- Study&Work2023/02/24 19:45
高精度の切り抜き・背景除去を実現する画像編集アプリ「PhotoRoom」が日本に本格進出、新機能「マジックスタジオ」を正式リリース
フランス・パリ発の画像編集アプリ「PhotoRoom」が、日本市場での活動を本格化している。「PhotoRoom」は、写真の自動切り抜き・背景除去を高精度に実現する機能が話題を集め、昨年10月に日本国内で100万ダウンロードを突破。今年1月には、写真の背景画像を編集加工できる新機能「マジックスタジオ」を日本向けに正式リリースし、さらに注目度が高まっている。そこで今回、PhotoRoom グロース責任者のDonovan Reboullet氏と、同コミュニティ責任者のJustyn Lee氏の来日に合わせて、「PhotoRoom」の特長や日本市場での取り組み、今後の展開などを聞いた。
「PhotoRoom」は、2019年に共同創業者であるMatthieu Rouif氏とEliot Andres氏によって開発された、高精度の自動切り抜き・背景除去を実現する画像編集アプリ。現在は世界180ヵ国の言語に対応し、ダウンロード数は4000万回を突破しており、主にフリマアプリやオンラインショップに出品する商品画像の背景除去や背景透過ツールとして活用されているという。Reboullet氏は、「当時、GoProのプロダクトマネジャーを務めていたMatthieu Rouifが、ユーザーの声をヒアリングしている際に感じた画像編集ソフトの使い勝手の悪さから着想を得て開発がスタートした。そして、AIのプロフェッショナルであるEliot Andresとタッグを組み、ディープラーニングとAI生成技術を駆使した最先端の画像編集ソフト『PhotoRoom』が誕生した」と、開発に至る経緯を教えてくれた。
「フリマアプリやオンラインショップに掲載する商品写真は、クオリティが低いと売れ残りや出品拒否、広告効果の低下、さらにはブランドの毀損につながる可能性もある。一方で、商品写真の撮影・編集加工は簡単な作業ではなく、特に商品の切り抜きや背景除去には時間とリソースの両方を大きく費やしていた」と、従来の画像編集ソフトの課題を指摘する。「これに対して『PhotoRoom』では、誰でもわずか数秒で高精度の切り抜きや背景除去を自動で行うことができる。また、写真に映り込んだ不要なものをなぞるだけで、簡単に除去できる消しゴムツールも高い評価を得ている。さらに、一括処理エディターを使えば、数百枚の写真を一度に編集加工することができ、オンラインショップのオーナーや中小企業のEC担当者における作業時間を大幅に削減できる」と、「PhotoRoom」の特長と活用メリットを訴えた。
「PhotoRoom」の日本市場での状況について、Lee氏は、「日本でも着実にユーザーが増えており、昨年10月には日本国内で100万ダウンロードを突破している。月間アクティブユーザー数(MAU)も、前年対比で170%の伸びを記録した。さらに、昨年9月に日本のApp Storeランキング『グラフィック/デザイン』部門で第1位を獲得している」と、国内においても存在感が高まりつつあるという。「日本では、フリマアプリやネットショッピングなど既存のユーザー層に加えて、プラモデルのビルダーや、ミニチュアアイテム、フィギュアの愛好家などホビーユーザーから高い支持を得ている。特に、『ガンプラ』の細かいディテールまで正確に切り抜ける背景除去を求めるユーザーにとって、『PhotoRoom』はベストな画像編集ソフトであると自負している」と、ホビーユーザーが日本での成長を支えているのだと話していた。
こうした日本独特のユーザーニーズに応えるべく、「PhotoRoom」では、「ガンプラ」の世界観にマッチした宇宙空間の背景テンプレートや、年賀状に使える背景テンプレートなどを提供しており、多くの作品がSNS上にアップされているとのこと。「中には、日本のユーザー向けに提供した背景テンプレートが海外で人気を集めたケースもある。日本のカルチャーが世界に及ぼす影響は非常に大きいと感じており、『PhotoRoom』でも日本を最優先市場と位置づけて積極的に展開していく」と、Reboullet氏は、日本での活動を本格化していく考えを示した。
今年1月には、新機能「マジックスタジオ」を日本向けに正式リリースし、大幅に機能を拡充している。「マジックスタジオ」についてReboullet氏は、「これまで写真の自動切り抜き・背景除去の機能をメインに提供してきた中で、ユーザーコミュニティなどから、写真の背景画像を編集・加工する機能がほしいという要望が高まってきていた。そこで、こうしたニーズに応えるべく『マジックスタジオ』を新たにリリースした」と説明する。「この機能では、切り抜いた写真に背景画像を組み合わせ、色彩や明るさの調整をはじめ、ぼかしやフィルターなどさまざまなエフェクトをかけることが可能となった。また、人物写真などに照明を当て、影を背景になじませることで、まるで本当にその場所にいるかのような画像を作ることもできる。さらに、AI技術を活用し、ユーザーが入力した言葉から背景画像を創作する機能も提供している」と、ユーザーの作品づくりを強力にサポートする機能になっているとアピールした。
「今後もコミュニティなどを通じてユーザーニーズを的確にキャッチし、ユーザーが求めるテンプレートや機能をタイムリーに提供していく。次の機能拡張では、AI技術でアバターを作り、自由に服装を着せ替えられるような機能を検討している」と、すでに新たな機能の開発に着手していると明かすReboullet氏。「また、これまでは個人向けのアプリとして展開してきたが、今後は、ビジネス向けにAPI連携の提案にも力を入れていく。例えば、フリマアプリと『PhotoRoom』をAPI連携することで、出品時に自動でそのサイトに合わせたフォーマットや背景に変換することが可能となる。これによって、ユーザーは手軽に出品しやすくなり、オーナーは出品数が増えることでの売上増加に期待できる」と、ビジネス向けの取り組みについても言及していた。
Lee氏は、日本市場での今後のコミュニティ活動について、「日本でのユーザー数は着実に増えているが、まだまだ認知度は低いのが現状で、もっと幅広い人に『PhotoRoom』を知ってもらう必要があると感じている。そのために、今後はオンラインのコミュニティだけでなく、オフラインの展示会やイベントにも積極的に参加していく。今回の来日でも、オフラインのイベントに出展し、日本のユーザーから生の声を聞くことができた。こうした経験を次の開発に生かしていきたい」と、さらなる認知度アップに向けて、展示会やイベントなどを通じてユーザーとのリアルな接点を広げていくと意欲を見せた。
最後にReboullet氏は、「『PhotoRoom』は、一度使ってみれば、背景除去機能の精度の高さを実感してもらえると確信している。基本機能は無料なので、まだ使ったことのない人は、ぜひ体験してほしい。もし興味を持ったならば、公式TikTokで『PhotoRoom』の使い方などを楽しく紹介しているので、こちらもチェックしてほしい。そして、すでに使いこなしているユーザーの人には、Facebookコミュニティで開催しているチャレンジイベントに参加して、世界のユーザーと競い合ってさらなるレベルアップを目指してほしい」と、写真や画像の編集・加工に携わる日本のユーザーに向けてメッセージを送ってくれた。
PhotoRoom=https://www.photoroom.com/jp/
日本公式TikTok=https://www.tiktok.com/@photoroomjp