- Study&Work2022/11/15 11:55
ソニー生命調べ「女性の活躍に関する意識調査2022」、7割弱の有職女性が、社会で働くには不利な点が多いと思っている!?
ソニー生命は、女性の活躍に関する意識と実態を明らかにするため、今年で7回目となる「女性の活躍に関する意識調査」(全国の20歳~69歳の女性1000名にアンケート)を行った。その結果、女性が考える家事・地域社会貢献での時給換算額は年々上昇傾向。育児・世話では未就学児で1847円・小学生以上の子どもで1542円、PTA活動は1441円となった。また、7割弱の有職女性が、社会で働くには不利な点が多いと思っていると回答。「女性が家庭と仕事を両立させるために必要だと思うこと」の第1は「休暇が取得しやすい職場環境」、第2に「男性の家事・育児参加」となった。
全回答者(1000名)に、毎日の家事や地域社会での貢献を時給に換算するといくらになると思うか聞いた。平均額をみると、「(未就学児の)育児・世話」(1847円)が最も高くなり、「(小学生以上の子どもの)育児・世話」(1542円)、「PTA活動」(1441円)、「親戚づきあい」(1380円)、「食事の準備・後片付け」(1233円)と続いた。
前回の調査結果と比較すると、上位5項目の平均額はいずれも増加した。それぞれの増加金額をみると、「(未就学児の)育児・世話」は174円(2020年 1673円→2022年 1847円)、「(小学生以上の子どもの)育児・世話」は166円(2020年 1376円→2022年 1542円)、「PTA活動」は155円(2020年 1286円→2022年 1441円)、「親戚づきあい」は180円(2020年 1200円→2022年 1380円)、「食事の準備・後片付け」は49円(2020年 1184円→2022年 1233円)となった。
有職女性(675名)に、女性が社会で働くには不利な点が多いと思うか聞いたところ、「そう思う(計)」は67.9%となった。働く環境におけるジェンダーギャップを感じる人は多いようだ。
全回答者(1000名)に、女性が家庭と仕事を両立させるために必要だと思うことを聞いたところ、「休暇が取得しやすい職場環境」(70.1%)が最も高く、次いで、「男性の家事・育児参加」(69.0%)、「職場の理解・協力」(67.4%)、「子どもを預けられる環境の整備」(64.6%)、「柔軟な働き方(在宅勤務やフレックスタイム制度など)」(61.6%)となった。
この結果について、ソニーフィナンシャルグループ 金融市場調査部 渡辺浩志シニアエコノミストは、「今回の調査でまず目を引いたのは『家事や地域社会での貢献、女性が考える時給換算額』。『育児・世話(未就学児で1847円、小学生以上の子どもで1542円)』や『PTA活動(1441円)』など、子どもに関わる貢献の金額が他に比べて特に高くなっている。高い時給換算額は、貢献度に対する女性たちの誇りや自己評価の高さを映す半面、負担の重さやストレスの大きさなど、女性の悲鳴でもありそうだ」とコメントする。
「『経年変化』では、時給換算額はすべての項目で年々増加している。なかでも『育児・世話』の時給換算額は、足元までに2013年調査の1.5倍超に膨らんだ。この間の女性の就業率は62%から72%へと飛躍的に高まっている。仕事に出ることで女性の家庭時間が減り、限られた時間のなかで多くの家事・育児をこなさなければならなくなったことや、家庭と仕事の両立の難易度が上がったことが、時給換算額の増加の背景にありそうだ」との見解を示した。
「『女性が社会で働くには不利な点が多いと思うか』では、残念なことに7割弱が『そう思う』と回答した。また、その割合は配偶者や子どものいる女性とそうでない女性の間で10ポイント超もの差が出ている。これは家事・育児の負担が女性に偏ってしまっていることや、家庭と仕事を両立しづらい職場環境があることを物語っている。こうした問題への解決策が『女性が家庭と仕事を両立させるために必要だと思うこと』にある。そこでは第1に『休暇が取得しやすい職場環境』、第2に『男性の家事・育児参加』が挙がっている。女性の負担軽減には、ワークライフバランスを取りやすい働き方のほか、男性や職場の協力が不可欠といえる。また、『自身の勤め先で、女性の活躍支援のために行ってほしいと思うこと』でも、『子どもの年齢に応じた短時間勤務制度の導入』や『子育て関連の費用補助』『在宅勤務制度の導入』などのような、家事や育児に役立つ策が並んでいる」と述べる。
「一方、『自身の勤め先で、女性の活躍支援のために行われていること』をみると、女性たちが望むような支援を導入している企業はまだ少数派のようだ。社員がイキイキと活躍できる環境を整備することは、労働生産性を向上させたり、会社の魅力度を高め人手不足のなかでも労働力の確保を円滑にしたりする効果が期待できる。女性の声にもっと耳を傾け、女性が活躍しやすい環境を整備することは、企業自身の成長にとっても重要な取り組みといえる」と分析していた。