能に、普通充電器の6kW高出力化も推進

左から:e-Mobility Powerの四ツ柳尚子社長、ENECHANGEの城口洋平代表取締役CEO

ENECHANGE(エネチェンジ)は、e-Mobility Power(以下、eMP)と、日本の電気自動車用充電インフラの速やかな整備、EV・PHVユーザーの利便性向上、持続的な設備投資とサービス提供の実現に向け、長期的に協調して取り組むことを目的とした業務提携契約を締結した。普通充電をリードするエネチェンジと急速充電をリードするeMPがタッグを組み、自動車メーカー各社が発行する充電会員カードでエネチェンジの6kW充電器を使用可能とすることで、さらに快適なEVドライバーライフを支援していく。2月9日に行われた共同記者発表会では、今回の業務提携に至る背景や2社による取り組み内容について説明した。

ENECHANGEの城口洋平代表取締役CEO

「現在、日本の充電インフラは、普通充電器の不足と出力の低さが課題となっている。人口当たりの公共充電器基数を諸外国と比べると、日本では特に普通充電器の設置数が少ないのが実状である。また、既存の普通充電器はほとんどが低出力の3kW充電器であり、6kW充電器の割合はわずか0.3%にとどまっている」と、日本の充電インフラが抱える課題を指摘するエネチェンジの城口洋平代表取締役CEO。「こうした課題を解決するべく、当社では、基礎充電と目的地充電の両軸で充電インフラの整備を進めている。2021年11月からは、補助金活用で設置・月額費用0円から6kW普通充電器を導入できるサービス『EV充電エネチェンジ』を提供しており、宿泊施設やゴルフ場を中心にさまざまな場所に設置が進んでいる」と、同社の充電サービス事業の概要について紹介した。「『EV充電エネチェンジ』では、2023年第2四半期までに3000台を受注目標に掲げており、四半期約1000台ペースで受注できる体制が整っている。2022年第4四半期時点で、すでに受注進捗率は83%を達成し、パートナー提携数も200社を突破している」と、6kW普通充電器の設置が着実に広がりつつあると強調した。

e-Mobility Powerの四ツ柳尚子社長

続いて、eMPの四ツ柳尚子社長が、同社が展開する充電サービスの取り組みについて説明した。「当社は、2021年4月に日本充電サービスからEV・PHV充電ネットワーク事業を承継し、自動車メーカー各社の発行するEV・PHV充電カードで利用可能な充電ネットワークを構築している。現在は、全国2100を超える企業・自治体からの協力を得て、日本全国2万口超の充電ネットワークを運営している」と、EV・PHVユーザーがいつでも、どこでもリーズナブルに利用できる充電ネットワークを提供しているという。「また、充電器を設置する取り組みにも力を注いでおり、複数台のEVが同時充電できる高出力型急速充電器を主力に、全国規模で更新と増強を同時に推進している。今後、自社設置と他社設置(販社・一般提携)充電器を中心としたネットワークの拡充を図り、政府が目標に掲げている2030年急速充電器3万口の実現を目指す」と、充電器の複数口化と高出力化を同時に推進することで、EV・PHVユーザーの不安を払拭していく考えを示した。

左から:ENECHANGEの城口洋平代表取締役CEO、e-Mobility Powerの四ツ柳尚子社長

エネチェンジの城口代表取締役CEOが再び登壇し、今回の業務提携に関して、eMPの四ツ柳社長とのトークセッションが行われた。「eMPとの業務提携に先立ち、EV充電カードのユーザーにアンケート調査を実施したところ、EV充電カードでエネチェンジの充電器を利用できることに『魅力を感じている』と77%のユーザーが回答していた。こうしたユーザーの声に応えるべく、eMPと新たに業務提携することを決断した」と、業務提携に至った経緯について語るエネチェンジの城口代表取締役CEO。「この提携により、自動車メーカー各社やeMPなどが発行するすべての充電カードでエネチェンジのEV充電器が利用可能となる。運用開始は4月を予定している」と、専用アプリの設定などの必要なく、EV充電カードだけでエネチェンジのEV充電器が利用できるようになるとアピールした。

エネチェンジの6kW普通充電器

「また、eMPと協調し、設置から8年が経過した普通充電器を保有する設置者や施設オーナーに対して、エネチェンジが展開する6kW普通充電器への置き換えを提案していく。この取り組みを通じて、使われなくなった古い3kW普通充電器が撤去されてしまうことを防止し、充電インフラの拡充と6kWへの高出力化を促進していく」と、eMPとの提携を機に、日本の充電インフラの普及に貢献していくと意気込んだ。

eMPの四ツ柳社長は、「日本の充電インフラは、自動車OEMのインフラ投資により『カード1枚でどこでも充電できる』世界を築いてきた歴史があり、EVユーザーの多くがEV充電カードを利用している。今回のエネチェンジとの業務提携は、この世界観の維持に大きく寄与すると考えている」と、エネチェンジの充電器がシームレスに利用可能になることで、EV充電カードの活用範囲が大きく広がると目を細める。「今後、車両の開発が進み、普通充電も6kWの世界へ向かう中、遠隔制御が可能な6kWへの出力アップを進めるエネチェンジとの長期的なパートナーシップは、EVユーザーにとってさらなる利便性向上につながり、大きなメリットになると感じている」と、エネチェンジの6kW普通充電器へのアップグレードによる充電ネットワーク全体のインフラ強化にも期待を寄せていた。

ENECHANGE=https://enechange.co.jp/
e-Mobility Power=https://www.e-mobipower.co.jp/


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