タカミヤ、農業界の課題解決に向けた先端技術の研究開発と展示を行う総合農業パーク「TAKAMIYA AGRIBUSINESS PARK」を開設

総合農業パーク「TAKAMIYA AGRIBUSINESSPARK」のテープカットセレモニー

タカミヤは、農業界の課題解決に向けた先端技術の研究開発と展示を行う総合農業パーク「TAKAMIYA AGRIBUSINESSPARK」のオープニングセレモニーを10月17日に実施した。「TAKAMIYA AGRIBUSINESSPARK」の総面積は3万9936m2におよぶ大規模施設で、農業界が抱える問題解決に向けた、最新のDX技術、AIなどを駆使した革新的なソリューションが体験できる。開業式典では、施設での様々な取り組みを紹介すると共に、施設内の見学ツアーなどが行われた。

タカミヤ 代表取締役副社長 高宮章好氏

オープニングセレモニーでは主催者を代表し、タカミヤ 代表取締役副社長 高宮章好氏が挨拶した。「建設現場の足場をつくる当社が、本格的に農業ビジネスに参入する。この背景には、足場をつくる際に培われてきた技術で、風害などに強い農業用ハウスを手がけてきたが、ハウス設備だけでは業界の課題やニーズの把握には不十分であったことから、自分たちで野菜を作ってみようと想い、今日を迎えた」と、同社が農業ビジネスに参入するに至った経緯を紹介する。「様々な人の力を借りながら、効率よく農業に新規参入しやすい環境を提供するべく、今回『TAKAMIYA AGRIBUSINESSPARK』をオープンすることになった」と、多くの人々に農業を始めてみたいと思わせる施設に育てていくと意気込む。「将来的には、農業の研究施設に育成し、業界全体を盛り上げていきたい」と、新たな施設の誕生に喜びを語っていた。

ヤンマーグリーンシステム 中井健二社長

次に、来賓の祝辞として、ヤンマーグリーンシステム 中井健二社長が登壇した。「農業に対する様々な課題が山積している。特に、高齢化や後継者不足、気候変動による災害によって食料供給の安定的な提供ができないという事態も頻発している」と、現在抱える農業界の問題点について語る。「今回、タカミヤが提供する災害に強い農業を提唱するプロジェクトは食の恵みを享受できると共に、安定的な供給が確保できると考えた」と、課題解決に前進できるプロジェクトであると判断したのだという。「さらに、新しいアイデアや技術の進歩も期待できることから、『TAKAMIYA AGRIBUSINESSPARK』への参画を決定した。他の参画企業と共にさらに農業全体を発展させていきたい」と、「TAKAMIYA AGRIBUSINESSPARK」で得た知見を多くの農地に波及させていきたいと訴えた。

タカミヤ アグリ事業部長の岡本裕之氏

そして、タカミヤ アグリ事業部長の岡本裕之氏が、「TAKAMIYA AGRIBUSINESSPARK」について紹介した。「『TAKAMIYA AGRIBUSINESSPARK』は世界に目を向けて、農業を発展させるべく開設する」と、大きな視野で農業を盛り上げていくと語る。「『TAKAMIYA AGRIBUSINESSPARK』は、ラボ事業(研究・開発)、スクール事業(トレーニングファーム)、福祉事業(ダイバーシティマネジメント)、栽培事業(農場経営)の4つの事業軸から成り立っている」と、農業に関わるすべての人々と共創できる受け皿になるべく展開していくと意気込む。「ラボ事業では、参画企業と共に新しい農業技術や製品の開発を実施する。スクール事業では、農業を学びたい人を対象に、栽培・収穫・販売までを一気通貫で学べる場所を提供する。福祉事業では、農業と福祉の連携や新しい形の雇用の創出、雇用機会の提供を目指す。栽培事業では、稼げる農業およびロスをなくした環境型・持続可能な農業を実現する」と、農業のシリコンバレーを目指していくのだと述べていた。

この後、テープカットが行われ「TAKAMIYA AGRIBUSINESSPARK」のオープンを祝った。

サンゴ砂礫栽培ミニトマト施設

内覧会では、約6000m2のサンゴ砂礫栽培のミニトマト施設から見学。サンゴは水捌けがよいためすぐに乾燥してしまうことから、水を循環するシステムを導入している。

農業の見える化システム

これらのシステムをモニタリングし、農業の見える化も図っている。温度、湿度、Phaを観察し、蓄積したデータを時系列で分析するなどして栽培の効率化も図っている。

フルーツパプリカ栽培施設

フルーツパプリカを栽培する施設では、マクニカの土壌ECセンサーを導入。ゴミや埃はほぼゼロで清潔な環境を確保している。

自動収穫ロボットが導入されたキュウリ栽培施設

キュウリ農場には自動収穫ロボットを導入。カメラで画像を認識し、AIで取り込んだ画像を見極めて、収穫をロボットが行う。収穫の際に、枝や葉を傷つける恐れがある場合は、収穫を行わないというプログラムを搭載しているため、非常に繊細な収穫を可能にしたロボットなのだと紹介した。

また、ワサビ栽培を行うコンテナも導入。あらゆる環境で野菜の栽培に取り組んでいると説明した。なお、収穫した野菜は、同社のWEBサイトを通じて販売する他、地元のスーパーなどに直接野菜を卸して販売していくという。

左から:タカミヤ 代表取締役副社長 高宮章好氏、タカミヤ アグリ事業部長の岡本裕之氏

「TAKAMIYA AGRIBUSINESS PARK」は、アグリプラットフォームの中心的役割を果たす存在となるべく、農業におけるすべてがわかる総合農業パークを目指している。農業従事者の普及・教育およびリスクを減らして就農できる環境づくりを行い「農業」への参画ハードルを下げる。また同施設では、新たな農業技術の開発も促し、農業のさらなる発展に貢献していく。これまで培われてきた知見を活かしつつ、AIやロボットを活用することで、新しい農業の形を提案、日本の農業界の光となるべく努めていく。将来的には、農業に持たれる「汚い・キツイ・かっこ悪い」といったネガティブなイメージを払拭し、「かっこいい・感動・稼げる」といった新3Kのイメージを定着させ、農業問題の根本的な解決を目指す考え。

タカミヤ=https://corp.takamiya.co
アグリ特設サイト=https://takamiya-aisai.jp


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