- Study&Work2025/04/21 19:50
東京都、新生活を守る「春の痴漢撲滅啓発イベント」を実施、高校生も参加し東武東上線池袋駅で痴漢被害撲滅を呼びかけ

東京都は、東武東上線池袋駅南改札外で、新生活を守る「春の痴漢撲滅啓発イベント」を4月15日に実施した。当日は、東京都副知事の松本明子氏、豊島区長の高際みゆき氏、警視庁、鉄道事業者、そして国内で唯一校名に「鉄道」の語が入る昭和鉄道高等学校と、その姉妹校である豊島学院高等学校の生徒など約50名が参加し、複数の鉄道会社・路線が乗り入れている池袋駅を利用する人々に、啓発グッズを配布しながら痴漢被害撲滅を呼びかけた。

イベントの実施にあたり挨拶に立った東京都副知事の松本氏は、「痴漢は、被害に遭われた人に身体的・精神的な苦痛をもたらす卑劣で許しがたい犯罪である。東京都が昨年12月に実施した『痴漢被害実態把握調査』によると、痴漢の被害件数は4~5月に最も多いことが明らかになった。特に4月は就職や転勤、入学など生活環境の変化を機に電車通勤・通学をスタートする人が多くいることに加え、新入生などを狙った痴漢被害も懸念される。そこで、東京都では4月7日から5月31日まで『春の痴漢撲滅キャンペーン』を展開し、今回、痴漢撲滅を広く訴える啓発イベントを池袋駅で実施する」と、東京都として初めて4月に啓発イベントを実施する経緯を説明。「今回のイベントでは、警視庁、地元豊島区、池袋駅に乗り入れのある鉄道事業者、そして高校生の学生たちと一緒に、電車を利用する人々に痴漢撲滅を訴える啓発活動を行う。痴漢を許さない・させない取り組みに共感してもらえるよう、力を合わせて呼びかけていきたい」と意気込みを語った。

続いて、豊島区長の高際氏が挨拶。「進学したり就職したり新しいワクワクが始まるこの時期に、痴漢被害に遭うことで、すごく嫌な思いをさせられてしまうことは、本当に許せないと思っている。ここ池袋駅は、新宿、渋谷に続いて乗降客数が多く、1日で約265万人が利用している。しかし、その中には痴漢被害に遭っている女の子がたくさんいる。加害者をつくらないことはもちろんだが、周りの人も痴漢を見過ごさず、声かけなどで痴漢を防ぐ意識を持ってもらう必要があると感じている。今日は、生きづらさを感じている若い女性を支援する豊島区『すずらんスマイルプロジェクト』のメンバーも参加し、『痴漢は絶対に許さない』という思いで、キャンペーンをしたいと思っている」と、池袋駅を利用するすべての人に痴漢撲滅への意識を高めていきたいと話していた。

次に、警視庁鉄道警察隊 隊長の鈴木直子氏が挨拶。「警視庁では、痴漢被害のない社会を実現するため、東京都や鉄道各社と連携しながら『痴漢撲滅プロジェクト』を推進しており、鉄道警察隊による駅構内や電車内での痴漢の取り締まりを強力に実行している。一方で、痴漢被害に遭った人は、誰にもいえず、1人で苦しみを抱えているケースが多い。そうした人は、ぜひ警察の相談ダイヤル『#9110』を利用してほしい。また、痴漢防止には痴漢撃退機能などがついた警視庁防犯アプリ『デジポリス』がとても効果的なので活用してほしい。そして、もし痴漢被害の現場を目撃した場合には、勇気を持って声をかけてほしい。その一言で救われる人が必ずいる」と、被害者のケアおよび痴漢防止に向けて、警察も全力で取り組んでいくとアピールした。

昭和鉄道高等学校・豊島学院高等学校を代表して挨拶した生徒は、「私の周りの人からも、痴漢の被害に遭って怖かったという声を聞いたことがある。特に4月は新生活が始まり、電車通勤や通学を始める人が増え、その機を狙って痴漢被害も増加する。今回のキャンペーンを通して、少しでも痴漢の被害に遭う人を減らせるよう、皆さんの理解を深め、痴漢を絶対に許さないという考えを持ってもらいたい。また、たくさんの人に、痴漢被害の危険性と、社会全体で新入生などの新生活を痴漢被害から守る必要があることを伝えていけるよう頑張りたい」とメッセージを述べた。

この後、東京都、豊島区、警視庁、鉄道事業者の関係者、および昭和鉄道高等学校と豊島学院高等学校の生徒など総勢50名以上が力を合わせ、池袋駅を行き交う多くの人々に、啓発グッズを配布しながら痴漢被害撲滅を訴え、痴漢を絶対許さないよう声をあげていた。
東京都=https://www.metro.tokyo.lg.jp/
痴漢撲滅プロジェクト=https://www.chikanbokumetsu.metro.tokyo.lg.jp