ピクシーダストテクノロジーズ、ガラスと調和する透明吸音材「iwasemi RC-α」が「CES 2024 Innovation Awards」を受賞

「CES 2024 Innovation Awards」の受賞盾(左奥)とiwasemi RC-α

ピクシーダストテクノロジーズ(以下、PxDT)は、1月9日~12日に米国ラスベガスにおいて開催されたCES 2024に、ガラスと調和する透明吸音材「iwasemi RC-α」を出展し、特に評価の高い商品に贈られる「CES 2024 Innovation Awards」を受賞した。受賞にともない、今後の事業戦略と「iwasemi(イワセミ)」に採用されている音響メタマテリアル技術とその市場動向の解説、「CES 2024 Innovation Awards」の受賞背景を発表する、メディア向けラウンドテーブルを2月14日に開催した。メディア向けラウンドテーブルでは、CEO落合陽一氏によるピクシーダストテクノロジーズの概要や今後の事業戦略の発表に加え、音響マテリアル技術の市場動向および「iwasemi」の紹介や「iwasemi RC-α」のCES2024受賞背景について紹介した。また「iwasemi」製品を体験できるi wasemi RC-α設置会議室ツアーも行われた。

ピクシーダストテクノロジーズ CEO落合陽一氏

「当社は、計算機科学(コンピュータサイエンス)と、音や光などを自在に操る独自の波動制御技術の融合によって、コンピュータと非コンピュータが不可分な環境を構築し、言語や現象、アナログとデジタルといった二項対立を循環的に超えていく『デジタルネイチャー』の到来を見据えている。そして、現在、波動制御技術をメカノバイオロジーや視覚・聴覚・触覚への介入・補助をする『パーソナルケア&ダイバーシティ』領域と、メタマテリアル(材質ではなく構造で特性を生み出す技術)やオフィス・工事現場等の課題解決のために適用する『ワークスペース&デジタルトランスフォーメーション』領域の2つの主要な領域に重点を置いて製品を展開している。急速に進化していくコンピュータに対して、私たち生物の身体(ハードウェア)の進化は非常に遅く、その差はますます開こうとしている。当社はこの両者の間をうまく調停し、生活に対してよりよい価値を生み出し続ける」と、CEO落合陽一氏が同社のモットーについて語る。

iwasemi RC-αのブース(設置会議室ツアー)

「当社は、1月9日~12日に米国ラスベガスで開催されたCES 2024に、ガラスと調和する透明吸音材『iwasemi RC-α』を出展し、特に評価の高い商品に贈られる『CES 2024 Innovation Awards』を受賞した」と、世界最大級のテクノロジーイベントとして毎年1月に米国・ラスベガスで開催される「CES 2024」で高い評価を得たのだと胸を張る。

「iwasemi(イワセミ)」シリーズ

「当社が展開するプロダクト『iwasemi(イワセミ)』は、音響メタマテリアル技術に当社独自の吸音設計技術を応用することによって開発された吸音材となっている」とのこと。「メタマテリアルとは、波長以下の微細な周期形状を物質に付与することで、自然界にはない振る舞いをする人工物質の総称。音波の分野へこの概念を適用することによって、自然界にはない音響特性を持った物質を生成する技術が音響メタマテリアル技術となっている」と音響メタマテリアル技術について言及。「音響メタマテリアル技術は、軽量・薄型の素材で任意の防音性能を持たせることが可能なため、空調、建材、什器、鉄道、工事、自動車、航空・宇宙、家電、産業機器など様々な分野での活用が見込まれており、昨年の日本国内における音響メタマテリアルの市場規模は約17億円が見込まれている。また、2035年の市場規模は561億円にのぼると予測されており、今後は建築、自動車、航空・宇宙、医療機器の分野における採用が予想されている」と、音響メタマテリアルの市場は今後大きな成長が見込まれているのだという。「当社は、国内の音響メタマテリアル市場において、初めて音響メタマテリアル技術を量産量販している企業であり、パイオニアとしての地位を築いている」と、音響メタマテリアル技術について一歩先んじたビジネス展開をしているのだと述べていた。

