マイナビ、高校生のビジネスコンテスト「第10回マイナビキャリア甲子園」決勝大会を開催、今年は2部門で優勝チームが決定

マイナビは、全国の高校生を対象にした国内最大級のビジネスコンテスト「第10回マイナビキャリア甲子園」の決勝大会を、3月9日、10日に東京・渋谷ストリームホールで開催した。「マイナビキャリア甲子園」は、企業・団体が出題するテーマに対して、高校生がチームを組んで課題解決に挑むビジネスコンテスト型探究学習プログラム。2014年にコンテストを開始して以来、年々参加者数は増加し、第10回を迎える今年は、過去最高の全国2736チーム・1万125名の高校生が参加した。決勝大会では、代表12チームが1チーム10分以内でプレゼンテーションを行い、9日に「Group Creation」部門、10日に「Group Innovation」部門の優勝チームを決定した。

今年のコンテストの大テーマは、開催10年目にちなんで「BEYOND DECADE（10年を超える）」。この大テーマをもとに各企業・団体が出題したテーマの中から、高校生チームが1つテーマを選択し、それに基づくアイデアを披露した。また今年度からは、全く新しい価値を創造する「Group Creation」部門、既存のサービスや価値を再編集することによって新たな価値を生み出す「Group Innovation」部門の2部門に分け、それぞれ優勝・準優勝・審査員特別賞を選出した。

決勝大会では、各企業・団体が選出した代表12チームが、2部門6チームに分かれてプレゼンテーションを実施。各チームは10分以内のプレゼンテーションと5分間の質疑応答が設けられ、半年以上かけて考え抜いたアイデアを様々な工夫を凝らしながら発表した。審査では、「情報収集力」「テーマ分析力」「実現可能性」「持続可能性」「社会的影響力」の共通5項目と部門別の「新規創造性」または「独自性」を加えた6項目の評価点に、各審査員の「総合印象点」と視聴者投票による得点を合わせ、各受賞者を決定した。

3月10日に開催された「Group Innovation」部門の決勝大会には、サマンサタバサ代表「トリオンゲーム」（かえつ有明高等学校）、セコム代表「無所属部所属」（志学館高等部）、Dynabook代表「秘密結社TONOTOKERAI」（香里ヌヴェール学院高等学校）、TIS代表「バーベキューの集い」（聖光学院高等学校）、Visa代表「poppoppo children」（豊島岡女子学園高等学校）、ミツカン代表「若何せん」（鷗友学園女子高等学校）の6チームが出場。各企業・団体から出題されたテーマを基に考え抜いたアイデアを、10分という限られた時間の中で全力でプレゼンテーションを行った。

プレゼンテーション終了後、審査員による審議が行われ、各審査員の一次評価点と審議後の二次評価点（総合印象評価点）、そして視聴者得点を合計した結果、Dynabook代表「秘密結社TONOTOKERAI」チーム（香里ヌヴェール学院高等学校）が優勝に輝いた。優勝チームには、トロフィーと賞品として100万円分の無期限海外旅行券が贈られた。また、準優勝はサマンサタバサ代表「トリオンゲーム」チーム（かえつ有明高等学校）、審査員特別賞はミツカン代表「若何せん」チーム（鷗友学園女子高等学校）が受賞した。

優勝した「秘密結社TONOTOKERAI」チーム（香里ヌヴェール学院高等学校）は、「世界初のノートPCを開発したDynabookだからこそできる、地球人の10年後の未来を革新するPC の価値・サービスを創造せよ」というDynabookのテーマに対し、Dynabook購入時に加入できるアバターを活用した「i Dynabook 生命保険」を提案した。これに加入すると自分のアバターが作成され、死後、遺族にそのアバターが届けられるというサービスを立案。アバターはAIによって本人の性格や仕草を記憶してくれるため、贈られた家族にとっては故人をリアルに懐かしむことができるようになるという、金銭面ではなく精神面を支えてくれるという新しい生命保険サービスを披露した。

準優勝の「トリオンゲーム」チーム（かえつ有明高等学校）は、「サマンサタバサのサービスと商品を通じて、複数の世代が一緒に喜びを共有できる新たなサービスを考案せよ」というサマンサタバサのテーマに対し、卒業式・成人式・結婚式など、人生の節目のギフト需要を狙った「SAMANTHA GIFT」を提案。サマンサタバサが得意とするバックをオリジナルで作成し、中身は購入者が好きなものを選んで、オリジナルのギフトを贈ることができるという仕組みによって、コロナ禍以降伸びているソーシャルギフトに参入することで若年層の新規顧客獲得を狙えるアイデアを発表した。

審査員特別賞の「若何せん」チーム（鷗友学園女子高等学校）は、「今後10年の日本における食の変化を予測し、生活を豊かにする『味ぽん』ならではの新ビジネスを提案せよ」というミツカンのテーマに対し、地球温暖化によって増えてしまった規格外品の柑橘類を使って、様々な地域の農家とコラボレーションしたご当地味ぽんを作るアイデアを披露。ご当地味ぽんごとのレシピの作成や栄養素の紹介、通常サイズよりも小さいめで販売することで食べ比べを促す仕組みを作り、未来・社会・心身それぞれの豊かさを提供できるとアピールしていた。

審査員を務めたチェンジウェーブグループ エグゼクティブアドバイザーの宇田左近氏は、「各チームとも素晴らしいプレゼンテーションで楽しく聞かせてもらった。質疑応答でもいろいろな質問をしたくなったが、これが大事なこと。プレゼンテーションを通じて、イノベーションに向けた具体的なモノや、やりたいことが伝わってくると、審査員からの質問もたくさん出てくる。この経験を活かしてさらなるキャリアを積んでいってほしい」と今後の成長に期待を寄せた。

マイナビ／カワチ薬品 社外取締役、南葛SC マーケティング部長の江藤美帆氏は、「今回、各チームが選択した出題テーマは、人の内面にフォーカスしたものが多く、いまの時代を捉えていると感じた。ファイナリスト全18名の中に、女性が12名いるのも象徴的だと思う。大人のビジネスアイデアコンテストだと圧倒的に男性が多いことがほとんどなので、女子メンバーはこの気持ちを持ち続けたまま、大人になってもぜひこういった場に立ってほしい」と女子メンバーの活躍に目を細めていた。

Senjin holdings CEO／慶應義塾大学博士課程1年生の下山明彦氏は、「私は第1回目から参加しているが、プレゼンテーションのやりかたや質疑応答への対応、補足資料などに思考の蓄積が見られた。各学校で、何世代にわたって積み上がってきていると感じた。大会の製作側のクオリティも上がっていて、高校生のキャリアについて真剣にポジティブに考える場としての価値と重みが増していることを実感した。私自身、この熱を次のチャレンジや商品につなげていきたいと思う」と大会の重要性が年々高まってきていると話していた。

アルファドライブ 代表取締役社長 兼 CEOの麻生要一氏は、「今の若い世代には、この世界がどう見えているのか、どっちに向かっていくのかといった感覚や考えを聞いて、起業家として、未来をつくる立場としてすごく勉強になった。質疑応答では厳しい意見も出た思うが、これはプレゼンテーションのレベルが高かったからこそ。ビジネスや起業の世界では、プレゼンテーションの内容を評価して、本気で実現したいと思った時には、聞く側も真剣になる。厳しい指摘を受けたからといって落ち込まないで、自分たちの想いがしっかり伝わったと受け取ってほしい」とエールを送ってくれた。

また、3月9日に行われた「Group Creation」部門の決勝大会では、エルテス代表「Andante」（さいたま市立大宮国際中等教育学校）、J－POWER代表「クローバー・ジャーニー」（千葉県立幕張総合高等学校／東京工業大学附属科学技術高等学校）、住友林業代表「Jupiter」（筑波大学附属高等学校）、生命保険協会代表「質疑応答独占」（渋谷教育学園幕張高等学校／麻布高等学校）、全農代表「らーめん。だ」（豊島岡女子学園高等学校）、たかの友梨ビューティクリニック代表（不二ビューティ）「可能4姉妹」（國學院大學久我山高等学校）の6チームが出場。審査の結果、生命保険協会代表 「質疑応答独占」チーム（渋谷教育学園幕張高等学校／麻布高等学校）が優勝に輝いた。準優勝はエルテス代表「Andante」チーム（さいたま市立大宮国際中等教育学校）、審査員特別賞はJ－POWER代表「クローバー・ジャーニー」チーム（千葉県立幕張総合高等学校／東京工業大学附属科学技術高等学校）が受賞した。

優勝した「質疑応答独占」チーム（渋谷教育学園幕張高等学校／麻布高等学校）は、「ITの発達による10年後、その先の社会を想像し、その社会において生命保険会社が提供すべき新しい価値を提案せよ」という生命保険協会のテーマに対し、「精神」や「自我」に対する保障の提供について“精命保険”というサービスを提案した。多様化がうたわれる現代を経て「多層多場多己（それぞれ個が、肉体や人格を複数所有するもの）」の世の中になる10年後を想像し、そこで求められる生命保険サービスとして“精命保険”を立案。これまで保証の対象が家族であることが主である生命保険が、本人が多様な自分へのリスクヘッジにかける保険という新たな価値を見出す内容を披露した。

なお、今回の決勝大会の模様について、テレビ東京系列6局とBSテレ東で、大会の総集編ドキュメンタリーを放送する予定。放送日時は、テレビ東京、テレビ大阪、テレビ愛知、テレビせとうち、テレビ北海道、TVQ九州放送が4月21日16時から。TVer（ティーバー）でも見逃し無料配信を行う。

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マイナビキャリア甲子園公式サイト＝https://careerkoshien.mynavi.jp/