ピクシーダストテクノロジーズ 製品担当者

「iwasemiの由来は、松尾芭蕉が夏の山寺(立石寺)で詠んだ名句からきている。芭蕉の時代からおよそ300年、音響マテリアル技術に当社独自の設計技術を応用することで、岩に音がしみ入ると感じた芭蕉の瑞々しい感性を具現化した」と、製品担当者が名称の由来について紹介。「グラスウールなどの素材を用いた一般的な吸音材は、原理的に高帯域に行くにつれ吸音率が上がる性質をもっている。一方、iwasemiは特定の周波数帯のみ吸音率が上がる性質、低帯域から高帯域まで万遍なく高い吸音率を示す性質など、適用シーンに応じた柔軟な吸音周波数特性を実現することができる」と、iwasemiの吸音周波数特性の柔軟性について落合氏が解説する。「また、一般的な吸音材で吸音率を上げるためには、吸音材を厚くする必要がある。一方、iwasemiでは吸音材を厚くすることなく、吸音率を上げることができる。つまり、一般的な吸音材と同等の吸音率を保ったまま、薄型化を実現することができる」と、高い吸音率と薄型化の両立が図られていると説明する。

iwasemi RC-α

「一般的な吸音材は、グラスウールなどの多孔質構造となる。そのため、意匠性や強度が制限される。一方、iwasemiは、共鳴構造を採用しているので、様々な素材、ステンレス鋼、アクリルを用いて、高い吸音率を実現することができる。それによって、透明色を含むカラーバリエーション、表面処理によるテクスチャ表現といった意匠性を考慮した吸音材や、強度の高い吸音材を実現することができる。また、吸音材を応用製品と一体に成形することもできるので、応用製品の強度向上・軽量化に寄与することができる」と、素材の選択自由度と加工自由度の高さも特徴なのだと教えてくれた。

左から:iwasemi RC-α、iwasemi HX-α

「『iwasemi RC-α』は、ガラスに貼れる吸音材となる。透明な吸音パネルは世界的にも類を見ず、音響メタマテリアル技術と独自の設計技術で開発に成功した」と製品担当者。

iwasemi HX-α(設置会議室ツアー)

「原材料にはプラスチックを使用しており、ガラスに馴染む高い透明度を実現したことでガラスの解放感と意匠性をそのままにワークスペースの音の問題を効率よく解消する。また、人の声に特化した吸音構造によってガラス空間につきまとう反響音を抑制すると同時に、タイルのように様々なレイアウトパターンを作ることができる。本体表面のゆらぎ形状は目隠し機能を持ち、吸音だけではなく会議室のプライバシー対策としても活用が可能となっている。植物由来のバイオエンジニアリングプラスチックを使用し、環境負荷の低減に貢献できるメリットもある」と述べていた。

iwasemi SQ-α

「『iwasemi SQ-α』は、硬質で塗装ができる、新しい意匠表現を獲得した吸音材。『iwasemi RC-α』同様に、音響メタマテリアル技術を応用しており、高い意匠性と吸音性能を有している。“重厚感を持たせたいたい”“デザインにアクセントを持たせたい”場合に、音環境を改善するとともに意匠性においても理想のオフィス環境を叶えられる」とマグネットタイプのため、自由に張り替えることもできると話していた。

iwasemi SQ-α(設置会議室ツアー)

なお、同社では、「CES 2024 Innovation Awards」受賞を記念し、「iwasemi RC-α」および「iwasemi SQ-α」の導入支援キャンペーンを1月17日から開始している。このキャンペーンでは3会議室分以上を導入した場合には、導入枚数の半分を無料とする。期間は1月17日~3月末日(実施期間は3月末までに設置が完了する案件に限る)までとなっている。【PR】

※iwasemi HX-αはピクシーダストテクノロジーズとイトーキの共同開発品となる
※iwasemi及び関連するロゴは、ピクシーダストテクノロジーズの商標又は登録商標となる

ピクシーダストテクノロジーズ=https://pixiedusttech.com


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